公演情報
「『巨獣の定理』」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/06 (水)
浜尾四郎、という作家の存在を知っただけでも甲斐あったというもの。「新青年」編集長・横溝正史の誘いで探偵小説を執筆し、江戸川乱歩らとも同時期に活躍するが、40歳で夭逝したという。その代表作の一つ『殺人鬼』が今回の舞台のベース。前時代の資産家の女中部屋で、同時進行で発生する殺人事件の推理劇が展開する。即ち、確信犯的?娯楽路線で、始めは「乱歩」の世界かと思わす「時代」の空気感が蟲惑的で、好みである。
満足度★★★★
しっかりしてる方のカリンちゃんこと井川花林出演
巨獣(ベヒモス)とタイトルされているが、ベヒモスは出てこないw
モンハン的ファンタジー作品ではないのだ
ではどんな作品かというと
探偵小説家浜尾四郎「殺人鬼」が底本
昭和6年の新聞小説
青空文庫にあった
http://www.aozora.gr.jp/cards/000289/files/1799_19399.html
話は底本と違い邸宅の使用人部屋だけで進む
だから相関図に載っているように、病死も含めて6人が死に一人が重篤な症状に陥るが誰一人観客の前には現れない
また雇われたという探偵たちも姿を見せない
底本では語りは藤枝探偵の友人小川だが当然彼も出てこない
執事や女中ら使用人や出入り業者、検察の書記らの会話で犯人を推理する
そもそもの発端の奥様の毒殺、薬を薬屋まで取りに行ったのは女中のヤス、頭痛薬を毒薬にすり替えられるのはヤスだけじゃないか、という時に、女中らが声を揃えて「犯人はヤス!」
・・・・・・えーどうしてお客さんたちみんな笑わないのwww
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/07 (木) 14:00
座席1階1列
かはづ書屋『巨獣の定理』SPACE梟門
資産家一族のお屋敷で巻き起こる連続殺人事件。
もうめっちゃ好みです!ミステリー好きとしては垂涎ものの作品でした。
ただでさえ面白いシチュエーションなのに
本来なら脇役として描かれる人たちをメインに据え、主役となる人たちを全く登場させないという驚きの演出。
作品自体も品質の高い見ごたえのあるものに仕上っていて大変面白かったです。
元ネタの作品は未読でしたが十二分に楽しめました。
今度読んでみようと思います。
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/06 (水) 19:30
浜尾四郎「殺人鬼」をベースに、十七戦地が柳井祥緒が書き下ろした脚本を、かはづ書屋が上演する。元々が大部の連続殺人小説だが、殺される人物を登場させず、生き残る人物だけで描いたところが面白い。また、元の小説には2人の探偵が登場し、それぞれが推理を展開するのだが、その探偵さえも登場させない(それでいて、きちんと成立している)のは見事だと思う。脚本の妙だけでなく、舞台美術の美しさや、役者のなりきり感なども、なかなか凄い。面白いものを見せてもらった。それにしても、副主宰の島田は、どんだけ探偵小説が好きなんだよ!(誉めています)
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/06 (水) 19:30
座席1階1列
「巨獣の定理」何とも興味を引くタイトルである。「巨獣」はその世界、この場合秋川家を支配する者という意味でもあり、「ビヒモス」は悪魔の意味でもでも使われるというから、秋川家に棲まう悪魔という意味でもあろうか。「定理」とは真なる命題だから、推測するに「支配する者あるいは悪魔によって導き出された真なる解答」とでも意味するのか。
原作となった「殺人鬼」に比べると、かなり凝ったタイトルだけれど、やはり、観劇欲をそそるという意味では、秀逸なタイトルだと思う。
初日のせいか、役者の皆さま少し噛むことが多かったようで気になりました。論争劇なので、どうしてもマイナスです。でも逆にそれがなければ、かなりテンポのよい、観客を引き付けるよい芝居だと思いました。
女中部屋を舞台にし、本来の主人公である人物をほぼも出さない(確か「Dの再審」もそうでしたよね、到着しない明智小五郎とか)趣向も、舞台に現れない惨劇や混乱を、観客に想像させるということで、逆にこの連続殺人事件のスケールの大きさを感じさせるという点で成功していたと思います。
役者さんとしては、何といっても森尾繁弘、島田雅之、遊佐邦博の御3人が、舞台の柱として、役の心理の機微を演じながらも、うまくペースを作っていました。
さて、本作は原作(読んでいない)と犯人が違うのかしら、推理劇なのでネタバレになるので、詳しいことはネタバレということで。
ちょっとした不満を2つ。
1.最前列の席は地獄。足元が狭くて、足が拘束具で締め付けられるように苦しい。Mの世界。何、こ れは体験型ミステリー?
2.次回の公演は来年9月。これは仕方ないとしても、「Dの再審」再演とは残念。もち
ろん、再演でブラッシュアップしたものも観たいけれど。せっかくなのだから、この
路線の新作で、しばらくは行って欲しかったなあ。(まだ、来年に新作をやらないと
決まったわけではないかもしれないけれど)版権の切れたミステリーを舞台化するな
んて、興味深いですよ。「ドグラマグラ」や江戸川乱歩除くと、そんな舞台そうそう
ないですから。小栗虫太郎、海野十三、大阪圭吉等々、素材に事欠かないのに。