満足度★★★
ふでをならう
書道教室で筆をならうのと、もうひとつ意味合いでの筆をならうをかけているのはなんとも言えないですね。
白に囲まれた中で、白尽くめの衣装での演技、なにもないところから、なにかが生まれる、なにかが起きる設定。書道教室の先生が夜の世界に引き込まれていくのはなぜなのか、最初はわからなかったが、あとでわかりましたが。
最後に普通の生活に戻っていくのはよくわかりませんでした。
満足度★★★★
バランスの良いお芝居
劇団子供鉅人の団員でもある山西竜矢さん作・演出のユニット
子供鉅人は色彩派手派手しいイメージの演劇だが、新宿眼科画廊スペース地下でのこの劇は、なにもない真っ白な舞台に白基調の衣装を着た演者という組み合わせで真逆の様相
劇は、書道教室の先生である主人公が色の無い現実から、脳内で彩りをかけた軽快な半現実世界へ足を踏み入れ、破滅していく様子を描く
破滅願望というのは自分にも少なからずあるものだし、今現在の自分を客観的に冷静に見れる人は少ない。主人公の彩りのある世界に憧れる気持ちはわかるし、何かを自分で望むことよりも誰かに望まれることのほうが心が救われるのは確かだと思う。
しかし、自分で色をつけて鮮やかになった世界と、本当に目の前にある現実との世界のギャップは、カラーテレビに慣れたら白黒テレビに戻れないのと一緒で、絶望的に不可逆的なものだ
しかし、本当は白黒に見える世界にも、目を背けなければそこに救いは有ったのだ。
役者、脚本、劇場、客層、舞台、全てがバランス良くマッチした良いお芝居でした
森本華さんのキレッキレっぷりは必見