公演情報
「無名劇団第27回公演「私戯曲 りんごのうた」」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
初演とは設定等変わったところが多かったが、より伝わりやすく整理されていたと思う。
シンポジウムもあり、より作品について深く知る機会となって良かった。
祖母と孫という関係で、母娘と共通するところ、違うところがあると思うが、誰しも陥る可能性のある問題に、私戯曲という形で向き合われた事は賞賛に値すると思う。
満足度★★★★
こういう自分の身を削るような作品創るのは大変だろうな。その分、観る側としては、切なく良い芝居だった。
お互いに求めあっていたんだな、必要としてたんだなと、帰ってきてから思った。初演時との違い、島原さんの心境の変化の話が興味深い。そして気づきの広場での夜の観劇、と言うのが非常に良かった。窓に映る島原さんの姿が美しく、またラストに窓の外に広がるお墓が壮観だった。色んな試みをしてくれる無名劇団さんとシアトリカル應典院に感謝
満足度★★★★★
昨年クリスマスイブにみた「ハッスルライフ」の実質的再演である。前作では血縁の祖母に対する憎しみまでを沸々と凝縮し、そしてビッグバンごとく爆発させたが、今回は多少島崎の心情の変化もあったのか、後半からラストになるにつれ、祖母への赦し、また自分自身への赦しが色濃く出ていた。
かなりの変化である。それが島崎の人間的成長でもあり、それをばねにして再出発を図ろうとする意図もあったのだと思う。そこがよく理解でき、ファンとして安心もする。
ただ、前作と本作の祖母と彼女との関係性を考えるに、この独特の執着心と愛憎はやはり異様である。
通常の母娘の愛憎は文学等にもかなり描かれており、納得はできるのだが、この祖母・孫の関係においては、母親(祖母においては娘、孫からすれば母親)の存在がキーであるべきなのに、ほとんど語られることはないのである。ある意味、空白が存在するのである。
だから、祖母からすると孫を育てるということは疑似母親になっているわけだから、2回目の子育てをする羽目になるということになる。責任感を重度に感じ、プレッシャーも強くあったはずだ。
一方孫からすれば、肝心の母親はおらず、慈しみ優しく接してくれるはずの祖母の姿は全く見られず、異様に母親たろうとする力んだ疑似母親が自分を支配しようとしているのである。
そこに見られるのは如何にも不幸な関係性である。お互いに真の「娘&母親」の不在が、お互いの関係をぎこちなくしているのみである。それはやはり不幸であるというしかないのであろうか、、。
でも、熱い血というものが二人を結びつける。彼らの関係は不幸ではあったが、お互い血縁という絶対的なものから逃れることはできず、それは本能的にも孫の方から赦しという特別の感情が湧き出てくるのだ。
祖母も赦し、そしておのれを許すことで孫は次の人生のステップに立つことができる。それは彼女の大いなる再出発の時でもあるのだ。
島崎は若いのに、自伝ともいえるこの題材を正直に真正面からストレートに描いている。立派だ。彼女の誠実さにやはり拍手を送るべきだろうと思う。秀作です。