満足度★★★★★
しみいる
じっくりじわじわと、登場人物たちの苦しみや悲しみが肌にしみこんでいくような、重厚、柔らかな雰囲気で進む芝居でした。
本当にすばらしかった。
満足度★★★★★
人生を覗き見るような・・・
グリング一年ぶりの本公演。
そして私も約1年ぶりの東京での観劇。
当時1年間の活動休止を聞いたとき、次回公演はおそらく見られまいと諦めていたのに、まさか再びこの目で見ることが出来ようとは・・・ホント、人生何がどうなるかなんてわからんもんだ。
クライマックスの、聖美(荻原利映)と夫の広志(杉山文雄)のシーンで、聖美が広志に水を持って行こうとした瞬間。不意に涙が込み上げてきてどうしようもなくなった。
何気ない行為で、特に感動的な言葉があるわけでもない。けれどもその瞬間、彼らが共に過ごしてきた長い年月が突然私の中に生まれた気がしたのだ。そう感じたときには、もう涙が出てしまっていた。
エイズと共に生きることを余儀なくされた広志と、それでも強く生きていこうと励ます聖美。かれらが長い年月をかけて作り上げてきた絆が、“水を汲む”という些細な行為の1つに凝縮されているような気さえした。
グリングの舞台を見ていると、生きとし生けるものへの慈しみのようなものが感じられ、見た後に生きていることがとても素晴らしいことのように感じられてくる。
本当に魅力的な舞台だった。
なるほど
会話の組み立て方はやはりさすが。
ありえないほど細かな部分にまで演出をつけるというだけありました。
ただ自然な分物語として印象に残る点が薄かった気もします。
満足度★★★★
クリスマスのお話
いろんな人間の、いろんなエピソードがあり、深刻な悩みからどーでもよさげな悩み、厳しい現実もコミカルな現実も、雑多に存在している。
なんか、その雑多な様子が、いかにも師走らしく感じました。
ほんのちょっとのファンタジーがあり、でも、神様の奇蹟なんぞはおきない。いろいろありながあもみんな生きていくのだなあ。
一風かわった、ちょっと小粋なクリスマスのお話でした。
満員の客席。が、彼らはこんなもんじゃないはず。
駄目男の駄目なりの誠実と切実はたしかに響くのだけど、どうみても男の身勝手な視点と感じてならない。それを包み込む女の大きさがアタシは好きだけど、その部分はほんの少ししかないのが物足りない。
満足度★★★★
透き通るような視点で
その安定感は「1年間の活動休止」「初の紀伊国屋ホール」なんて言葉を全く感じさせず。さすが、グリング。紀伊国屋ホールがよく似合う、そんな気さえします。