路地裏海賊譚 カコノユクエ 公演情報 路地裏海賊譚 カコノユクエ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    アメリカに蹂躙された中南米を彷彿とさせる。憲法違反と論理的思考ができる者なら誰でも考える、集団的自衛権を中核とする安保法制によって日本及び日本人が、アメリカの指揮下で他国人を殺し、殺されるのみならず、テロ対象国としても狙われる可能性が高くなる一方の昨今、描き方によっては人々に自分の頭で考えることの重要性を訴える作品にもなり得たであろうが。

    ネタバレBOX

     9.11と聞いて何を思い出すだろうか? 殆どの人は、アメリカのあの事件だろう。然し、同じ9月11日アメリカが裏で糸を操りチリでピノチェト率いる軍がクーデターを起こし、南米初の民主的選挙によって選ばれた社会主義政権が倒された。1973年のことである。その後、今作で描かれたような恐怖政治体制が敷かれ多くの無辜の民が拉致、投獄、監禁、拷問、レイプなどの果てに惨殺され、多くの遺体が未発見のまま現在に至っている。遺体が見つからない原因に、米軍援助の軍機などに載せられた人々が高空から突き落とされて死んだ、という経緯があることも忘れてはならない。
     然るに今作では、その裏で糸を操る者の姿が一切描かれていない。内容的には、アメリカに蹂躙された中南米諸国の実情があることがハッキリ類推できるにも関わらずである。物語なら物語で良いのだが、陰謀論ではなく実際に行われてきた事実であるのだから、キチンと書き込んで欲しかった。何度も科白に登場する現実はもっと複雑で云々というのも、作家の逃げにしか聞こえない。
     無論、人間は弱いし脆い。然しながら、表現する者の正道が弱者の側に立つことである以上そして今作もまたそのような傾向を持つ作品である以上、分かっていることは分かっていることとして観客に提示しても良かったのではないか? と考える。
     所々、気の利いた科白もあるし、必要な舞台道具が天井から下がってくる演出も面白い。演技については、前日、熱海殺人事件を演じたアズタハルサを観たばかりで、こちらの演技が役を生きていたのに比べてしまったので余り高い評価はできない。

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