公演情報
「『熱狂』『あの記憶の記録』」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/13 (水) 19:00
座席1階H列
劇団チョコレートケーキ『熱狂』東京芸術劇場 シアターウエスト
演説の場面の迫力、臨場感が素晴らしかった。まさに熱狂。
大声でがなり立てる演技って観ていて疲れるので苦手なのですが、
全く気にならないどころか逆にぐいぐいと引き込まれてしまいました。
緩急なのか抑揚なのかテンポなのか分からないけれど。
観劇後にヒトラーの演説の映像を改めて観てみたのですが、
仕草や癖の再現度が凄かった。
激情したあとにふと気弱な面を見せたり、その二面性の演じ分けも良かったです。
歴史には疎いので、政権を取るまでにこんな紆余曲折があったんだなぁという
歴史ものとしても興味深く大変楽しめました。
ただ、なぜ大衆がヒトラーに惹きつけられたのかという点は話の内容からはあまり理解できませんでした。
(そういう才能がある、で終わっていたような気がする)
満足度★★★★
5年前の初演に続いて、再度観た。
さすがに良い作品。
ただ、、初演に比べ
ステージの距離感があるためか、
ちょっとインパクトに欠けるかな、ちょっとだけど。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/12/13 (水) 17:00
座席1階D列13番
「ある記憶の記録」「熱狂」を連日で観た。他のコメントにあったような、聞き苦しさとかタイミングの早さとかは感じず、相変わらずの熟成度のある芝居だなと感心しきり。
ただ、連日で観て、かなり周りの観客の方々が厳しい批評眼で観られていた(なぜか若い女性の方)ので、細かく見ればいろいろとあったのかもしれないが。結構、終演後、辛辣に語っていたからなあ。そんな見方をされる劇団になったのですねえ。
ただ1人2作に出ていられる浅井伸治さん、どちらもストーリーテラー的な役割なのだけれど、一方は強面のSS、一方は人の好い身の回りの世話係と、ものすごい好対照。
古川氏の今年演じられた脚本、「熱狂」→「旗を高く掲げよ」→「ある記憶の記録」→「幻の国」と繋げてみると、戦中戦後のドイツ負の歴史とでも言おうか、何かとても感慨深い。古川氏がパンフで書いていた「知的好奇心」のなせる業なのだろうけれど、なんとも、それに留めておくのがもったいない気がするほどの連続性、体系性だと思う。
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/10 (日) 19:00
『熱狂』を見た。ヒットラーがナチスに登場し、独裁者に上り詰めるまでの物語を、ヒットラーの世話係である下級兵士の言葉を通して描く。ある程度は史実に基いているので、実在の人物ばかり登場するが、本当にそういう出来事があったかのようなシーンの連続で描かれているのは、確かに「熱狂」である。同劇団として、ギャラリー・ルデコ,サンモール・スタジオに続いての再々演だが、劇場が大きくなっても、それに負けないエネルギーでやっているのは見事だと思う。
満足度★★★
「熱狂」を観てきた。
この劇団ははじめてみるけれど、なかな骨太な作品でこれからも観たいと思う劇団でした。
残念なのは、怒鳴りすぎるのか台詞がよく聴こえない時があるところです。
あと、ワーグナーの音楽ファンとしては、どうしてもナチスから逃れられないのが苦しいとも思うのです。
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/08 (金) 19:00
価格3,500円
事実をもとに作られた作品には、何か言い知れぬ重みがあります。
映画もそして演劇も。
評判の高い劇チョコ初体験でした。『あの記憶の記録』。
なるほど、これは年配のファンにも受けがいいでしょう。
終わったときに「え?たった8人でこの物語を演じきったのか」も驚き。
しかも3500円って安すぎないか?
残念なところもありました。意識した演出でしょうか。
弟が蝋燭を取り出しに行くスピードがまず最初に気になりました。早い。
そして兄のコンディション。風邪をひいていませんでしたか?
大きな声になるとかすれ、弟の職場での会話は殆ど聞き取れません。それと弟が告白をするときに兄が訪ねたとき、少し話をしてから座るシーン。早い。
気持ちが伝わってくる台詞の連続。
しかし「このセリフでこの動きをするかな?」という、細かい点が気になりました。
わたしのハイライト。告白した父が最後に子に語ったシーン。
「あとは自分で考えればいい」。
これこそが「国の未来」の入口ではないでしょうか。
最後に。
「ひとの命より尊い国家などない。」私もそう思います。
満足度★★★★★
5年ぶりに対峙した "記憶" 。ときに仰向き、ときに嘆息し、俯いて立ち去るしかない、と改めて思い知る。 憎しみの亡霊が付きまとう限り人は罪から逃れられぬ。木を見て森も見る、などとてもひとりでは出来ぬことか・・・ 助けてくれ! 誰か、あるいは未来に出でし何か・・・
満足度★★★★
『熱狂』
どちらかというと軽薄な性格なもんで、今回のような重厚そうな作品は普段なら敬遠するところだが、あまりの評判の高さについ足を運んだ。なので、期待に胸を膨らませたりとか、熱狂に巻き込まれたいとか、問題意識を持ったりとか、そういう思いはほぼゼロの状態で観始めた訳だが、冒頭から、これはその辺の舞台とは「力」が違うなと引き込まれた。その後の彼らが何をしたか、どうなったかを知っている側としては、「面白い」などという言い方は不謹慎なのかもしれないが、それでもこの舞台、とても面白かった。学生の頃に読んだ『詭弁論理学』なんて本のことも思い出してしまった。
満足度★★★★★
『熱狂』
ヒトラーの劇。
ナチスが台頭していく頃の人間ドラマで面白い。
独裁者からの視点でありながら大衆の熱狂を感じた。
『あの記憶の記録』
アウシュビッツ強制収容所を生き延びた人の話。
凄惨な出来事を直接描かず、
あの記憶による証言という形で展開されるにもかかわらず、
リアリティがあり衝撃を受けた。
平和的な現在との対比が印象的。
期待はずれ。私も熱にうなされるような、こりゃああの時代に自分がいたら間違いなく支持してしまうという気持ちになることを期待していきましたが、なにもなし。ただ二時間歴史の事象を語られ、人間模様も薄くしか感じられなかった。全体的に声が、もごもごしてて何言ってるかわからないときがあったし、何より主役が風邪引いてたか声張り上げているせいなのか知らないけど初日に声が枯れすぎ。何度も裏返りそうになって弱々しかった。人はあんな人に熱狂させられないでしょう。途中の演出により足音が気になってセリフがよくわからないところもあった。
人気の劇団って聞いたはずなのに期待はずれでした。
満足度★★★★
「熱狂」を鑑賞。ナチス黎明期からドイツ国会第一党になるまでの物語。緻密で重厚で生々しく、あのナチスがどのような過程を経てドイツに君臨していくのかを描く。ナチスおよびヒットラーの歴史をなぞるスペクタクルな話でありながらも、同時に男社会の見栄や権力闘争の話でもあり、黒岩重吾の社会派小説のような趣きもあり、大いに楽しませてもらった。
何よりあの膨大な台詞を噛まずにすらすらと喋り演じた役者さんたちに敬意を評したい。
満足度★★★★★
「熱狂」を見た。
中身は、ヒットラーの政権奪取までの伝記劇だが、いくつもの視点のある芝居である。
三島は「わが友ヒットラー」を書いたが、これは平成版・古川版である。三島はレーム事件にまとめたが、古川版はそこに至るまで。
まず時事性。今年、芝居がその時代を敏感に反映すると言う事を、これほど知らせてくれた作品はない。また、大衆民主主義を、大衆の側からではなく、権力者の側で正面から描いた作品も珍しい。スローガンでも、あるいは恰好だけでもいい、大衆を熱狂させれば「権力」は奪取できる、と信じる人間と、それを利用する人間たちのドラマである。ヒットラーが総統と呼ばれることや独裁制にこだわったことなど、歴史の文脈の中で丁寧に描かれていて、独裁の構造とドラマがよくわかる。
何も知らない若者の支持層を広げることが最も簡単な支持拡大方法としたナチは、あの時代でも、選挙では過半数を取れなかった。しかし、ナチは結局,暴力で政権を奪う。同じことは起きないだろうが、「同じようなこと」は起きる。現にアメリカで起きていることは、カタチは違うがセイシンは同じである。日本でもそれは同じだ。この議論は政治論になるし長くキリがないからやめる。芝居では昨年、ケラリーノ・サンドロヴィッチが、別の視点からヒットラーをナンセンス劇にした。キリがないから止める、と言うのはよくないのだが、もう笑うしかない所へ落ちていきかねない。それだけ鋭い時事性がある。
次に戯曲。冒頭、裁判所で有罪の判決を受けながら聴衆を巻き込んでいく「熱狂」から始まり、時事的な背景を織り込みながら、常に形のない、また舞台に乗せることのできない「大衆の熱狂」を描いていく。欲を言えば、最後の政権奪取のあたりが少し駆け足になってしまって大衆の熱狂から遠くなっているのが残念だ。この作家は上手いという点では今、脂の乗った最盛期だ。もう新人ではない。古川は、今年、新劇二劇団に東ドイツを舞台に、ドイツを鏡にわが身を顧みる作品書いている。二十世紀通史が出来そうな勢いだが、それは作者の「今はいくらでも書ける」年齢と言う事もある。過去の劇作家の例を見てもその時期はそんなに長くはない。観客の方から見れば、ドイツはいいから早く「治天の君」に続く作品を書いてほしい。こちらはわが國のことである。年号も変わると言うではないか。それを書ききる作家はそんなにはいない。期待しているのだ。
舞台。演出の日澤は、脚本への寄り添い方がいい。目立たないが巧みに戯曲を持ち上げている。今回は、ナチスを支えた知名人ばかり出てくるのでやりにくかったであろう。三谷幸喜のナチ物のように近くの普通の人が出てきて下世話に通じるシーンがあればわかりやすく出来たのかもしれないが、そこを一人の語り手以外、全く切っているところが、三島に通じる思い切りの良さだ。演出はそこでも頑張った。
俳優はなんといっても、西尾友樹。冒頭のヒットラーの演説は随分フィルムを見たのだろう、見事。やたらに手を振り回すのが常道だが、彼はその時震えている。それでこの作品のテーマ、熱狂へのおののきとおそれがみえた。俳優たちは小劇場中心なので、残念ながら台詞がわかりづらい。初日と言う事もあるだろうが、西尾ですら噛む。発声法から直さないとこの劇場で辛いと,トラムや本多でも無理と言うことになる。地の柄に頼らないで地道なせりふの修練も俳優には必要だ。マイクがよくなったから何とかなるという問題ではない。
作品は10年程前、名もない小スペースで上演したと言うが、今回リニューアルしたという。進境著しい。古川は、前川、中津留、岡田と並んで、平成の代表的な現代ストレートプレイ作家だ。彼らが、再演を繰り返して(中津留はそうでもないが)舞台をシャープにしていくのは、新作疲れから逃れ、エネルギーを温存するためにも、またエネルギーを再生させるためにも賢明な方法だと思う。頑張ってほしい。