雨宿りの後には 公演情報 雨宿りの後には」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

     今回は、1,2年生の初公演だったのだが、フレッシュな感じが心地よい。(花四つ星)

    ネタバレBOX

    作・演も無論1,2年生である。或る建物の前を通りかかるとその建物が人々を呼び寄せでもしたように雨脚が急に激しくなり、何人かの男女が雨宿りをする為にこの建物に避難してきた。ところで、建物の中は、壁と言わず床と言わず何やら紙がびっしり表面を覆っていた。良く目を凝らしてみると、それらは脚本を1ページ1ページバラバラにしたものであった。偶々、体が雨で冷えた者が手洗いを探して奥に行くと、奥から1人の男が現れた。皆仰天するが、どうやらここはかつて劇場だった所で、奥から出てきた人は、この劇場のオーナー兼劇作家であった。但し、彼は作品原稿を残さぬ主義主張を持っていた。別にピーター・ブルックやつか こうへいを気取っていた訳ではない。唯、原稿をアップしそれが演じられ楽日が来た後には、作家の周りに集っていた総ての人が1人として居なくなってしまう。その寂しさから逃れようとしているうちに作家は作品を終わらせることが出来なくなってしまったのである。結果、劇場には閑古鳥が鳴くようになり、現在は開店休業状態に立ち至っていたのである。偶々雨宿りに集まった4人は、作家の作品作りに自分達を観察して作品を紡ぐという約束をし作品を完成に導く手伝いをすることになるのだが、無論、そんなに簡単にゆく訳もない。侃々諤々の議論が戦わされ終には作家が手伝ってくれていた人の中から学生時代に演劇部に所属していた女性を人質にとり、皆が劇場を出て作家を1人にしないよう要求する。無論素手ではなく手には刃物を持っている。必至の説得と皆が今後も作家の手助けをし、また劇場にも足を運ぶことを約束して人質は解放されるのだが、人質を解放するに至らせるまでの議論が白熱し最後まで対立軸がぶれない点、若々しい役者陣が背伸びせず、極めて好感できる演技をしている点も良い。

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