華氏451度 公演情報 華氏451度」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/04 (木) 14:00

    焚書の話。

    ネタバレBOX

    焚書などの、歴史的な出来事に対する警鐘、はもちろんのこと、
    インターネット時代は情報が早く伝わりすぎて、
    人生をかみしめるような、本の存在が軽くなっている。

    そのことに対して、重い問題を投げかけているように感じた
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/14 (日) 14:00

     壮大な舞台である。レイ・ブラッドベリが1954年に書いたディストピア小説の舞台化で、原作は読んだが、映画や舞台では見たことがない。3面が巨大な本棚に囲まれた舞台美術にまず目を奪われるが、そこで演じられる芝居も長塚が脚本で白井が演出というだけの価値はあり、ほとんどの役者が2つ以上の役を演じることで、逆に深みが出てきていると思った。特に、美波が正反対の重要な役を演じるあたりを見ると、この人は本当に巧い役者になったなと思う。草村礼子のセリフがないのに存在感を示すところも見事だと思った。

  • 巨大な本棚が舞台の三方を囲む抽象美術で、空間の多様性が楽しめました。美波さんの美しさに息を飲みました。パンフレットに関係者それぞれが本を紹介する欄があります。これは嬉しい!

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/08 (月) 14:00

    まずは、白い本の巨大な棚。この棚から落ちてくる本は、当然決まっているのだろうけれど、どのように落下を制御しているのだろうか。適当に落ちてきたら危ないし。
    物語りでは、この落ちてきた(あるいは、ファイヤーマンが落とす)本が、発見されたものとして、キレイに燃やされていく。その白に映えるの炎の投影が美しい。ある意味この演出が、物語りを全てリードしていき、登場人物の心理や考えの流転や抑揚を、見事に観客に伝えていく。

    今回の舞台では、白石氏と長塚氏で、配役をどうするかで頭を悩ませたらしいが、結果、少人数で複数の役を演じさせることで、説明に終始することなく、共有された世界観を出せると考えたらしい。確かに、美波の娘クラリスや妻ミルドレッド、吹越満のベイティー隊長とグレンジャーの対の関係性は、同一人物が演じることで深い妙味を醸し出しているし、2役の意識の差が相乗的に働いて、陶酔感溢れる演技に昇華している。

     特に吹越満の2役は、彼特有の無機質なセリフ回しと相俟って、ケレン味さえ感じさせる名演になっている。双方を演じている部分だけ切り取って見せたら、この役は分裂症なのかというくらいに、自負に溢れた表現力は、2役を演じているということが大きいと思う。

    さて、今回の上演に際しては、パンフで、白石や長塚氏が述べているように、スマホに代表されるようなデジタル文化への傾倒への警鐘があり、文化軽視、情報過多、アナログ蔑視への批判という面が指摘されている。さもありなん。これが65年前に発想されたということに驚かされる。
    最近では、「1984」の舞台化、映画「2001年宇宙の旅」の再評価などが続いている。「華氏451度」も上演も、すでに古典と化しつつあるこれらSFが、今なお機知と新鮮味に溢れたものであることを示すものではないだろうか。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/07 (日) 14:00

    座席1階4列

    ブラッドベリの有名SF小説が原作、
    トリュフォーの映画版も有名で大好きな1本です。
    これを、長塚さん脚本、白井さん演出とくれば観ないわけにはいきません。

    まずは本でいっぱいの本棚が舞台三面、天井まで埋め尽くされている舞台に圧倒される。
    真っ白な大量の背表紙が美しく、また、その白面に書籍の背表紙の映像が投影され、
    まるで一瞬にして本に命が宿ったよう。
    そして、「白い本」はそこに投映される映像によって燃やされる。

    ヒロイン二役と機械猟犬、鹿を美波さんが、
    ファイアーマン隊長、ブックマンの長を吹越満さんが、
    それぞれ対極をなす二役を演じ、その表現が素晴らしかった。

    壁面大型テレビと地デジの視聴者参加型双方向通信、
    スマートフォン、電子化され減っていく書籍、
    経済優先の大統領の元で減っていく文化への援助、
    62年前に書かれた小説の世界が結構実現していて驚く。
    某国の公文書・議事録・日報の廃棄や公式記録の軽視は無関係か?
    しかし、ブラッドベリも予想できなかったことは、
    「人は、たとえ国家に規制されなくとも、自ら本を捨てはじめている」
    ということでしょうか・・・
    それでも、人はすべてを捨てず、本についてもいいところどりをして
    貪欲に今を生きているという現実。

    燃えている本を模したパンフレットも粋です。

  • 満足度★★★★

    大きく高い白い本棚が客席に向かって開いている。本棚には白い大きな本が並んでいるが、それが次々と炎上する。ここはマッピングだ。本を持っているだけで犯罪で、それを焼く昇火士と言う公務員もいる情報管理社会がこの装置でよくわかる。昇火士と言うのは、原作翻訳者の造語だが、言葉にすると消火士と紛らわしい。つまりは現在の消防士とは別の役割の公務員がいる未来のディストピアドラマである。
    ミステリやSFの読者には古典のレイ・ブラッドベリの原作はすでに何度も映画にはなっているが、舞台にするには未来社会と火を扱う場面をうまく見せられるかどうかがネックになっていて、あまり記憶にない。今回は、この装置が効果的で、終始この本棚に囲まれた舞台で進行する昇火士モンターグ(吉沢悠)の物語に説得力がある。
    原作はナチスの焚書に近く、アメリカの赤狩り1950年代に書かれていているから、当然、古めかしいのだが、最近の中国の言論規制や、そこまで行かなくても身近なところで起きている「忖度」や他人への無関心を見ると他人ごとではない生々しさがある。その原作第一部の部分は舞台でもよく表現されている。
    昇火士モンターグは、隣人の娘クラリスや妻ミルドレッド(ともに美波)や、上司(吹越満)との日常の中で、このホンのない統制社会に疑問を持ち抜け出そうとする。原作第二部第三部の脱出のアクションドラマ的冒険物語で、原作では本(思想の持ち方)に関する多くの引用や警句がちりばめられている上に、機械猟犬のような小道具、戦争が始まると言う大道具も出てきて舞台では難しいところだ。
    小劇場なら一言の説明でやむを得ないと納得するが、大劇場ではどうか。

    ネタバレBOX

    しかし、演出の白井晃はこういうシチュエーションには経験豊富で、原作に沿いながら、まずは、大過なく見せてしまう。長塚圭史の脚本もうまく原作をまとめて、よく出来ました。という印象なのだが、後半の道行きの部分(引用が多い)は旨く観客に伝わったとは言えないのではないか。ことに疑問なのは、多くの役を演じる美波で、クラリスと妻の二役はともかく、それが、ラストの動物の役にまで重なっていくのは、そういう解釈はあるとしても、無理があると思う。そのために最後にモンターグがミルドレッドとののシカゴでの青春の出会いを思い出し、それに希望を託して終わるところが、役者の力量もあるが、とってつけたようになってしまった。


この公演に関するtwitter

初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 - ねとらぼ https://t.co/4yew21VIIU @itm_nlabさんから

    5年以上前

  2. やだ…最高じゃないですか… 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 - ねとらぼ https://t.co/nC0V7kZoDg @itm_nlabさんから

    5年以上前

  3. 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 https://t.co/khB1BzDfFH

    5年以上前

  4. 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 https://t.co/IPSsK3AiDz https://t.co/kXt90y7RPu

    5年以上前

  5. 華氏451度、本を焼く人をファイヤーマン(本来は消防士)というけど、 本を焼く理由が、表向きは「善良な市民が有害な情報によって害されないように」で 本を焼いた結果、長期記憶が社会全体から損なわれ 本を焼く行為は、翻訳によっては「浄化」と訳される ので、文アルみるとたまに来ますね

    5年以上前

  6. 【今月のクイズ】今月は「本の日」を挟み特別に延長しています!問題は、レイ・ブラッドベリのSF小説の傑作『華氏451度』から。正解者の中から、30名様に2000円分の図書カードネットギフトをプレゼントします!11月4日まで。 https://t.co/0WAoFxLxrj

    5年以上前

  7. ゲームウォーズ(上)(下)を読み終えたので 次は華氏451度を読みます

    5年以上前

  8. ブラッドベリの華氏451度は旧訳版で読んだんだけど、装丁もさることながら「火の色は愉しかった」の書き出しが最高で、一気に物語に引き込まれた。新訳はちょっと違うみたいね。

    5年以上前

  9. 『華氏451度』の特殊仕様版、最終形態は「全文記憶した人間」とかで出してほしい……

    5年以上前

  10. 華氏451度ってタイトルの由来、たしか紙が燃える温度だったはず https://t.co/CbwkNINEeE

    5年以上前

  11. 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 - ねとらぼ https://t.co/sOotPLmwCd

    5年以上前

  12. 黒いページを火であぶると読めるようになる 特殊仕様の『華氏451度』 https://t.co/mTSEsVNqnq https://t.co/PNXO9lDwOo

    5年以上前

  13. 「華氏451度という小説を紹介します。 これは、本を読むことと所有することを禁止し、思想統制がなされる世界を書いたディストピアのお話です。 これは現実とリンクする所があり、それはトランプ政権が博物館等の予算を削減したこと、安倍政権… https://t.co/j5Fp9Yage9

    5年以上前

  14. 書物は、われわれが忘れるのではないかと危惧する大量のものを蓄えておく容器のひとつのかたちにすぎん。 フェーバー教授 華氏451度_レイ・ブラッドベリ

    5年以上前

  15. しかし、そこが人間のすばらしいところだ。重要で、やる価値があると心底納得していれば、いくら勇気をくじかれようと、うんざりしようと、あきらめずに、もう一度最初から繰り返せるんだ。 —レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」

    5年以上前

  16. @hadalie_hadalie パラノイア良いですよね!あの皮肉過ぎるディストピアSF的世界観が ディストピア小説や映画などもかなり好きです 「1984」や「華氏451度」や「リベリオン」辺りとか良いなあと  ツルミさんが傷つくのが、彼は一番応えそうですものね…

    5年以上前

  17. 「オーデュボンの祈り」のパンフレット、販売中です!【水】 吉沢悠、河原雅彦、小林隆、石井正則、武藤晃子、玉置玲央(柿喰う客)、陰山泰、筒井道隆さん。 https://t.co/DNAMBroCu9 #吉沢悠 #華氏451度 華… https://t.co/hPbOvbcBwu #吉沢悠 #華氏451度

    5年以上前

  18. 「セールスマンの死」稽古の様子が明らかに、長塚圭史「現代性に驚かされる」 - ステージナタリー https://t.co/l0UTxis41c この間の華氏451度といい、セールスマンの死といい、KAATさん素晴らしい^_^

    5年以上前

  19. しかし、そこが人間のすばらしいところだ。重要で、やる価値があると心底納得していれば、いくら勇気をくじかれようと、うんざりしようと、あきらめずに、もう一度最初から繰り返せるんだ。 —レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」

    5年以上前

  20. レイ・ブラッドベリっていうね、SF作家の方の「刺青の男」っていうのを読んでるんですけど、それアンソロジーって短編集なんですよ。最近そういう短編集を読んでる。「ピンクとグレー」の中にも出てきた「華氏451度」の作家さんですね。 [20120513]

    5年以上前

  21. 華氏451度、とても1953年に書かれたとはおもえない

    5年以上前

  22. 今年の2部はまるでデロリアンに乗って時空の旅に出るようです。 サウサンプトン上空からタイタニック号を眺め、 ホグワーツ魔法学校を見学、 華氏451度の火災や、インポッシブルなミッションに巻き込まれそうになりながら、 太古から蘇っ… https://t.co/iPYwSf6b6f

    5年以上前

  23. @praynex あっっっっっ申し訳ない ディストピアのやつ華氏451度でした

    5年以上前

  24. 1984年だったし華氏451度だったし楽しみで吐きそう

    5年以上前

  25. @nandemoiiya 華氏451度

    5年以上前

  26. @UT_Chanike 華氏451度くらいしか読んだことない

    5年以上前

  27. ・DaQuise ・I-39 ・両日 ミヒャエル・エンデ著「モモ」ブラッドベリ著「華氏451度」バージニア・リー・バートン著「ちいさいおうち」をテーマにしたアクセサリーやオブジェ。 一点物の新作も! Chockingdom、lic… https://t.co/U7Mp8kgNlV

    5年以上前

  28. しかし、そこが人間のすばらしいところだ。重要で、やる価値があると心底納得していれば、いくら勇気をくじかれようと、うんざりしようと、あきらめずに、もう一度最初から繰り返せるんだ。 —レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」

    5年以上前

  29. ハヤカワ文庫 @hykw_SF 火星年代記の新版1015円+税なのね👀 https://t.co/7ARq7FJgOU 手元の旧版(昭和56=81年)は380円でまた遠い目になってしまう😶 因みに手元の華氏451度は 旧訳(背表紙… https://t.co/xLAjozJRD7

    5年以上前

  30. ハヤカワ文庫 @hykw_SF 火星年代記の新訳版、1015円+税なのね👀 手元の旧訳(昭和56=1981年12刷)は380円でまた遠い目になってしまう😶 因みに手元の華氏451度は 旧訳(背表紙は華氏四五一度、1990年20刷)… https://t.co/xi92Us4bFF

    5年以上前

  31. 舞台「幕末純情伝 2008」のパンフレット、販売中です!【火】 石原さとみ、真琴つばさ、吉沢悠、舘形比呂一、山崎銀之丞、つかこうへいさん。 https://t.co/EQnWLW3QGU #石原さとみ #吉沢悠… https://t.co/Ox3CPMqiB3 #石原さとみ #吉沢悠

    5年以上前

  32. 火を燃やすのは愉しかった。 ものが火に食われ、黒ずんで、別のなにかに変わってゆくのを見るのは格別の快感だった──      ──『華氏451度』/レイ・ブラッドベリ #こんれぼっと

    5年以上前

  33. @arapanman @keiki22 華氏451度まで、あと一歩。

    5年以上前

  34. しかし、そこが人間のすばらしいところだ。重要で、やる価値があると心底納得していれば、いくら勇気をくじかれようと、うんざりしようと、あきらめずに、もう一度最初から繰り返せるんだ。 —レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」

    5年以上前

  35. 華氏451度、中高生かそこらの時読もうとしたことあった気がするけど、最後まで読めたのかな?オチとか内容が全然思い出せない。結局読んでないのか?あらすじちょっとggってくる。 https://t.co/C102ZHlUZr

    5年以上前

  36. 華氏451度を読もうな

    5年以上前

  37. 華氏451度好きなんだけど原作は読んでないんですわ

    5年以上前

  38. 華氏451度は正直読みたいがすぎる。

    5年以上前

  39. スマホ社会に警告か 舞台「華氏451度」主演の吉沢悠:朝日新聞デジタル https://t.co/JQyD6IEyrQ

    5年以上前

  40. 華氏451度買ってみたんですけどこれ現代でも十分当てはまりそうですね 少数派への配慮や大衆感情、多量の娯楽やものを考える為ではない余暇

    5年以上前

  41. 華氏451度読みたいんだよね ディストピアもの好き

    5年以上前

  42. しかし、そこが人間のすばらしいところだ。重要で、やる価値があると心底納得していれば、いくら勇気をくじかれようと、うんざりしようと、あきらめずに、もう一度最初から繰り返せるんだ。 —レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」

    5年以上前

  43. 華氏451度気になりすぎ…原作探して読もうかな

    5年以上前

  44. あーなるほど451ナンバーは華氏451度からきてるのだ

    5年以上前

  45. 華氏451度はまだ読んだことないから読んでみたいな。耐火仕様じゃなくていいからw

    5年以上前

  46. 焚書係が燃やししているのは、すべての 本。という事は、単純計算で比例すると世界一のベストセラーが一番たくさん燃やされるという意味になるよ❗ 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) https://t.co/AWwpewRGMm

    5年以上前

  47. なんか最近、頻繁に 「机の上の勉強より好きな事やったほうが人生や仕事に役立ってる」 っぽいツイートが流れてくる。 で、そういう系の方々のTLを拝見すると概ね、 「役立つ=もうかる」 という構図。 人間を生産性の有無で判断する世… https://t.co/BiZFCxVNB5

    5年以上前

  48. 拝金リベラルは政府批判に都合のよい映画「1984」ばかりを取り上げますが、映画「華氏451度」にはリアリティー番組(視聴者とのコミュニケーションを売りにする番組)による洗脳がリアルに描かれている。 こちらの洗脳の方が現実にははるかに進んでいます。

    5年以上前

  49. 拝金リベラルは政府批判に都合のよい映画「1984」ばかりを取り上げますが、映画「華氏451度」にはリアリティー番組(視聴者とのコミュニケーションを売りにする番組)による洗脳がリアルに描かれている。レジスタンス側がファンタジーなのはバッシングを避ける為でしょう。

    5年以上前

  50. 矢野あっこちゃんが電気羊読みたいといってる 電気羊の表紙かっこいいなーとAmazonでながめる ディストピア小説のタイトルが並ぶ 華氏451度 …ぼくりりのストーリーで華氏つかってたの思い出す() レイ・ブラッドベ… https://t.co/GqOvUCHQMI #ぼくりり文庫

    5年以上前

このページのQRコードです。

拡大