公演情報
「ブリッジ」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
サンプルの10周年記念公演にしてサンプルの解散公演。
奇妙な新興宗教の集会を模しつつ、教祖と使徒たちの生い立ちと遍歴と崩壊(と未来!?)が綴られていく。
半円形に並べられた観客席。そこに座る我々は、ある新興宗教のイベントへの参加者として設定されている。マイクを持って話す男が、客席に声をかけたりする。
ある男の腸内細菌が、高度な意識を持っていて彼に呼びかけてくる。人類が生き延びるためには、裏返らなくてはならない、と。
さまざまな歪みを抱えた男女が、彼によって救われ、信徒として彼と日々を共にする。その人々が順に自らの来し方を語っていく。
彼等はすべてを分け合い共有する。腸内細菌も性的な営みも。
それから彼らの旅について語られる。遍歴の間に起こるマジックリアリズム風の出来事は、いわゆる劇中劇として信徒たちによって、演じられたものだ。
それが終わった時、ステージに上がり込んできた1人の男は、反社会的な事件を起こして世間の非難を浴びた人物だった。彼の起こした事件によって、教会全体も社会の非難を浴び、団体存続の危機に陥ったという。なるほど、それゆえの遍歴なのだ。
奇妙な味の文学的な物語を、荒唐無稽なディテールと個性的なキャストが支えた。そして、そういう枠組みを逸脱するエンディング。
観終わった後、あのポスターが何を示していたのかようやく気がついた。面白かった……というより、じんわりと侵食されるような奇妙な感慨を抱えて劇場をあとにした。
1月のワークイン・プログレスも観たのですが、こんなに化けるのか!と、びっくり。サンプル本公演は初観劇でしたが、それはもう、すーごく面白かった。お一人お一人の演技も素晴らしいし、演出にメロメロにされました。
満足度★★★
鑑賞日2017/06/21 (水)
観客も10周年記念セミナーイベントに参加する仕組み。劇中劇であろうがトコトン突き詰めた自分達の思いを訴えかける。側で見れば、特殊変態行動満載なんだけど。胡散臭い掌の上で主催者に転がされながら見ていたような感じ。あんなにリラックス出来ないヒーリング音楽も初めて聴いた。なんとも特徴的な面白い芝居でした。
満足度★★★★
ArtsChiyoda3331にて行なったワークインプログレス「ブリッジ」は、私には「完成度」高く、秀逸だった。場所も廊下の通行人が向こうに見える平場な空間で、「コスモオルガン協会」の集会を本当にこの場所でやってる臨場感が、むしろスリリングで、終始笑えた。
それを踏まえてのKAAT公演ははたして如何?という期待で観劇。もっとも3331で十分満足したので実は観る予定ではなかったのだが、時間が空いたのでスケジュールに入れた。古館寛治も見たかった。
3331上演版の何年後かの設定だ。同じく「集会」ではあるが、前半はメンバーそれぞれの「教祖」との奇妙な出会いエピソードが、回想式に描かれ、「モツコスモ」思想のさわりにも触れられる。そしていよいよ後半が、メンバーが椅子に座って並び、やり取りをする「現在」、3331版と同じ臨場感横溢せる時間がやって来る。
この部分の作りも、3331版が秀逸であった。設定を変えたことで幾つかのおいしい場面や要素を端折らねばならなかった事が窺えたが、大きな要素は「劇場」である事により、声も少し張らなければならないし、「芝居」的なイメージに寄らざるを得ず、「臨場感」の方は当然ではあるが減衰した。
コスモオルガン協会の思想の説明としては、やはり3331版のメンバーの奇っ態なやり取りに軍配が上がるが、KAAT版は、協会の内情に分け入り、歪な実態も露呈させて、具体的記述に踏み込んでいる。それにより、作者のカルトに対する否定的な視線が漏れ出ているようにも見えるが、最後はそんな判断の余地さえ与えないようなぶっ飛んだ奇怪な終わりである。今回なりの終わらせ方であり、まるで絶滅するはずの種がしぶとく生き残るかのような予感を残した。
つまり、作者はこの自ら生み出したモツコスモ思想に積極的に介入し、観客に思想の是非の判断を迫っている、かのような具合になっている。この思想の「プレゼン」をどう受け止めて良いのか、戸惑った客はいたかも知れない。・・いやいやこれはギャグですよギャグ・・と笑い飛ばせない何かが残るという。
恐らく創作の趣旨から言えばこのカルトに「否定」の評価を作り手が行なってはならず、しかしカルトの当然の帰結として危うさ醜さが露呈して来る・・しかしある思想や宗教的発想それじたいをみればそれが人間の財産になり得ないと断言する事はできない・・。このライン上に立たせて観客を迷わせること。その「狙い」に勝手に共鳴したような次第である。
満足度★★★★
鑑賞日2017/06/24 (土) 18:00
1月に3331 Arts Chiyodaでの「サンプルWIPワーク・イン・プログレス公演 ブリッジ~モツ宇宙へのいざない~」を観ておいてよかった。
実際、今回の公演だけを観ても話の辻褄や展開などには全く影響は無いのだが。。。
モツ宇宙(コスモ)・腸・コスモオルガン協会・ムッシュさんをはじめとする信者たち、そういった世界観はいきなりぶつけられるよりは前回公演は予告編として十分な役割は果たされていた。
前回が協会のセミナー、今回が教祖の生誕祭ということで、なんだか自分がこの怪しい宗教にのめり込んでしまった錯覚に陥りそうになったのはびっくり。
あの狂気の世界に自分はついていけるのか、いや、ついていった方が楽なんじゃないか、と色々考えてしまう。
古舘寛治さんの力を抜いたというか自然体というか、なんとも不思議な教祖に惹かれながらも信者たちひとりひとりにも共感?反感?出来てしまうのが、人間ってことなんだよなあ~たぶん。