木の上の軍隊 公演情報 木の上の軍隊」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 約1時間50分。戦争中に大木の上で暮らした兵士たちの2年間を描く三人芝居(+ヴィオラ生演奏の有働皆美)。前半は上官(山西惇)と新兵(松下洸平)のテンポよい会話に笑わされ、終盤は涙がしぼり出された。上官は本土(日本)、新兵は沖縄を象徴していると言っていい。劇作家の蓬莱竜太さんは絶望を知った上で、それでも生きる人間の現実を描いてくださっていると思う。やはりすごい戯曲。心情や状況の変化を克明に表す照明が素晴らしい。再演で追加された沖縄の歌(普天間かおり)があまりに効果的。そして劇場中に響く、あの音に戦慄する。沖縄出身の普天間かおりさん、そのご親戚、そして沖縄タイムズの記者さんも「沖縄の気持ちそのもの」「あまりにタイムリー」と。いや、初演のもっと昔からタイムリーなのかも。
    劇中のセリフに「ぐちゃぐちゃ」という言葉があります。観客も「ぐちゃぐちゃ」になるような体験ができると思います。

  • 満足度★★★★

    普天間かおり女史交えたアフタートーク付きを観劇
    う~ん
    やっぱり出来が良いなぁと思えた約2時間
    新兵さんの発音は現地の方から聞いても
    ばっちりウチナンチューだそうです
    役者さん凄いなぁ(^ー^)

  • 満足度★★★★★

    矛盾と無理解と・・・。
    今週観た東演の「琉球の風」の始まりが、ここにあるような気がしました。
    二人の兵士とガジュマルの木・・・・苦しくて、切なくて、悲しくて。

  • 満足度★★★★

    麻矢さんと蓬莱氏のアフタートーク日に観劇
    3年前のシアターコクーンで上演された初演は観劇済み。
    前回の舞台がホリプロ版って表記はないし、役者やステージの広さ、這うような枝葉の伸び方も微妙に違っていたような気がするが、紙一重の瞬間で生きるか死ぬか、の日々から樹の上での2年近くの生活、新兵役の松下さんは、招聘される直前まで田畑で牛の世話しながらトンボ追っかけてそうな田舎青年の朴訥さを想像させる。
    初演にはなかった語り部の歌声に聴き入り、極限状態の中、見えない未来、本音と矛盾が交互にやってくる上官と新兵のジェネレーションギャップ会話も面白く、緊迫した中でアドリブのような音色を放つヴィオラ演奏も耳に残る。
    感想自体は前回とほぼ似通うが、出演者や劇場の違い、3年前と現在もあまり変わらず、人の考えは後退しているのか戦争終わっても現在進行のくすぶり続ける社会事情など、上官の慟哭と劇場内に響き渡るヘリの騒音など、メッセージ力は今回の方が上がっているような印象を受けた。

    観劇前、テアトル新宿で映画「この世界の片隅に」を見たことも関係しているのかもしれないが、戦中のヒロシマで暮らす人々、オキナワで命がけで戦った人。日本の各地で今もなお苦しんでいる人。
    当たり前の日常生活が過ごせる時代と住んでいる場所にもっと感謝しないとね。今回のこまつ座版も良。
    約2時間。

    ネタバレBOX

    終演後、この戯曲を書いた蓬莱竜太さんと、こまつ座の井上麻矢さん進行による30分ほどのアフタートークあり。
    2人、話し合ったわけでもないのに奇しくも洋服の色合いが黒。
    以下、思い出し書き。

    ・井上ひさし氏没後、もともと演出の栗山さんに相談がされていた作品、蓬莱さんは「木の上の軍隊」の戯曲を依頼から完成まで2年掛かりでなんとか出来上がった。
    ・手渡された井上氏の構想がA4サイズくらいの用紙1枚のみで、読んでみたら達筆箇条書きの数行のみ。他に膨大な関連資料に蓬莱さん、驚愕す。
    ・井上氏や他の作家さんたちが執筆の際によく利用する山の上ホテル、こまつ座からそのホテルを手配してもらった蓬莱さん。そこで戯曲を書こうとしたが慣れない環境からか、なかなか筆が進まず気分転換に近所のコンビニに行く為、ちょっと留守にしていたらいつの間にか完璧に室内清掃がされていた。さすが何人もの作家が滞在しているだけのホテル、作家の人間性を心得てる。シーフードカレーが美味くて、結局そればっかり食べてた。後日、ちゃんと戯曲仕上げる。
    ・初演後、韓国で現地俳優と演出家?による舞台公演もあり。蓬莱さんと麻矢さんもそれを見に韓国まで行ったそうだが、その内容が日本版とは改修された箇所が多々あったらしく、男の友情的な結末になってたらしい。いろいろあったようで、2人とも割り切れない思いを抱えたまま現在に至る模様。
    ・NHK?のテレビ番組の為、栗山さんも加えた3人が実話の地である沖縄へ取材に出かけた。
    実際に兵士が潜伏したガジュマルの樹に、なぜか登らされる蓬莱さん。
    それまで舞台セットのイメージは付いていたけど、ガジュマル前の駐車場のスロープに何かピンときて以後釘付けになってしまい、周囲の人間が「樹はこっちですよ〜」と何度となく誘うにも関わらずその場からなかなか離れない栗山さん。東北で直前まで仕事をやっており、そこから沖縄へ現地集合となった為、移動機内で見た山肌の景色、形状などを思い出したのか、その時、午前中9時前?だったが「るみ、起きてるかな〜?」と言いつつ、美術担当の松井るみさんへ連絡取り、新しい舞台セットのイメージを伝えた。出来たのがあのセット。
    ・新兵が上官を苛つかせる感じは初演よりも濃く描かれてる、松下君は上官へのイラつきをピークにさせる新兵で、蓬莱さんが観ても無垢さもあるけどイライラをピークにさせて酷いw(その辺が上手い、ってこと)
    ・戯曲を書きすすめる内、次第にどこに向かっているのかわからなくなったが、蓬莱さんは自分のお子さんにわかるように書き上げた。
    沖縄という地名は出さず、南の島の寓話として書いた。
    ・舞台の見どころは?と麻矢さんに質問され、今まで一生懸命喋ったのに!と慌てる蓬莱さん。兵士2人が樹を見つける緊迫した場面でのヴィオラの演奏がアドリブのような演奏でかっこいいですっ。
    これまでのこまつ座ファンのお客さんにも見てほしいが、(ここ、力説→)たくさんの若い世代に是非見てほしい。
  • 満足度★★★★

    栗山演出の妙
    初演(藤原竜也版)は観ていないが、アフタートークによれば「より演劇的になった」とのこと。
    解りあえない関係のもどかしさを横軸に、沖縄戦の時間軸の縦軸の絡み具合が見事。

  • 満足度★★★★

    気になっていて やっとこさ観れました(^^)
    松本先生のSF漫画であった
    木の上の狙撃者が・・・胡蝶の夢・・みたいな・・とか
    勝手に想像して
    事前情報をいつも通りに遮断して観劇したら~大正解♪

    感情と矛盾について深く考えさせられた約2時間の舞台に
    30分のアフタートーク付き!でありました

    ネタバレBOX

    戦争の情報を後世に伝るコトができるように・・と
    考えて作った作品だそうです

    舞台セットの中心の”木”の存在感と
    少ない登場人物
    上記子供向けとしたことで入れた
    狂言回しの女性の語り・・
    わかりやすくて
    考えさせられましたデス

    これで開演前の座の温め的な何かがあればなぁ・・と

    舞台上と客席との一体感が強く感じられ
    無言となる台詞の間や緊張感が好刺激でした
    青☆組さんと似てたかなぁ(^^;)

    ヴァイオリンの生演奏付きでも
    奏者と演者あわせて4人の舞台なんですけどね

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