La Barbe Bleue-青髭- 公演情報 La Barbe Bleue-青髭-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    私はレイプされた、私は虐待された、私は親に捨てられた、私は愛する者を奪われた、私はこの残酷な世界で傷つき虐げられもがき苦しんでいる。この苦しみを、心の痛みを無かったことにするな。私はここで叫び続ける。

    劇団Tremendous Circus が芝居を通して訴えることを短く言い表せば、こういうことになるだろうか?

    キワモノで怪奇趣味、闇に追いやられたものたちが世界へ報復するためのグロテスクなカーニバル。それが劇団の芸風で、歌とダンスもある。今回は公演時期がハロウィンと重なっていて、悪魔や亡霊たちが百鬼夜行する闇の祝祭ハロウィンにぴったりの芝居だった。

    悪魔もかつては天使だった。闇に生きる者はどうして闇に堕ちたのか? この芝居ではシャルル・ペローの血生臭い童話を下敷きにして、殺人鬼『青髭』を主役に立て、その城に招かれたヒロインがその心の闇に迫っていく。彼はなぜ何人もの女を殺さなければならなかったのか? 次々と開かれる秘密の扉、暴かれる過去、よみがえる亡霊、繰り返される惨劇。どうして殺人鬼はこの世に生まれたの? あなたは殺人鬼を愛せますか?

    これは怖い話。観ていて怖くなるけど、登場人物たちは闇に咲く妖花のように美しく艶やかで、また闇の中で出会いたくなる。

    ネタバレBOX

    劇中で見せてくれるガイコツの踊り、マジでゾクゾクゾク~ッときた!!
  • 満足度★★★★

    ネタバレBOXにて

    ネタバレBOX

    今回で3度目の観劇。
    サロメ、雪白姫、と観てきての感想。
    物語の根底にあるものは一貫していると感じた。作・演出の田中円氏が描くべきもの、描きたいものが一貫しているのだろう。
    その上で、テーマや舞台が変化している。
    故に、その根底のテーマが合わない人は何を観ても合わないだろうし、そこを「説教くさい」と思う人はいるはずだ。

    しかし、エンタメの世界はそういうもの。
    合わない人を取り込むより、その想いを求める人の心に突き刺すことが大切。
    一貫したテーマを描く作家さんは観る側としては信頼できる。

    演出などは確実に回を増す毎にパワーアップしている。
    痛いくらいの熱量と重いテーマで、殴りつけてくるような劇団だ。
    時にその熱が空回りして感じられることもあったが、逆にそこに人間を深く描いた姿を感じて胸が熱くなる。

    「人は何故人を殺すのか」
    このテーマで、罪人をただ裁くことも出来る。けれど、この劇団はいつでも、そうなり得る人、そうなった人にまで寄り添おうとする。
    そこに生半可の覚悟しかなければお寒いだけだが、彼らは血を吐くような覚悟の上でそれを演じ、描いているのが感じられる。

    優しく熱い表現者集団だと感じた。

    舞台の小道具も、この規模で出来得る限界値までやろうとしているのが感じられ、これだけテーマが「現実的」であっても「幻想的」な世界観を忘れさせない。

    やや足し算が過ぎるほど詰め込まれた要素は、てんこ盛り過ぎるきらいはあるが、そこはそれぞれの要素への愛情とリスペクトであろう。
    少し引き算をしてみても充分にテーマを伝えられる実力はあると思うので、そういった舞台も観てみたいかも知れない。

    そしてそうそう、ネタバレOKならこれは書いておかないと。
    ご本人もTwitter上で解説していたけれど、この物語が怖いのは何よりラストだと思うのだ。
    「連鎖は何も終わってないんだな…」というブラックさもある。同時に、彼らならここで終わらせられるのではないかという希望もある。
    じわりじわりと、後から効いてくるパンチを最後に喰らうことになる。
    毎度思うけれど、毎回一回しか観ていないのが惜しくなる。もう一度観て自分の中のモヤモヤを解消したくなるのだよなぁ。

    とにかく一度、観てみて欲しいと思う。
    何かに迷う人や、苦しんできた人、痛みを背負った人…そんな人たちは、「何か」を見つけられるはずだ。
    そして、心に何かが残り、何かを得て帰れるはず。
    そんな人たちこそ、観て欲しいと思うのだ。

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