夢にかける保険はありますか 公演情報 夢にかける保険はありますか」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    鑑賞日2016/12/08 (木)

    「夢にかける保険はありますか」というタイトルに惹かれ初めて観劇させて頂きました。劇団メンバーはそれぞれサラリーマンをしながら演劇に取り組まれているということ知り、「なるほど、それが劇団名の由来なのか~」と妙に納得してしまいました(それくらい予備知識ゼロで観劇させて頂きました。。)
    演じることが大好きという気持ちが存分に伝わってくる素敵な役者さん達。本当に夢にかける保険があれば、また違った人生を送れるかもと感じさせてくれる面白い作品でした。是非これからも大好きな演劇を続けて下さい。

  • 満足度★★★★

    面白い発想の保険
    この保険に加入するのは本人の意思ではなく、家族などの近しい人が当人を心配して手続きをするのだろう。劇中にもあったが、夢追いに年齢の制限を設けるのは、「生き甲斐」との関係で疑問が残るが、本人の考え方次第といった描き方のようであった。
    何となく劇団(員)の等身大の物語のように思う。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台は二分割し、上手側は居酒屋の座敷、下手側はスナックのカウンター・ボトル棚が作られている。物語を分かり易く展開させるセットのようで好感が持てる。

    梗概は、劇団ホイップクリームに所属する矢部純二は、両親が加入してくれた保険金で、夢を叶える時間をもらう。ただし、目標を達成出来なければ、強制就職しなければならない。その期限は30歳迄であと1年に迫っていた。一方この保険会社はインターネットでの風評で”夢を諦めさせる”ブラック企業のような書き込みをされ、その悪評の払拭に躍起になっている。企業内での陰謀や利己を絡ませ、企業と個人(劇団員)の再起をかけた戦いが始まる。その戦いこそが、己れ(企業理念と自身の才能)を信じることへ繋がる。
    企業の思惑に振り回される保険加入員(ここでは「劇団員」)の甘酸が面白可笑しく描かれている。また終盤には人の心にある嫉妬・羨望を曝け出す、そんな見所も用意している。

    本公演、役者は全員サラリー(ウ)マンであるが、しっかり興行を行っている。もちろん演技はしっかり観せてくれるが、2足や3足の草鞋を履いての活動は大変であろうと察せられる。そんなところが本公演の夢追い保険に思いを馳せてしまう。

    物語の発想としての保険は面白いが、実際問題としては夢追いに年齢に制限を設けてしまうことに疑問が...。
    例えば、将棋界では新進棋士奨励会(通称:奨励会)のようにプロ棋士の養成機関における年齢の制限は規定(例外あり)されている。しかしこの芝居のように夢が30歳までというのは...。反面、いつまでも夢にしがみ付いて、他の道を探せない。その意味で第三者(企業)から見切りを付けられるということも理解出来ない訳ではない。夢と現実は諦めと金銭を天秤にかけている。そんなアイロニーが見える公演であった。

    もっとも本公演では、夢の内にある才能が開花したようだが...。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    楽しかったです(^^♪
    笑えるし、いろんな立場の人の感情がちゃんと伝わってきました。
    こういう人いるなあとか、この気持ちわかるなあというシーンの中に時々
    非現実的なキャラクターも出てきたりして、楽しかったです。

  • 満足度★★★★★

    観てきた!
    今回のテーマほどこの劇団に適したテーマはないのではないか。
    そう思える作品でした。

    劇団のコンセプトを考えると、放ったメッセージの重さがひしひしと感じられました。
    下手をすると自分たちにブーメランで返ってきてしまう。
    仕事と夢を両立し、夢だけでなくきちんと現実も見ている(多分)彼らだからこそ表現できるテーマなのだと思います。

    観劇するのは今回で3作目。
    過去2作は初舞台の方も多く演技の方では多少固さも見られたのですが、
    今回はとても良かったと思います。
    特に相馬役の滝口さんの存在感ある演技が大変素晴らしかったです。

    ネタバレBOX

    「劇団はブラック企業」
    なるほど、確かにって感じでした。
    小劇場界隈では大抵そうなんだろうなあって気がします。

    役者として食っていくには、劇団がきちんと収益を上げなくてはならなくて
    そのための努力が必要。
    夢を口実にモラトリアムのような生活をしているだけでは
    「仕事」ではなくてただの「趣味」
    辛辣なようなけど真実だと思います。
  • 満足度★★★★★

    楽しめた100分間
    100分間楽しめえたお芝居でした。サラリーマンをしながらよくここまで仕上げたと感心しました。夢にかける保険をこのお芝居に携わった全員に差し上げたいと思いました

  • 満足度★★★★★

    総ての夢追い人に
     記念すべき第10回公演。元々、サラリーマン中心の劇団だが、今回は出演者全員がサラリーマンである。皆役者がやりたくて芝居が好きで好きで堪らない人々だ。
     描かれている問題は、当に彼ら自身の鏡。表現する者を目指す者皆が抱えている問題だろう。そんな彼ら、彼女たちだからこそのリアリティーを感じる舞台である。
    (リピーター割 1000円。最終日夜公演にはまだ空きがあるそうだ。但し、行く前には劇団HPを確認のこと)

    ネタバレBOX


     10年も付き合ってまた役者の夢を追う29歳の純二に愛想を尽かした彼女・さくらは離れて行ってしまった。その代りと言ってはなんだが彼の両親はちょっと変わった保険に入っていた。1年間、夢を追い続ける資金を保険金から出してくれる代わりに夢が実現しなかった場合には、保険会社の指定する企業に就職して貰う、という保険である。違約の場合は違約金を払わねばならない。
     劇団ホイップクリームの相棒優作がバイトに追われるのを尻目に、彼は今まで真に自分の夢実現に取り組んでこなかったことを悟り、保険会社の担当者からのサジェッションもあって様々なオーディションも積極的に受けるようになり、劇団経営のノウハウなどもセミナーで学んで随分成長してゆくのだが、その成果が見えるようになると彼のブログが荒らされたり、誹謗中傷が書き込まれたりするようになった。バイトの先輩・諸星が、犯人を突き止めようと様々な推理をし、遂には罠まで仕掛けておいたが。
     ところで、この保険会社も買収され、大手と組む為の駒に使われようとしていた。その前段階として、この保険会社が実は夢を食い物にして利益を上げる悪徳企業だとのバッシングを受けていた。その責任を取って社長は辞任した。だが、後釜に座った新社長・ジョニーこそ、乗っ取り屋であったことを見抜いた社長は彼に戦いを挑む。旧社長もこの保険会社の大株主であり、株保有率は20%。株主総会で新社長の企みを暴き、自ら取締役に立候補して承認されれば、新規に社を立て直すことも夢ではない。だが、旧社長には弱点があった。想定外の質問をされるとしどろもどろになり、言う事が支離滅裂になってしまうのである。ここで、社長を助けたのが純二であった。彼の特訓の成果が出て旧社長は、乗っ取り屋を失脚させることに成功した。
     一方、さくらは、ジョニーに結婚を申し込まれる迄になっていた。だが彼女は、純二のことを断ち切れていた訳でもなかったので、久しぶりに彼に連絡を取る。彼とじっくり話した上で最終的な態度を決める為である。
     1年が経ち、オーディションの結果が総て出ることになった。舞台関係はダメだったが、日本アカデミー賞に残りそうな作品の主役発表は未だだった。関係者が馴染のスナックに集まりお祝いの用意をしている所に入った電話は? 残念!  この時点で純二は役者を諦める決意を下すのだが、この会場へブログ炎上の犯人が分かったと諸星が駆け込んでくる。何と犯人は、主人公の親友・優作であった。保険会社の有能社員、相馬が人間として最低の行為だと批判を強める中、純二は、優作の傷をねぎらい“自分自身も親友と同じで妬み嫉みを持つ人間だ、お前はもう一人の俺だ”と彼を許す。
    ドタバタの中、相馬が純二の違約金を支払い、夢を持つ人を応援する新規のベンチャーを立ち上げると言い出す。ここで社長が、この会社にも新規ベンチャーを支援するセクションがあることを示し、そちらで働くことを薦めてくれた。筆頭株主の会長には社長から話をしてくれるという。会長のOKも出た。元カノとのよりも戻った。皆、夢へ向けて新たな一歩を踏み出すことができて幕。

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