月が大きく見えた日 公演情報 月が大きく見えた日」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★

    月が大きく見えた日
    生徒を助けることができず落ち込んでいる教師、生徒の母親とそれらをとりまく人物の会話劇でとっても実感がこもっていて見ごたえがありましたが、ラストがなぜああなるのかまったくわかりませんでした。

  • 満足度★★★★

    完成度高い
    団地の一室をイメージした舞台セットは、実際に水が出る流しが設置されていたり、冷蔵庫はきちんと電源が入っていたり、壁面の汚れ具合などもリアルに再現されていたりと、細部までこだわりが感じられて好印象でした。
    教え子の自殺をめぐるストーリーもなかなかスリリングな展開で、グイグイと物語の世界に引き込まれました。出演者5名という少人数の作品ながら、一人一人が個性的且つ重要な役柄で、実に見応えがある作品でした。劇団のコンセプトにあった“明日へと突発する人間を描きたい”という部分も、実際に観劇させて頂き納得。最後のシーンは特に印象的でした。

  • 満足度★★★★

    お見事!
    どうしてと言われても、わかんないことはわかんないし、どうしようもないことだってある。納得しないモンスター遺族の理不尽さは実にリアル。のめり込んでしまいましたね。

  • 満足度★★★★

    現代人の孤独
    同じサンモールスタジオで目にした昨年の第3回公演『人が流されていく川』は安楽死施設などというものがある近未来の設定で、内容は抽象度の高い台詞劇だった。人間のある側面をあぶり出す「装置」としてのドラマを追究する姿勢のようなものが汲み取れたが、今回は「いじめ自殺」をめぐる話である。
    「らしい」独自性はやはりあった。主たるエピソードは「いじめ」をめぐる主人公(若い小学校教師)を含む学校関係者と親で進行するが、もう一つのエピソードが絡む。よく再現されたセットは少し前に亡くなった母の家である古びたマンションの一室で、教師だった母(登場せず)を慕って元生徒という青年が出入りする。正面がテラスに通じるガラス戸で、「月」と「自殺」のイメージが重なる「場」となっている。
    俳優5人、一人一役の簡素な作りだが、「教師」と「親(ここでは母)」、そして出入りする青年を通して「生徒」の、それぞれの「物語」が語られている。そこから、現代人の心象風景が浮かび上がって来る。
    非言語の演技を要求する部分で役者が好演していた。
    「死」を扱うドラマとしては、より感情移入を可能にする事も演出によってはやれたかも知れないが、この程度の抑制感が「人間探求」には好もしい、と個人的には思った。ステージ全体を使った室内のセットが、臨場感を高めていた。

  • 満足度★★★★

    カチッとした四角四面の感じがまったく無い作品です
    人の感情って
    自身でもコントロールは出来ないよなぁ・・と
    なんか強く思い知らされたような
    約1時間30分の作品

    ネタバレBOX

    “マグマ演劇”の噴火様相は
    オープンエンドでしたけどね

    抑うつされた感情を持ちつつ
    日々を過ごす主人公=有名私立進学校の男性教師
    同僚の国語教師と付き合う日々の中
    自身の学生時代と同様の日々を過ごしていた
    自分を慕う男子学生から距離を置き
    ひたすら避け続けていた結果・・学生は自殺という結末を向かえ
    その後に残された学生の母と
    恋人・教頭・亡くなった母の元教え子らが展開する
    人間模様・・・・

    でもなぁ
    主人公が頑なに学生とのコンタクトを拒んだ理由が
    舞台上から伝わってこなくて
    「なぜ?」と強く思えたですよ・・・

    他は
    まぁ納得の出来るキャラ設定で
    宇宙が好きって
    なんか良いなぁと
    「宙のまにまに」とか「ふたつのスピカ」とか
    思い浮かべつつ観劇してましたが
    その後の方々の行動は・・
    まぁ想像にお任せしますしかないよなとも
    必然的に思えた作品でした

    舞台セットは主人公の母が暮らしていたマンション5階の部屋
    主人公と同じく教師していた母は亡くなって
    遺品整理等でこの部屋に来ていた主人公

    自殺した少年は結局主人公に会えす
    その主人公である教諭のマンションから飛び降り自殺します・・
    学生寮住まいで
    寮内で苛められていたため
    学校側はいじめ把握が遅れた=主人公も
    本人から母に知られると転校というコトになるだろうと
    11月までは頑張ると言っていたのだが
    夏休み前からいじめ発覚し
    夏休み後に投身自殺してしまい
    理由は主人公が知っているとメモを残していたので
    メモを見た母が理由を知りたく訪ねてくるのですが・・

    主人公基本投げやり風で
    情熱に欠けてます=この進学校は天文部が強く
    大学にある天文研究に進むのに
    この学校はよかったのだが
    イジメにあい転校し
    結局自身が望んでいた天文研究の道へは進まず
    教師となったこと抑圧あるようでした
  • 満足度★★★★

    リアルゆえ深く・・・
    シリアスなシーンでの表現過多な芝居に鼻白んでしまう作品が多々ありますが、本作は、リアルな心理・台詞・挙動が物語をより深いものにしていたように感じました。

    役者さん達も脚本・演出を理解し好演されていたと思います。

    とてもいい舞台でした。。。

  • 満足度★★★★

    不思議な感覚だが面白い!
    現代社会の大きく深刻な問題を小さな団地の一室で表す。物語の真の中心となる人物は登場しない。観せ方は、その人物の心情というよりは、周りにいる人々にどう影響を与えるのか、その問題の広がりに軸を置いたように思う。

    帰り際、夜空を見上げていた。スーパームーンが見られるのは11月14日...そう教えてくれたのは徳永梓さん。ありがとうございます。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、都心郊外の団地5階の一室。上手側には整理タンス、ダンボール箱、そして隣部屋への出入り口。下手側はキッチン、冷蔵庫と風呂・トイレへ続く廊下。さらに客席内左側はこの部屋のドアがある。中央奥は大きなガラス窓で、その外にベランダ手摺が見える。壁にはシミが浮き出ており、はり紙の跡もくっきり。

    梗概...母子家庭で育った一人っ子の少年は天文学者を夢見ていたが、今は 母(亡くなったばかり)が住んでいた団地を離れ、私立中学の理科教師になっていた。何でも他人のせいにして逃げてきた性格。この教師を慕い話しかけてくる生徒がいたが、その相手をする(話を聞く)のが面倒くさく億劫になっていた。その生徒は自宅通学ではなく、学生寮に入寮していた。そして寮で苛めにあっており、耐えかねて慕う教師の自宅で飛び降り自殺をした。教師の同僚で恋人・霧矢梨子(徳永梓サン)、学年主任であろうか栗生沢先生(アフリカン寺越サン)など、学校側の対応が問われる。そして生徒の母親が登場し、学校・教師の責任を追及し出す、という典型的な展開。

    本公演、自殺した生徒は登場しない。苛め=本人の心情吐露などが描かれそうであるが、本公演ではその空(くう)にした設定にすることで、少年の人物像を観客に想像させる。どんな容姿、声なのか...共通して思うことは「宇宙、天文好き」で孤独なイメージではなかろうか。この現れない演出は、映画「桐島、部活やめるってよ」(2012年)を思い出す。そして最後までどんな人物だ、という興味を持たせる。本公演ではその演出効果ではなく、残された人物...気弱な教師の姿に人の一面が垣間見える。そこに「日々溜め込んだ切実な人間のマグマ」を観るような気がする。

    本公演は舞台技術、特に照明は印象付けのため中央ガラス窓に時間を演出する。その照明色が時間、その経過を示す巧みさ。
    登場人物はわずか5人。どの人物もキャラクターを際立たせバランスよく観(魅)せる。表層的には少し痛く、時にコミカルに演じている。だだ、会話が途切れた間(ま)が少し長い時がありテンポが緩くなるシーンが何箇所かあって勿体無かった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    ”逃げたい”本音
    “逃げたい”人間の本音を鋭く突いて、観ている側にも緊張感が伝わってくる。
    リアルな台詞の応酬に、同時進行で一緒に追いつめられて行く感じ。
    これまでとちょっと違った役どころの常連役者陣も新鮮でとても良かった。
    澤原剛生さんの“これって素なの?”と思うほどの挙動不審ぶりが自然で素晴らしい。
    痛々しいほど純粋な青年の存在が、作品の中で問題提起を体現している。
    同時に、シリアスな中に巧みに笑いを差し込んでくる間の良さも秀逸。

    ネタバレBOX

    舞台は古い団地の一室、正面にベランダと手すりが見える。
    その向こうに空が広がっている。
    中学教師の稲葉は、かつての自分と同じ天文少年の教え子から慕われていた。
    ところがその教え子が飛び降り自殺してしまう、それも稲葉の部屋から…。
    自分と同じ教師だった母が亡くなり、稲葉は母親の住んでいた団地に
    逃げるように引っ越してくる。
    亡くなった母の教え子や、自殺した少年の母親、付き合っている同僚の教師など
    様々な人々が訪れるうち、次第に真実が明らかになってくる…。

    長年貼ってあった紙の跡が残る壁など、団地の一室がリアルに再現された舞台。
    特に舞台正面に広がるベランダと手すり、その向こうに広がる空が強い印象を残す。
    照明によって空の色が変わり、時間の経過が見える。

    希望する天文学部のある学校へ進学するために、この中学に入った少年は
    いじめの事実を母親に知らせてくれるなと教師に口止めをする。
    相談された教師も、目的を持った彼ならいじめに屈することなく頑張れると期待した。
    効果的な助言もできない自分、その自分と天文学の話をすることがすべての少年、
    稲葉がそれらに向き合うことが重くて怖くて逃げていた結果、最悪の結末を迎えたのだ。

    稲葉役の末廣和也さん、「俺のしたことはそんなに悪い事ですか?」という
    この期に及んでまだそんなこと言ってる教師像が超リアル。

    亡き母の教え子でやはり飛び降り自殺を図ったという鰯駿介
    (イワシとう名字がすごい!)を演じた澤原剛生さん、
    その言葉にならない不安と緊張を見事に表現している。
    彼の生き方そのもののような、挙動不審と情緒不安定ぶりから
    怪しさを超えたピュアな心がビシビシ伝わってきて切なさでいっぱいになる。

    唯一信頼し相談していた教師が約束の日に留守をしたために、
    息子は絶望して自殺したのだと、教師を責める母親の狂気が本当に怖かった。
    演じる仁瓶あすかさんの“あたしも人のせいにしたい”という台詞に実感があって
    稲葉が「殺される」と感じるのがよくわかるような、
    緊張感と憎悪の表現が素晴らしい。

    稲葉の恋人である同僚教師役の徳永梓さん、稲葉よりも責任感が強く、
    自責の念から教師を辞める潔癖さがよく表れていた。
    可憐な容姿もとても素敵。

    彼らの間に入る学校の教頭先生(でしたっけ?)を演じたアフリカン寺越さん、
    いつもの熱血漢とは違って、上手く責任を回避して自分の立場を全うする、
    世渡り上手な先生が上手い。
    メリハリのある台詞のうち、力の抜けた台詞に要領の良さが出ていて良かった。

    解決策の見出せない問題に、敢えて向き合おうとする作者に拍手。
    天文学という浮世離れした趣味といい、ミステリアスなスーパームーンといい
    実に効果的なアイテムだった。









  • 満足度★★★★

    緩さがまた出た
    この劇団の舞台を観るのは二回目。
    舞台上を不穏な空気が支配する感じは結構好み。今回もいい座組みで好印象。
    しかし前回観劇時同様、要所要所緩い演出箇所が出て最後はトーンダウンしてしまった。
    いつも終盤で白けてしまうのが今後の課題かな。

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