玉青の行方 公演情報 玉青の行方」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-8件 / 8件中
  • 20081202
    (○´ω`○)ノ

  • 満足度★★★★

    くらやみのなか
    本当に暗い中の公演で、もっと分かり辛い話なのかなーと思っていたら、思っていたよりも分かり易い話で良かったです。
    自分の手も見えない、本当の本当に「完全暗転」の空間で演じる。
    こういう考え方ってすごいなあとただ単純に感動したり。

    ネタバレBOX

    あえて注文をつけるとするならば、あの終盤、自分はサキの絶望ではなく、玉青の、扉を開けてあの光に向かうまでの心の動きを見たかったな…とか。これは完全に好みの問題なので、ご参考までに。
    それくらい物語に引き込まれていたっていうのも、事実です。

    また機会があれば、観に行きたいと思いました!
  • 満足度★★★★★

    うん、嫌いじゃない・・・
    いや、
    むしろ好き。

    それにしてもあんな暗闇って初めて味わった。
    最初の説明で『気分悪くなったら・・・』うんぬんとかなり脅されたせいで、照明が消された瞬間緊張で吐き気がした。

    けれど、吐かずに済んだのは、お芝居が面白く、そちらに集中できたからだ。
    うん、素晴らしい。

    ネタバレBOX

    いやぁ、
    それにしてもほんと真っ暗。
    びびるくらい真っ暗。
    舞台のあちらこちらで灯がともる度にホッとする。
    そしてその一点に、そして声に、息遣いに、動きに、集中する集中する集中する。

    玉青。
    幽閉された人って、ああいう感じなんだ。
    もっとドロドロした感情持っていてもいい気がしたけど。

    玉青。
    昼間はちゃんと光があるのかな?
    じゃないと本読めないわけだし。
    そしたら芝居を暗闇にすること自体実はあまり意味がないんじゃ・・・。

    玉青。
    最後はハッピーエンドじゃないんだ。。。
    2人で明るい外の世界に飛び出していく姿をすごく楽しみにしていたのに・・・。


    玉青。

    玉青。

    王青。

    玉青。



    下から二番目の文字は『玉』じゃなく『王』で書いてみた。

    なにしろ面白かった。
    すごく。

    それにしても
    サキ役の子・・・よかった。
    開演前、知り合いの顔を見て笑ってた姿が良かった。
    かなり近いところで演技され、ドキドキした。

    ああ、
    俺ったら・・・。
  • 満足度

    まだ早すぎるでは?
    劇場に入った時舞台の真中に劇場の柱があり、劇中でこの柱を使って演出するのかな?と思い気になりました。それと開演前に役者さんたちが何やら演技をしていて、何か劇中に関係するのかな?と思い気になりました。

    ネタバレBOX

    でも本公演には全然関係なく残念でした。そして開演前に男の人(主宰?)が公演の流れを説明をしてくれました。(この説明の方が本公演より楽しめました。)そして公演が始まったのですが・・・。
    暗闇での公演を行うならば、もっと話だけで観客を引っ張っていく話でないと厳しいと思いました。実際自分の前の方は熟睡してました。自分は昼食を食べずに鑑賞したので大丈夫でしたが、食べていたら熟睡していたかもしれません。もっとタマオが暗闇から出られない悲しみや怒りや苦悩、そして光のある世界へ出たい願望みたいなのが表現される話の方が良かったのではないのでしょうか?
    そして役者さんたちも声だけで観客を引っ張っていく演技が必要だと思いました。(ラジオドラマみたいに)皆さんおとなし過ぎました。
    そして演出も今回暗闇が必要だったのかな?と思いました。以前に暗闇での公演を行った劇団を鑑賞したことがあるのですが、そちらの劇団の方が上手く暗闇を使って演出していたと思いました。
    あと劇中に音楽が使われて無く、観客は耳だけが頼りなので音楽を使って観客の想像力を高めた方が良かったのではないのでしょうか?
    でもサキの最後の所のシーンとタマオの最後の所のシーンはとても良かったです。
    かなり辛口の感想になってしまってすいません。
    でも力ある劇団だと思いますので、今後の活躍に期待します。
    頑張ってください。
  • 満足度★★★★

    一言で表現すれば立体リーディング?
    役者が手にした明かりや「光るアイテム」を消すと本当の闇となる空間での「立体リーディング」。鐘と鈴の音を全体の句読点のように使いながら、闇のあちこちから声が聞こえ、時には演技も伴うという他に類を見ないスタイルが独特。

    ネタバレBOX

    内容は生まれる前の胎児を中心としたもので、時空を超越して知覧基地の宮川三郎少尉のエピソードや岡田以蔵の句なども出てきて、夢野久作の小説内の「胎児の夢」を連想。
    また、最後に上手奥のドアが開かれた時に射し込む光に浮かび上がる構図も美しい。(後で気付いたら非常口のサインのようでもあったんだが(笑))
  • 満足度★★★★

    異世界
    ありがとう高橋さん!!
    この世界を生んでくれて。

    ネタバレBOX

    役者がほの暗い明かりを手に包んだり、別の役者の顔に当てたり、壁に当てたり、
    はたまた自分の体に当てたり(女優さんがそれは素敵な腹筋にずっと当ててました)。
    終演後に見せてもらったら本当に普通のペンライトだったのですが、
    何かすごい特殊で神聖なものに見えました。
    全貌はまったく見えず、役者自身でさえ移動線が見えているのかどうか…。
    稽古はどんな風に行われたのでしょう。

    視覚を奪われた観客に対して聴覚を刺激するという手法。
    印象的な鐘の音、衣擦れの音、囁き声。
    感覚を研ぎ澄まされました。
    空間が異質なので、気を抜いて見ていられない。

    表現方法が限られる中で、逆に想像が無限に広がっていくようでした。
    ラストの玉青が開いた扉の光がものすごい可能性のように思いました。


  • 満足度★★★★★

    幽閉された玉青とカリオン
    今年の夏頃だったと思う。高橋(主宰)から次回作の闇公演について聞かれた。会場は真っ暗、声だけの演出。ワタクシは即座に大川興行の「ブラックブラック」を思い描いた。

    ワタクシの中での芝居とは視覚・聴覚(音楽・リズム・セリフ)・想像、この融合なくして芝居とは認めていない。
    かくして高橋は、「観客には椅子を持って貰って好きな所に座って貰おうと思う。」とのたまう。
    「そんな事したら、演者は毎回、通路の心配をしなくてはならない。通路に気を遣って演技の実力が発揮出来ないようなら観客は失望する。」と、そんな話をしたと思う。

    だから、今回の芝居は観るつもりはなかった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    しかし、ワタクシのmixi日記上で「ペンライトを使用する模様」とじべさんから情報が入り、「ふ~~ん、真っ暗でもないんだ。」と興味が沸いた。

    そんなこんなで、ワタクシは観に行ったのでした。




    「はじめまして、玉青(たまお)です。この世界の果てを探しています。」

    これは影を読む物語です。生まれて直ぐに幽閉された玉青の物語。

    ゼンウには正妻の他、12人の嫁がいた。11人目までのどの嫁にも何故か子は出来なかったが、12人目の嫁との間に、玉青が生まれた。玉青の存在は当然のように11人の嫁から嫉妬の対象になったのでした。

    「この女の子宮から生まれたものは人間じゃねぇ。災いの子だ。生まれたまま殺したほうがいい。」と予言者に言わせ、魔物にさせられてしまう玉青。

    かくして当主のゼンウは玉青を幽閉するように指示し、ここから玉青のわが闇は始まる。
    玉青のもとに通ってくるのは12人目の嫁(玉青の母)のウグイと給仕係のサキのみ。

    玉青は一日の大半を読書ですごし、見るものはホタルと母ウグイとサキだけだった。玉青を恐がっていたサキは、いつしか、玉青から読み書きを教わり、話すようになり、恋が始まる。やがてサキと玉青はこの城から逃げることを計画するが・・。

    何故か、母ウグイが玉青の元に来なくなってしまっていたのでした。ここでの玉青の唯一つの友達はサキとホタルのユエンだけ。

    玉青の起伏のない、感情のない淡々と話すさまは、最初は違和感があったけれど、この場合、これで良いのだと感じる。たぶん、どのニンゲンもずっと幽閉されて育って関わる人がごくごく限られた短時間、母と給仕係だけだったとしたら、言葉自体も、発音も普通には話せないだろうと推測するからだ。
    耳の聞こえない人がうまく発音ができないように・・。


    一方でゼンウの奥方が毎週、一人ずつ死んでしまう。一番目の奥様が嫉妬心から殺していたのだった。

    やがて、一番目の妻しか居なくなったゼンウはサキに目をつける。サキはゼンウによって無理に嫁にされてしまい、やがて一番目の妻に殺される運命に。


    殺される前にサキは叫ぶ。

    「玉青、ひかっていいよ~。」

    光の良さが判るのはきっと玉青だけなんだよ・・。


    サキは玉青が幽閉されている塔の鍵を外しておいた為に、玉青は塔の扉を開けて、眩しく光り輝く世界に脱出する。


    そう・・、今、生まれた瞬間のように・・。


    キャストが素晴らしいです。セリフの明暗、温度差、高低、どれをとっても完璧です。最後に殺されてしまうサキ(小林彩花)のセリフのリズムが素晴らしい。最後のセリフには温度があります。鳥肌もの。


    ちなみに会場は真っ暗闇ではありません。ホタルのペンライト、所々に役者に当たるライトと影。時々観客を監視(気分が悪くなったら・・うんぬんの説明あり)するライト。

    むしろ真っ暗闇の舞台よりもほんのりと役者が動くさまや、ほの暗いライトが当たった表情がなんとも不気味で美しかった!

    セットはまったく何もない。何もないが情景を想像させる言葉があります。
    時折、聞こえるカリオンの音色が闇を包んで幽閉された塔の階段を登る情景や予言者たちの不気味な声と衣擦れの音、漆黒の闇に乱舞するホタルの灯かりを想像させます。


    扉を開けた瞬間、闇に射した一筋のひかり。
    そこに向かって玉青は歩む。

    希望という名のその光は幽閉されていた過去から未来に向かって射した一筋の明りです。


    とにかく素晴らしい!本もさることながら、キャストが素晴らしい!

    お勧め!







  • 満足度★★★★★

    また新しい可能性を・・・
    見せられたように思う・・。

    公演中なので、以下ネタバレBOXに・・。

    ネタバレBOX

    事前に聞いていた「闇の中」での公演。
    覚悟はしていたが、開演前リハーサルの段階で、目の前10cmにある自分の手のひらさえ見えない闇にビックリ・・。

    ここまで完璧な闇の中での作品となると、視覚以外の感覚が余計に重要になってくると思うが、朗々としたセリフまわしはまさに秀逸。
    余程丹念に仕上げてきたんだろう・・。
    いつもながら、緩みや妥協を感じさせない硬質な意思がそこにはある。


    全方位から飛んでくる、或るときはユニゾンで、また違うタイミングでは輪唱のように後からかぶせるように追ってくるセリフ。

    いつの間にやら、作品世界の中に埋没させられる・・。

    カリオンや衣擦れの音を用いた演出も斬新・・。

    個人的な思い込みかも知れないが、父が自分の子を迫害するというストーリーに、斉の孟嘗君の故事が思い起こされ興味深かった。

    何しろ眼前も定かでない暗闇の世界。
    逆に言うと、観ている方も普段働かせぬ五感も六感も総動員して、自分自身の作品世界を演出する・・。


    それにしても・・・。
    毎回驚かされるが、今回も改めてその異質な才能にビックリさせられる・・。

    作者はいずれ、演劇という殻をさえ突き破った飛翔を、遂げるのかも知れない・・。
    何となくそんなことを思いながら、劇場を後にした・・。



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