公演情報
「Ten Commandments」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
これもコメント忘れ・・思い出し投稿。
久々にミナモザ名義での瀬戸山美咲作品を鑑賞。米国で原子力開発に関わる事になった科学者の一人が残したTEN COMMANDMENTS(十戒)の文言を紹介するだけでも十分、含蓄がある内容。十戒の文は上方に映写され、舞台の方は台詞が少なく思わせぶり。
話は変わるがサブテレニアンの「ホット・パーティクル」を今年観られず惜しかった。
また話が飛ぶが先日のserial number「アトム・・」は、この科学者像を重ねられる人物がもし参入すれば全く成り立たなくなる戯曲であった。
満足度★★
今の日本で原子力を扱った作品を書くにあたって、書くことの葛藤それ自体を作品に反映することは作家として誠実な態度なのかもしれない。だがそれは表現者ならば、いや、言葉を発する誰もが持つべき葛藤であって、それ自体を作品の主題に据えた瞬間に、興味の中心は「書く私」になってしまう。よく言えばナイーブ、ともすればナルシスティック。それでも一応は「見られる」作品になっていた点にベテランの力量を見たが、作品としては評価できない。
満足度★★★
「原子力」という、現在日本に住む多くの人が興味を持ち、語るべき主題を持って来たことがまず素晴らしいと思いました。内容としては、“その近さと遠さ”を迷いも含めて率直に提示していて、その正直さは好感の持てるものでした。ただもう少しこの題材が作家の腹に落ち、「書ける」と思ってからあたってもいい作品だったのかな?と感じられ、クリエイション途中のものを観ている印象。俳優達は魅力的でした。
満足度★★★
世の中には容易には解決できない、立場を決することもできない命題があります。
「原子力」を通して、人間の夢や欲望、性質に迫ろうとしたこの作品もまた、こうした命題に果敢に挑んだものだと思います。
主人公の女性は、言葉を失った劇作家。言葉を紡ぐことで生まれてしまう欺瞞、取り返しのつかない事態への抵抗や恐怖のために口を噤む彼女は、しかし、未来へ向けた手紙を書き綴っています。作・演出の瀬戸山美咲さんの表現者としての葛藤がそのままに投影されたと思われるこの女性のありようは、あまりにも真摯で、見方をかえれば、ナイーブにすぎるともいえるでしょう。加えて、「みえない雲」やレオ・シラード「十戒」を引用した手紙の朗読を軸に展開する舞台は、ともすれば「意見表明」的で単調にもなりがちです。
にもかかわらず、印象的なのは、登場人物らが発する「声」はとてもよく聞こえてきたということです。それは選ばれ、書かれた言葉の精度の高さでもあったでしょうし、この世界に向き合った俳優のあり方にもよるものでしょう。また、宇宙を感じさせる青い床面、舞台上から発せられる音響など、空間設計も魅力的で、ここで語られていることをより広い視点でとらえる助けになりました。
発語、表現は、いつでも慎重に行われるべきですが、それだけでは表現は成り立たないとも強く感じます。今作に表れた繊細さと、それを作品にした潔さ、図太さ、この両極を揺れることなしに、創造はないのだな……とあらためて感じました。
満足度★★★★
青く光る鏡面の床に白いイスとテーブル。上手奥には音響卓とオペレーターがいて、白い衣装の男女が登場する抽象空間です。作・演出の瀬戸山美咲さんご本人であろう女性劇作家(占部房子)とその夫(浅倉洋介)の家、または彼女の脳内あるいは宇宙空間であるようにも受け取れました。
原子力とそれを研究する人、作った人、使った人について調べ、思考の海に深く潜るうちに、瀬戸山さんは言葉を扱う劇作家であるご自身の責任を問うことになったのだと思います。その苦闘の過程がさらけ出されました。瀬戸山さんがたどり着いた絶望的な境地と、そこから這い上がる姿を観て涙が絞り出され、終演後はしばらく席を立てませんでした。瀬戸山さんの勇気に感銘を受けました。ありがとうございました。
私は過去にミナモザ『ホットパーティクル』(2011年9月)を拝見したことがあり、今回も冒頭あたりから“セルフ・ドキュメンタリー”であることがわかったので、その心構えで観ることができました。手紙を読み続ける時間が長く、朗読劇のように見えるのは改善の余地ありではないでしょうか。この上演を土台に新しい“物語”を立ち上げる機会を見計らってもらえればと期待します。
主人公を演じた占部房子さんは瀬戸山さんの苦悩を自身のこととして受けとめ、心を尽くして全身で演じてくださっていたように思います。浅倉洋介さんは包容力のある物静かな夫役で、柔和ながらずっしりとした存在感に説得力がありました。私が知らなかった浅倉さんの一面を発見できました。
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/29 (木) 14:00
価格3,500円
ストーリーを語るのではなく、思想や体験、調べた結果などを伝える演劇、その意味でとり・みきのエッセイマンガ「愛のさかあがり」などにも通ずるのではないか?
そしてこの少し前に初めて観た「ハムレットマシーン(OM-2版)」にも近く(あれより簡単)タイミングが良かったな、と。
また、オープニングと対をなす……と言うか同じ状況で1か所だけ異なる(=好転している)ラストで観客を安心させて無事着地させるのもイイ。
なお、「ハムレットマシーン」を連想したお客さんは他にも複数いらしたと伺い「やっぱり!」(笑)
どちらも「かつて〇〇であった××」なんて人物が出てくるしね。
満足度★★★★
日本語字幕のある日に観劇。
聞こえない私にとっては字幕とともに観劇できるものが非常に少ないので、貴重な観劇チャンスでもある。
決してわかりやすいとは言えないストーリーだが、だからこそ自分に投影して考えるような作品だと思った。
満足度★★★★
何も横文字でタイトルにすることはないようにも思えるある科学者の「十戒」を素材にしている。その科学者はアインシュタインと共に原爆(原子力の利用開発)の開発推進をしたレオ・シラードと言うユダヤ人で、その動機はナチスドイツに原爆の先行を許さないため、と言う事で、実験成功後はナチスの崩壊もあって日本への原爆投下には反対した。野に下った後は、ミステリやSFも書いたと言うが、寡聞にして知らなかった。
しかし、ここでは奇人風につたえられるジラード本人の活動よりも、彼が書いたという「十戒」の中に、現在の原子力と向き合う(大きく言えば)人類の課題があると、劇作家は読んだのであろう。舞台は白でまとめられた一室、占部房子の劇作家が、原発事故以後言葉を失って夫と生活している。夫との言葉のない生活や、つきあいのある技術系学生たち、アインシュタインなどの先人に向かって書く手紙、などがコラージュされていて、「十戒」が検証される。もともとの「十戒」が、矛盾に満ちていて、そこが現在の巨大社会に向かう人間の現在と交差している。原子力に限らず、人間が発明発見をしておきながら制御できなくなっているものが多くなっている今、このテーマは興味深い。かつてのように人間が制御にあたって使える単純な大衆的な倫理(乱暴に例を挙げればキリスト教のような)を失っている中で、劇作家は言葉を失ってしまうのである。この状況に向かうにはどうすればいいのか。もちろんそういう課題に簡単に答えが見つかるはずもない。
満足度★★★★
朗読劇もしくは詩劇といった抒情性が感じられる。舞台セットや演出等はそれを意識して制作しているようだ。そこには社会と個人のあり方と関わりに鋭く問題を投げかけているようだ。その意味で、内容はもちろん観せ方は、脳内への詩劇ならぬ刺激になった。
(上演時間1時間30分)
満足度★★★
鑑賞日2018/03/22 (木) 19:00
同じ瀬戸山の『ホットパーティクル』と対をなす作品と言ってもよい。明らかに原子炉内部を示唆する舞台に、白い衣装の役者陣が登場し、瀬戸山の分身とも言える占部が失語した女を演じる。夫・浅倉は作業員らしい。その他の登場人物も、誰とは分からなくても原爆や原子力に関わる人々らしいことが分かる。静かな芝居だが、エンディングは少し希望が見える。
満足度★★★★★
本日のマチネを観劇してきました。
原子力をモチーフに過去と未来について考えさせてくれる舞台。白を基調とした舞台演出がとても印象的で、白という色に込められた様々な想いや意味が伝わってきました。こまばアゴラ劇場にて31日までやっていますのでぜひ!
満足度★★★
「真摯と誠実」
真摯に向き合えすぎれば辛くなる。
しかし「モノを創る人」である以上真摯に向き合わなくてはならないこともある。
「十戒」に瀬戸山美咲さんが触れたときに、この作品で語られる感覚がわき起こったのではないだろうか。
(以下ネタバレBOXにいろいろと…)