おとうふコーヒー 公演情報 おとうふコーヒー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    人が死ぬということが身近でなくなった昨今では、看取ることも特別なことに。
    死に向かうおばあさんを縦糸に、トランスジェンダーの孫、パワハラで退職するトリマー、
    前科の過去を引きずる男、ADHD気味の民生委員など訳有り人の横糸が絡み
    心地よいテンポで物語が進む。
    現代社会の問題を凝縮した世界を口角が緩む笑いで見せる巧みな脚本と演出。
    誰しも知らず知らずに人を傷つけ、傷つかれ生きていることを認識させられる。
    劇場を出て足取りが軽くなる舞台でした。

    ネタバレBOX

    ネタばれではまったく無いけど…
    *気軽に観るには少々高い価格設定。ハードルを低くして若年層が抵抗無く足を運べるようになると
     なお良いかと。若い人たちにもっと観て欲しい物語なので。
    *開演前何度も携帯電話の注意喚起がありましたが、それ以上に気になるのは紙やビニールのノイズ
     真後ろの方が2時間強終止手持ちのビニール袋をカサカサと、開演前に手にするフライヤーや
     物販の袋などの扱いも諸注意に入れてみても良いのでは。自分の耳からは遠いので無自覚ですが
     段差のある見やすい劇場ほど、前の席の耳のそばに来るので…。自分も大丈夫かと自分を振り返りました
  • 満足度★★★★

    銅鑼は確か一度、3年以内に観ていた。野宿者支援グループの話で、ホームレス支援にまつわる若干緩めのエピソードを組み合わせたドラマだったが、味のある中心的役者の風情によって奥行きが深まり、ラストの強烈に明るい照明も劇的効果を上げ印象深い舞台になった。
    社会性のある人間ドラマという括りでは、今回も同じ、老人ホーム(特養)が舞台の、死を間近に待つおばあさんと、何年振りかに訪ねて来た彼女の孫との交流を軸に進むドラマだ。
    まだよく知らない青木豪氏演出への興味、詩森ろば脚本で「残花」が(戯曲を読んで)良かった事で、銅鑼との相性の良さにも期待して、足を運んだ。(詩森氏の新ユニットSerial Numberからの推薦メールも後押し。)

    性的マイノリティという、ドラマの中心に据えても良い強い要素も傍流としながら、谷田川さほ演じる祖母の最期の「看取り」の日を中心に、まだ彼女の元気だった3、4年前の回想場面とを行き来し、現在の「台風の夜」での右往左往もシーンとして挟み込みながら、その嵐もやんだ嘘のような静寂を漸く迎えたとき、終幕(祖母にとっても、芝居にとっても)に向かって観客と演者とが一になる瞬間が、作れていた。
    台詞量のない主役の人間味が、前回観たのに続いて、キーであった。
    舞台は、入所者の終の棲家として類例のない試みを行なう岡山県の実在のホームが下敷きになっているという。スタッフや出入りの者らの個別エピソードも、そんな輪(和)の中に包まれ、自らは多くを説明しないお祖母さんの人格が、俳優自身の佇まいや表情でにじみ出ていた。
    基本は喜劇タッチのストレートプレイという所で、若手(孫役と、トリマーの世界に幻滅した傷心女性)に、真摯に物事に向き合う役を負わせるハートウォーミングなドラマの範疇に収まるが、このフォームに収まろうとするのが「下心」な芝居とすれば、銅鑼の芝居は、役者自身がそのフォームから、役もろとも飛び出そうとする心の動きが・・見えたら本物だなァ・・そういう場面が幾つかあったなァ・・と、静かな感動に委ねてみて良いと思えた。

    なお前説は谷田川女史が、スピーカーを通して(多分録音ではない)携帯電話の電源云々の挨拶を行なう。これが矢鱈フレンドリーで、完成された挨拶となっていた(岩井秀人に次ぐ和ませ技)。

    ネタバレBOX

    惜しむらくは・・シーンの年代を見失う事があったこと。
    舞台が想定する特養の広間だかの正面下手寄りの壁には、「今日の日付」が手作りの模造紙で掛かっており、転換時には「2017年9月16日」(だったか?)とあるのが、年の部分の札を取り替えて「2014年9月16日」などとする。
    この欠点は、それが大して目立つ張り紙でない事もあり、年の一桁部分だけを取り替える「動作」を、他の転換の動作に紛れて「気付かない」ことがある点だ。年代が変わっても、場所も同じだし椅子やテーブルなどセットも殆ど変わらない。(現在の時間になった時だけはベッドが中央に出され、祖母が寝ているのでよく判るが)
    日付の取替えだけは転換作業の一番最後にやるとか、あるいは月日も変えるとか・・。盲点だったのか、あるいは私の観た回では一度取り替えミスをしたので、混乱してしまったとか・・。
    もっとも話の大筋は最後には見えて来るので大きな事故ではないが、少しの改善で済むものならば是非。
  • 満足度★★★★

    高齢化社会や認知症、性同一性障害など、色々と考えさせられる内容でしたが、重い雰囲気はなく心温まる舞台でした。「おとうふコーヒー」というタイトルの意味が分かった時は、何とも愛おしく切なくなりました。役者さん達の演技も良かったです。介護の現状は、もっと過酷な状態だと思うので、理想的な感はありましたが、良い舞台でした。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/03/14 (水) 19:00

     劇団銅鑼が、風琴工房改め Serial Number の主宰・詩森ろばの、図らずも芸術選奨新人賞を受賞後最初の戯曲を、元グリングの青木豪が演出して上演する。理想の介護を目指す特養ホームを舞台に、認知症の老婆の最後を看取ろうとする関係者の群像劇。詩森らしく、時間軸を動かしながら、状況を説明する技は冴えているし、社会的な話題をしっかりと扱いつつ、エンターテインメントの要素を抜いていない。青木の演出も、ある種淡々と戯曲を演じる方向を目指しているように思え、歴史ある劇団の底力を見た印象である。
     なお、終演後に詩森と青木のアフタートークがあったのだが、忙しくて聞くことができなかった。どんな話が出たのか気になる。
     また、劇中でFtMの性同一性障害の孫役を演じる俳優が、本当に性同一性障害だというのを今朝の朝日で読んで、ちょっとばかりビックリした。

  • 満足度★★★

    わたし自身も含めて、看取りに後悔は付き物だと思うし、
    介護の現場に問題が山積みなのも承知している。
    この作品はその事を突きつけるのではなく、
    こうだったら幸せだろうという理想の形で見せてくれたように思う。
    終演後には暖かい気持ちで劇場を後にできました。
    そして、高齢者の問題に加えてジェンダーの問題も挟み込まれており、
    詩森作品ではお馴染みの、
    「観客に伝えたい基本的な情報を説明臭くなく上手く処理してある」のは健在。
    今回、詩森さんがどのような取材をして何を思ったのか、
    アフタートークを聞いてみたかったです。

    劇団銅鑼は初見でしたが、
    すごくフラットに作品世界に入り込むことができました。
    出演された俳優さんがみなさんとても良い声で、
    声優さんのようだったのが印象的でした。

  • 満足度★★★★

    何だか名作の雰囲気あり。介護はこのところ、結構 作品のモチーフになっていますが、いろいろのテーマが含まれていました。風琴の最後の作品と言い、詩森さんってやはり少数派や弱者の立場から 状況を見つめておられる気がします。もう少しチケット代を安くして頂けると...

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