満足度★★★★
遊戯空間じたい久々のお目見えで、和合亮一と来ると生真面目なリーディング舞台では・・と若干警戒しつつ観はじめたが、何かをブチこまれた。
この演目の初演?は見ていないが、震災から7年の今、和合氏著『詩の礫』を読んだのも昨年古書を安く入手してであり、今の感覚から程遠い震災直後の「感覚」(身体的反応)から出た文章を、現在の東京でどう舞台化するのか・・。
要は震災直後は特殊な身体的・心理的状態を人にもたらす事を知る現在、つまりその反応を原発事故・津波の悲劇と結びつける事による詠嘆調を「古い」と感じてしまう現在、あの言葉はどう今に響かせられるのか、という警戒であった。
この舞台は、「震災直後」という時間に、役者それぞれが素手で、半ば強引に、向き合い寄り添う態度に徹すること、それを自らに課すことで、成立していたと思う。
文の構成、20人程の俳優への割り振り、シーン分割とそれぞれの演出的趣向は、徐々に徐々に、下腹に響いてきた。
放射能への無理解による福島人への差別が露出した光景。また津波の後老いた母を探しに家族が訪れ、髪飾り一つだけを見つけ、よかったよかった、よかったよかったと、喜んで帰って行ったという記述。やがて一人称による直接話法が頻出し、地の底から響かせるような語り、叫び、張り詰めたテンションと速度でまくしたてる。
重い空気が続けば少し引いた場所で小休止と行きたいのが人情だが、この舞台では(演出的工夫は別として)、被災地に生きる誰か、若しくは和合氏の言葉を、代りに「言う」以上、どのような事があろうと「引く」態度を微塵も見せてはならず、情念、狂気、何を寄る辺としようが「深刻さ」を保つ事が課せられている。そしてそれは「忘れようとしている」我々が変わらぬ事実に向き合うべきである事と、向き合い方=態度のありようを厳しく問うているように思えたのだった。
テキストは舞台の終盤近くまで、2011年から遠くは離れないが、突如2018年と表示され、「詩の礫 起承転転」。鬼が来た「どうたどうた どどどうた」どこに何をしにどんな姿して「鬼がきた」・・と、ラップ調で長い歌詞を、足踏みに乗せて言う。
台本は持たず喋り通し、動き通し、体を酷使したこの出し物は、東北という犠牲を顧みない日本の現実を反転させた、儀式のようにも思えた。
この公演のために集った面々は、出自も容姿のタイプも、声質もバラバラに見えたが、終わって並んだ彼らは、目的を強く同じうし使命を全うしたことにより、その目的において替えの利かない集団として見え、不思議な感情が湧き起こった。
叫ぶ詩人の会というのが昔あったな。
満足度★★★★★
空気が怖い! (第1回追記2018.3.23 04:04分)(尚今レビューには、一部、和合氏の作品からの引用があるが、原詩を確認している訳ではないので、表記に異同が在るかも知れない。また、音声から聞き取った作品をベースに自分がアレンジした文章も混じっている。どこが、どう違うかは、舞台を観て確かめて欲しい)
(第2回追記2018.3月24日01時半 二回目追記)
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和合亮一の詩のすこがすこ
6年以上前
【新聞記事】第70回県文学賞 受賞作集28日発売 ~ 俳人黛まどかさんの講演「風土と言葉」の内容、福島市の歌人斎藤芳生さんと会津若松市の俳人益永涼子さんによるワークショップの様子を紹介している。表紙に福島市の詩人和合亮一さんが詩を… https://t.co/nmxBo1MdJu
6年以上前
【新聞コラム】詩の橋を渡って:移ろいゆく春、しなる筆=和合亮一 ~ 若い書き手たちの詩集に惹かれた。松本秀文『「猫」と云うトンネル』。「雲はからだをのばして/青空の喉をなでながら/この世界が完璧な文章になるまで推敲をくりかえす」。… https://t.co/EBcSpzPhTw
6年以上前
移ろいゆく春、しなる筆=和合亮一(詩人) (毎日新聞)
6年以上前
先週終えた「つぶやきと叫び」 稽古中に脚を痛めてしまい、数日間脚を引きづりながら稽古場へ向かっていた。 悲しいことに席を譲ってくださるのは、お爺ちゃん、お婆ちゃん。 若者は優先席に座り、スマホに夢中。 とても悲しかった(T0T)
6年以上前
間もなく発売となります「現代詩手帖」4月号に和合亮一さんの詩集全解説を寄稿しております。尊敬する先輩詩人の全詩業について書かせていただきました。これまでの読者にも、これからの読者にも届いてくれたらなと思います。ご高覧いただけると幸… https://t.co/5L7FlyUvLC
6年以上前
【お知らせ】 先程、届きました。 思潮社 現代詩手帖 4月号 特集「 和合亮一 、広がる詩の水平線 」に、寄稿させていただきました。 よろしければ、ご一読下さい。 〜 プロジェクト 写真家 管野秀夫… https://t.co/Mkf227YZ06 #空でつながる
6年以上前
「わたしは 日付変更線の先の 明日です 夜明けです」 和合亮一 まあ、日付変更線を西から東へまたいだので明日じゃなくて昨日なんですけどね(そういうことじゃない) https://t.co/kdtd09GQtK
6年以上前
さんの『詩の礫』より 『つぶやきと叫び』 満員御礼で無事終演いたしました! 本当に有り難う御座いました💞 和合さんにも2日間いらして戴き、感無量です。 震災、津波、放射能… 礫はお客様の心に突き刺さったようです。 感謝💖 https://t.co/EFuxix0wqV #和合亮一
6年以上前
午後1時半から。1000円。上映後に山田監督と福島市在住の詩人和合亮一さんの対談があり、会場で福島県沖産のマガレイ、シラウオといった海産物を販売する予定。 https://t.co/iUQS9LonIP
6年以上前
午後1時半から。1000円。上映後に山田監督と福島市在住の詩人和合亮一さんの対談があり、会場で福島県沖産のマガレイ、シラウオといった海産物を販売する予定。連絡先は「朝日座を楽しむ会」の担当者090(9742)9046。… https://t.co/m7xygKfHRj
6年以上前
遊戯空間 公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 2018年3月21日(水・祝)~24日(土) @新宿区立新宿文化センター・小ホール 全5ステージ 無事閉幕致しました… https://t.co/vBXie6nx24
6年以上前
舞台終わったら、声カスカスで、 咳が止まらない(´;д;`) 今回の舞台は『つぶやきと叫び』 本当にめっちゃ、叫んだ。 喉の奥が切れそう。 やっと体が出来てきたところ、喉のケアをしつつキープしたい(°Д°)‼️
6年以上前
【新聞記事】震災と原発事故に直面した新地の漁師の闘い描く 31日・ドキュメンタリー映画上映会 ~ 午後1時半から。1000円。上映後に山田監督と福島市在住の詩人和合亮一さんの対談があり、会場で福島県沖産のマガレイ、シラウオといった… https://t.co/YSsFDk48DQ
6年以上前
詩の礫「つぶやきと叫び」観劇。仙台、塩釜、女川の記憶が蘇ってきた。詩が、劇が、できること。それを信じること。全てが生々しい形で、物凄い熱量で飛びかかってきた。不条理との向き合い方を、もう一度考えさせられた。(演出)
6年以上前
3・11地震と津波と原発事故 和合亮一の詩と劇 怒り 苛立ち 悲しみ 無力どの言葉ともちがう言葉の礫が投げられ痛かった。 そのあと、新宿戦争展をのぞいてみたら#だれの子どもも殺させない の絵本作家浜田桂子さんの原画展やってた。… https://t.co/0CSBKFgSjf
6年以上前
【公演千穐楽です】 本日、24日(土)は「14時開演」です。 有難い事に「売り止め」だそうです。 遊戯空間 公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 @新宿区立新宿文化… https://t.co/x1C0dlNsdv
6年以上前
昨日の 遊戯空間の公演は 素晴らしい上演でした あらためて 様々なことを みなさんから 教えていただきました 演出家 篠本賢一さん 遊戯空間の みなさんの渾身の お芝居でした 千秋楽 本日も 満員御礼だそうですが ぜひ みなさんに… https://t.co/1WGKGWgVR2
6年以上前
まだ 書店には並ばない 現代詩手帖4月号ですが 本日の 新宿文化センター 遊戯空間 詩×劇2018 公演にて 先行販売いたします 署名を書かせていただきます よろしくお願いいたします https://t.co/QED6ZzKkZU
6年以上前
明日 3月25日(日)14時 ~ 16時 「和合亮一とすごす 詩の時間」 講演・トークと朗読をします いわき市立草野心平記念文学館 会場 文学館小講堂 聴講 無料 直接、会場にお越しください。 詳細 →… https://t.co/6WaLqAipz1
6年以上前
毎日の生活に詩を!Crossroad of Wordは詩のアーカイブサイトです。宮沢賢治から和合亮一まで、700点以上の作品を読み易くシンプルなフォーマットで掲載中!毎日新たに詩を公開しています。こちらのサイトです-> https://t.co/Vm6o19OJx1
6年以上前
3月25日(日)14時~16時 いわき市立草野心平記念文学館 「和合亮一とすごす 詩の時間」 会場 文学館小講堂 聴講 無料 直接、会場にお越しください。 詳細 → https://t.co/AJmybVgWQM https://t.co/fiu7nt8pFp
6年以上前
トークショーに出演します 明日の千秋楽は既に満員御礼にて この会しか残っておりません ぜひお会いいたしましょう 遊戯空間公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 3月23… https://t.co/Xl0FhpIcoL
6年以上前
山田栄子さんご出演の『つぶやきと叫び』を観てきました。 震災から7年…まだ続いている 忘れてはならない、目を背けては生きていけない、現実や現状があること。 何が正しくて何が間違っているか 何に苦しみ続けていかなくてはならないか…… https://t.co/rJqDpL3T5t
6年以上前
山田栄子さん、神保麻奈さんご出演の 遊戯空間公演 詩×劇2018 “つぶやきと叫び-礫による礫ふたたび-” 観劇して参りました。 チェロとピアノの繊細な音色と、 演者の皆様の声で紡がれる言葉達。 1つ1つの詩に込められた悲しみ… https://t.co/99x8w3vGik
6年以上前
春の石ころが春の石ころに蹴られている時です 初蝶になじられています この時です 僕は必死に僕の内臓を歩き続けています この時です ああ鳥の影が鳥を追って笑い続けています 和合亮一「春と棘」より。全文はこちら->https://t.co/C5TyNYDCnL
6年以上前
【公演三日目】 本日、23日(金)は「14時と19時」開演です。 ピアノとチェロの生演奏でお送りします❗ 遊戯空間 公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 上演中~3… https://t.co/7vzQpG2vJM
6年以上前
本日のトークショーに参加します 「詩の礫」舞台化 遊戯空間公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 2018年3月21日(水・祝)~24日(土) @新宿区立新宿文化センター… https://t.co/KgJyYvGr0S
6年以上前
新宿文化センター 『つぶやきと叫び』 お蔭様で24日、完売❗となりました! 有り難う御座います!! 23日は若干お席はありますが、残りわずかなので、 直接いらっしゃらず、お問い合わせをしてからお願い致します。 宜しくお願い致します https://t.co/C1RUWOQ8oR
6年以上前
【WEBコラム】東日本大震災から7年目の春 後世のためにすべきことを考える ~ 震災直後ツイッターで詩を書き、それをまとめた「詩の礫」が大きな反響を呼んだ福島市在住の詩人和合亮一さんのインタビュー記事が、3月17日付読売新聞朝刊の… https://t.co/u2jsWifN0O
6年以上前
本屋フルハウス・オープニングイベント第2弾は、詩人の和合亮一さんをお迎えし自作朗読会、店主・柳美里とのクロストーク を行います。 4月21日(土)14:30〜17:00 前売2,000円/当日2,500円/高校生以下は無料。予約… https://t.co/6C7lawjoRc
6年以上前
【公演二日目】 本日、22日(木)は「19時開演」です。 遊戯空間 公演 詩×劇2018 『つぶやきと叫びー礫による礫ふたたびー』 テキスト・和合亮一 演出・篠本賢一 上演中~3月24日(土)迄 @新宿区立新宿文化センター・小… https://t.co/rHBq0VphnX
6年以上前
@bluebirdELINA お久しぶりね あなたに会うなんて~♪(^_^;) しっかしビックリした舞台のつぶやきと叫びに出てるのかと思って 和合先生っておらの高校の先生でTwitterでも詩を書いてるかたなので 出ていたら… https://t.co/eCEnLxPJLw
6年以上前
本日、初日を無事むかえました! さんの より 『つぶやきと叫び』 ミゾレの中をほぼ満員のお客様! 感謝です! 有り難う御座いました! 初日乾杯も、盛り上がりました!! 24日まで、叫び続けます! https://t.co/hwOXZi0bTm #和合亮一
6年以上前
「つぶやきと叫び」作品と演者の熱量にやられた。これでもかと叩きつけられるメッセージ。沢山の人に観て欲しい作品です。新宿文化センター小ホールにて土曜日までやってます。是非! 初日乾杯の席にこっそり… https://t.co/y0jnlT3ozo
6年以上前
新宿文化センターにて遊戯空間「つぶやきと叫び」。役者の体力を絞り尽くすような言葉の石が、否応なしに自分を七年前に引き戻す。 まぁ内容は重たかったけど、山田さんと神保さん、劇団エンゼル「赤毛のアン」のマリラ役のお二人がいらしたのが個人的ツボ。
6年以上前