みな兄弟∞ 公演情報 みな兄弟∞」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

     シンギュラリティーという概念は現代人なら既に誰でも知っていよう。その内実となると知識のレベル、イマジネーションの差で大分違ってくるだろうが。

    ネタバレBOX

    何れにせよ、AIの発達によって人間の知は危機的状況にある。人間の現在やっている仕事の何十パーセントがAIに置き換えられるなどという生易しいレベルで済まないことくらい、誰にでも想像できよう。かつてジェノサイドの論拠となった適者生存程度の論理をAIが最も合理的と判断したら知的に劣るヒトは、彼らの下で、モルモットやエネルギー源にされるのみならず、ペットや実験動物として重宝されるかも知れない。何よりヒトほどのサイズの生き物が生活してゆく中で用いる膨大なエネルギーを合理的だとAIが認めるという保障など何処にもない。大した能力もないヒトという生き物をエネルギーを無駄遣いする主体だと彼らが断ずれば、消去やダウンサイジングなどの措置が取られよう。それは、ヒトが己の知によって他の総ての生物をそのような道具として扱ってきた以上ある意味必然だろう。知の劣ったものは知に勝る者に利用される以外に価値はあるまいから。
     今作は、そのような可能性を予測するが故に何とかAIと共存できるプログラムを組み込んでAIを作ろうとしているプロジェクトメンバーと市議会に立候補しようとする商工会議所有力メンバー、プロジェクトメンバーに関与してきたアキという名を持つ”女”、等々が惹き起こすアイロニカルな近未来透視図法である。アキは♂と肉体関係を持つことも一種のコミュニケーションと考えている”女”なのだが、本当に彼女が自然の生み出した産物なら、この発想は種の保存に適し実に合理的な発想と言わねばなるまい。
    だが、彼女が、本当にヒトの♀なのか否かは疑われている。ヒトではない、という解釈がタイトルに現れており、一見、実に魅力的な若い女性という形態なのでいくらでも♂はやって来、而も彼女の哲学はセックスはコミュニケーションなのであるから、みな兄弟になる、というアイロニー付きなのだ。と同時に、実はシンギュラリティーが既に実現されてしまっているという、こちらは作家が明らかに狙ったより深刻な落ちが示されているのでもある。
  • 満足度

    セットの造作は良かったのですが AIの事もネズミの事も理屈っぽくて私の好みの芝居ではなかったのです。「みな兄弟」の意味って・・・ 彼女のことを言いたかったのかな? 伝わってくるものがなかったです。

  • よく出来た戯曲だと思いました。

  • 満足度★★★★

    初めての劇団さんでしたが、開演前から既に役者さんのお芝居が始まっているという凝りようでした。AIというテーマは深かったですね!少し好みのテンポではなかったのでその点だけ残念でしたが、じっくり台詞を味わう方にははまる演技だと思いました。私は台詞よりも表情と間と仕草を楽しんでしまうほうで…。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/03/12 (日)

    座席1階2列

    劇団オンガクヤマ『みな兄弟∞』 於:遊空間がざびぃ

    最近よく見かけるAIやシンギュラリティをテーマにした作品。
    意味深で思わせぶりな布石が散りばめられていて、後半それらが効いてきます。
    全てが明らかになるわけでは無いのでモヤモヤとはするのですが、いろいろと考察するのが楽しい。

    舞台セットがかなり本格的です。
    開場時間から舞台上での演技が始まっていて、開演時間になると自然に始まるスタイルは
    平田オリザさんの青年団の演出を彷彿としました。
    スッと作品に入り込めて良いですね。

    ネタバレBOX

    ネズミが見える人と見えない人。
    ネズミを認識する回路が無い=AIと考えると、
    実は白川がAIだったりして?とか考えだすと疑心暗鬼が生じて妄想が止まらない。
    いいように術中にはまってるんだろうな……(^_^;)

    登場人物ではアキが印象に残りました。
    髪をばっさりと切るくだりも印象深いですし、
    コーラやコーヒーを一気飲みするシーンが好きです。
  • 満足度★★★★★

    日常性と擦れ合う違和感。むずむずされる側になる、ネズミが見えないの?と見下される、そんな A(K)I ちゃんが足元に・・・? 経験や実感さえ記憶・記録に収納されると思えば心もとなく、複数の ”アレ” を見出す「意識」を置き去りに本質的な不合理性に帰着する悲観に慄く。

  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/03/11 (土) 13:00

    価格2,500円

    AIの発展そのものをテーマにした興味深い会話劇。

    ネタバレBOX

    ブレイクスルーは、知らないうちに来る、そして来ているのかどうかさえわからないのかもしれない、
    と解釈し、その主張自体は興味深く、オリジナリティのある構成と感じた。
    ただ、具体性のある内容と観念的な会話のつながりが見えにくかった。

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