「夜合樹~文月夜篇~」 公演情報 「夜合樹~文月夜篇~」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★

    みんなでトリップ!古民家劇空間
    住宅街の中に残る古民家に、夢うつつな不思議な空間が出来上がっていた。
    小屋の大きさにあった演目。

    これ、ねむシリーズとなるのだと思う。前回の公演も見てきた。今回はアコーディオンの生音が入り、上手に絡めていて良かったと思う。1人芝居なのだけど、大変面白い演出の工夫で1人が2人に、3人にもなっていて、違和感がなかった。話も大分分かりやすくなり、良かったと思う。
    ちょうど雨が上がったときに見たので、風景も芝居の効果となって、絶妙であった。ラストは、映画を実物大で見ているような感覚になれた。

    ちょっと、建物に頼っている部分が大きいかな。そこら辺のバランス、密度がこれから練られていくのではないかと思う。

  • 満足度★★★★★

    極上の時
    古民家を、そのまま、アートスペースとしている会場。

    天も味方につけての、奇跡的なシチュエーション。
    ステージの和室、ぐるりの縁側は、開け放され、
    雨の匂いに、雨の音・・・緑も生き生きと、素晴らしい。
    そして、怪しい黄昏時から、夜の帳の降りる迄

    しっとりと、生アコーディオンの切なく哀しい音色にのせて、
    奈佐さんの1人芝居。圧巻!
    極上の時を過ごしている感覚に浸り、
    快飛行家スミスの世界に、どっぷり、引き込まれました。

  • 満足度★★★★★

    幻想の世界に誘われました。
    のっけから妖しい雰囲気で始まるこの世界、最初から物語の世界に誘われます。

    何処かで聞いたことのあるような、懐かしいアコーディオンの音色は、ピアノとは、また違ったレトロ感を生み出しています。

    続きはネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    松蔭コモンズ、世田谷とあったので、もっと大都会の真ん中みたいな場所を想像していたけれど・・・・、な、なんと、ちんちん電車で松蔭神社前まで、行きました!

    駅前はちょっと寂れた商店街で、この情景からして物語の本の中に一瞬、入ってしまったかのような錯覚に囚われます。

    樹木が鬱蒼と茂る緑の中に、その古民家はありました。

    そこで演じられる物語は、まさに、この地を選んで書かれたもので、近くの神社、役所やその近くを走る路面電車など、ここの地名も登場し・・・要するに、観客まるごと、そっくり、役者も作家もアコーディオン弾きも黒子も、同じ列車にのって旅をしているかのような感覚になります。

    今回の芝居は本当に・・・幻想的です。

    古民家の空間を上手く利用し演出したことにより、別世界に紛れ込んだかのようです。



    夢売りは人間の闇の部分に付け込んで夢を見させてくれる商売です。

    霧野は夏生という文通相手と文通を始めた事から奇妙な体験をします。
    霧野はその昔、雨降り村の小さな映写室で映写技師をしていました。ところが、過失によって、映写中に燃やしてしまったフィルムがチリチリと燃え出し、あっという間に広がって、たわわに花をつけた薄紅色の夜合樹(ネムの樹)に燃え移り、雨の中、炎もないのにその場所だけ、煙たっていました。

    その火事によって左足を失った雨月堂文具店の店主。霧野が間借りしている家の女主人、鈴木すず。すずの孫の夏生。
    それらが、複雑に絡まり、全てが仕組まれた罠にはまっていく霧野。

    ネムの樹を舞台に人間の心のシミ(闇)の部分について、追求するミステリー幻想曲!


    相変わらず、北川原の本は独特のカラーがあり、錆びた血の匂いがあり、しけった雨の香りがあります。

    そうして、今日のこの雨のサー、サー、と降る音も物語りに溶け込んで素敵な音響効果となっています。

    絶好の雨日和ではないですかっ!

    更に和の照明と和のセットが空気を盛り上げます。

    素晴らしいです。

    繊細な美しい言葉を駆使し、セリフで酔わせ奈佐の完璧な芝居で魅了します。

    狐の絶妙な妖しい演出と最後にはすっきり、仕掛けた伏線が収まるところ。

    う~~ん。素晴らしい!






    あなたも、もし、夢が見たかったら、ネムの樹の下に来るか、風鈴を一つ鳴らしてみてください。


    お代はあなた様の魂で結構です。

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