テンテン 公演情報 テンテン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    面白い。

    ネタバレBOX

    病院の話と、会社の話と、病院内にいる母体の胎児の話。見せ方とか面白いなと思った。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/12/17 (土)

    全体的にテンポが緩いのとテーマが合わなくてツラかったがラストが良かったので相殺。家とかアパートとか空間と時間の制限がなくなって、ある意味なんでも表現出来る(場転出来る)のが功罪相半ばの印象。ブラッシュアップしたものを今はなき青山円形劇場で観たい衝動はある

  • 満足度★★★★

    前半は奇才の予感。後半は若さゆえ・・♪
    ・・という事で、「終りよければ全てよし」の法則に従えば「惜しかった」という事になるが、それのみをもっては切り捨てがたい。

    ネタバレBOX

    たまたまレンタルDVDを観た主宰山田女史主演(の一人)の映画は若い世代感覚を映像化した秀作だった。
    今回が贅沢貧乏初観劇。山田女史の容姿を忘れていて(てっきり受付に居た方がそうだと)、のっけに登場するカップルの一方が、積極的にスキンシップする様を、全く違う印象で眺めていた(これを「やらせている」のが山田女史だ、と想像しつつ)。・・もっとも当人を認識した今でもこの舞台を作った才女の印象とは遠い。
    作品は前半に仕掛けた謎っぽい要素が解けて、割とよくある比喩であったと見えてくると、それって超普通・・と、汗が滲んでしまったが、「ああ、若い女性にとって出産・子育ての世界は未知なる大きなイベントであるし、まァ仕方ないか・・」と自分を納得させてしまった。出産子育てが陰鬱なトーンで描かれているなら、今日「あえて言う」意味はあるが、希望をもって語るに及び、「負」の要素をこれだけ取り沙汰しておいて、どう乗り越えたのか、疑問が湧いてしまう。
    無垢の胎児(あるいは胎児以前の「魂」?)が、出口を探し、とりあえず世界に飛び出るべし、と欲するのは分かる気がするが、そのことについての、「世の中」側の納得は、別だ。産まない選択肢、作らない選択肢とある中で、「作った」「出来た」結果である胎児の「とりあえず世に出たい欲求」を取り上げても、議論の上では「産まない」「作らない」選択によって胎児側の物語は前提を失う。それほど重要な議論が「不気味な出来事」の後になされていたのに議論を尽くしきれず、胎児らが勝手に大団円に持ち込んだというのが、戯曲から来る違和感だった気がする。
    もっとも、比喩的に描かれた他の場面も、どうとらえるかで物語の導く(議論の)方向性が違ってくる。戯曲が詰め切れなかった事に尽きるか、と思う。

    だがそれにしても、出だしから中盤までのシュールな場面の展開、挿入される病院や会議の場面は、何度も録画再生したくなる蠱惑的な代物だ(そこだけ切り売りしても売れる仕上がり)。
    その俳優の力、特徴ある登場人物に即した俳優をチョイスした眼力もあろうが、様々な演出的要求に応える働きぶりが印象的であった。
    装置もユニーク。キャスト、スタッフいずれの仕事もレベルが高い。
  • 満足度★★★★

    白い
    若い作家さんが一度は通る道なんだろうと思いました。

    ネタバレBOX

    ですから、分かってしまうと、急激にテンションが下がりました。

    原爆が投下され、放射性物質によって環境や体内が汚染された東京で、受精卵から発生した正常な胎児と異常な胎児のメルヘンチックな会話、異常な胎児と知った父母や一般人の対応などを表した話。

    白い衣装同士の分かりづらい会話から、ああなるほど、胎児の話かと分かる展開。よくあるパターンですが、通過儀礼として仕方ないことなのでしょう。

    何か効能がありそうなカタカナ言葉に弱い日本人に対しての空気清浄機のCMは、嘘をつかれてもすっと聞き入ってしまう怖さもありましたが、メンバーの息が合っていてとても面白かったです。

    スタート時の誰か見てるんじゃね、何見てんだよ的なシーンは、目つむって寝てました。ここだけメタフィクションで馬鹿にしくさって不愉快でした。
  • 満足度★★★★

    久々の劇場公演
    贅沢貧乏 「テンテン」@アトリエ春風舎(小竹向原)

    約95分のStageが終わった瞬間からドキドキが止まらなかった…許されるなら、あと10分ぐらいは余韻に浸っていたい、そんな物語。
    多分・おそらく・きっと、あらすじを話したとしても、この舞台から"受け取るもの"は説明できない。遠いけど足を運んで欲しい!

    前売りは一旦完売した様ですが、増席して各回とも復活している様です。
    http://zeitakubinbou-tenten.tumblr.com/ticket

    作家の高橋源一郎さんも
    『劇団「贅沢貧乏」の「テンテン」を見に行って、ヤラレました。「マームとジプシー」の「cocoon」以来かな、舞台でこんなに泣かされたのは。「あのとき」から月日が過ぎて、生まれなかったかもしれない子どもたちの(でも、希望の)物語。岸田賞あげてください。そんなの要らないかもしれないが。』
    と絶賛です。

    制作さんからも熱いメッセージが…!
    『(前略)
    贅沢貧乏とは、平成生まれの同い年・山田由梨が主宰する劇団で、唯一の舞台制作同期・水野惠美がグイグイと進化させてきた劇団でもあります。
    (中略)
    たぶん小学生のときに体育館でみせられた何を言っているのかぜんぜん聞こえない、身振りが大きすぎて不自然な、物語もよくわからない演劇のせいで(ごめんなさいこどものときの素直な感想です)
    お芝居をずっと毛嫌いしていました。
    (中略)
    が贅沢貧乏のお芝居を初めてみたとき、それが覆されました。
    (中略)
    それなのに贅沢貧乏を観たときに初めて演劇を信じることができてびっくりしました。
    演劇を、というよりも、彼女たちが表現する世界と込められたメッセージを強く信じることができた。
    舞台は嘘を重ねています。ぜんぶ嘘だけど、それを真実だとしか感じさせないとき、もしくはその嘘がすべて絶対的に美しいとき、人の心に強く深く何かを残すことができるのだと思います。
    それは踊りもお芝居も変わらないのだといまは思います。

    今回の作品『テンテン』は

    「わたしたちは、テンをつくった
    ある者はそれを崇め、
    ある者はそれを恨み、
    ある者はそれを食べた。
    それぞれみんな等しく死んだ。」

    というコンセプト文?のようなものがあります。これを読むだけでぴんと来る人もいるのかもしれませんが、チェルノブイリや福島での出来事を下敷きにした物語です。
    近い未来わたしたちに起こるであろう、でも実は知らないだけですでに誰かの身に起こっている現実・過去なのかもしれないこと。
    平成生まれだからこそできる鋭く思い切った視点で、いまの社会を見つめています。
    とか書くと重そうとか難しそうと思われそうですが、稽古中基本的に笑っています。「人間であれば楽しめる作品づくり」という贅沢貧乏が目指す作品のあり方そのものです。
    場所は、アトリエ春風舎という東京の地下にぽかっとある空間でやります。
    演劇とか小劇場とかいう枠を飛び出しています。飛び出してどこまでいってしまうのか、最後までわかりません。
    (後略)』

    年末忙しいとは思いますが、少しでも引っ掛かったなら是非に!!

  • 満足度★★★★

    約95分
    奢りきった現人類に鈍器の一撃を浴びせるような凄い劇。ムーンライダースの名曲『歩いて、車で、スプートニクで』を彷彿させる柄の大きい世界観に震撼。丸ごと腑に落ちたわけではないので満点にはしなかったが、マンガのようなオーバーな演技体も含めて面白く、観てよかった。
    男優二名に至っては演技体のみならず風貌までマンガのようで、水木しげる作品から飛び出してきたかのようでした。

    ネタバレBOX

    片や健常者(というより、現人類?)として、片やキメラ(というより、新人類?)として別々の親から生まれる予定の胎児二人が友情を育んでゆく終盤のシーンが印象的。
    「今は似ている僕たちも、時間が経てばまるで違う見てくれになると思うけど、それでも次の世界で頑張って互いを見つけ出して、また会おうな」(大意)
    キメラとして生まれることを余儀なくされた友達に、健常者として先に生まれるもう一人がこう語るくだりには胸が熱くなりました。

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