リタイアメン 公演情報 「リタイアメン」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.5
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  • 満足度★★★★

    燐光群らしい社会問題劇ではあるが、今回はうまく的を撃てたとは言えない出来であった。
    生涯年齢が上がって、生産現場を離れた人たちがどう生きるかは大きな社会問題であるが、日本のリタイアメンが、そろって南アジアへ行って現地を踏み台にして日本でやれなかった悪行を果たしているわけでもないだろう。劇中あげつらわれて居る悪行はいずれも週刊誌などでおなじみのもので、面白おかしくわかりやすいがそれでは週刊誌の域を出ない。もっと話題を絞り込んで時間も並列するのではなく長いスパンにしないと、老後人生の一部は切り取れない。アフタートークで坂手が話していた日本人向けに教育したマニラの老人ホームに誰も来なかった、などと言う話は、それだけを追っても、この舞台よりは内容があったと思う。
    生産年齢以後の生き方は、それまでにほとんどの人は劇中人物よりももっと大きく深い人生体験をしているわけだから、複雑で多彩である。今回のまとめ方は作者が坂手ではなく若手だったこともあって力不足だったが、テーマとしてはこれからも取り組んでもらいたいところである。

  • 満足度★★★★★

     日本でリタイアした人々が、東南アジア諸国へ出向き、悠々自適の生活を送っているとか、いや、それほど良い物でもないらしいとか、様々な噂は風の便りに聴いたこともあろう。

    ネタバレBOX

    今作は、このような人々が現地で実際どのような生活をし、どのように現地の人々から観られ、或いは溶け込んで生きているのかを、数々のリサーチをベースにし、タイやフィリピンの役者達とワークショップを開いて互いに学び、意見交換し、リサーチした結果をどう演劇化するかディスカッションを重ねて生まれた創作である。無論、ドキュメンタリー作品ではなく演劇であるから、ここに描かれているのは、各登場人物の在り様を通じた人間関係の妙であり、社会性や喜怒哀楽そして海外で生きることを内と外から見る、或いは見られる複合的な視座とこのような複合的視座の上で選択される判断が、どのような展開を遂げることになるかの演劇的見取り図である。と同時に現代日本が置かれている世界状況を大方の日本人の閉鎖的視座からではなく、外側から見ている点が興味深い。
     また、今後、この植民地で確実に起こることになるであろう原発人災に対し、政府が如何様な対応を採るかについても最もありそうな想定で描かれている点も見逃せない。前中盤までの文章と最後の文章が如何様に繋がるのか? は観てのお楽しみ! 

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