俺んちに神様!? 2016 公演情報 俺んちに神様!? 2016」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    味わいある芝居
    神様が居候という、とんでもない笑い噺...このシチュエーションは、映画「生きる」(黒澤明監督)を思い出す。もっとも描き方や結末は違うが、自分の生き様を改めて考えさせるような…。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    余命数ヶ月と医師に宣告された青年(落語家)が味わう不思議な出来事を荒唐滑稽、脱力コメディとして描く。昭和の風情が漂うボロアパートが不思議な魅力に包まれた異界の場所へ変化していくようだ。

    梗概...主人公は、落語家になりたくて親の反対を押し切って青森県から上京した青年・竹ノ条吉宗(佐々木優サン)、弟弟子にも昇進で抜かされるという覇気・気力のない流される生き方。そこへ余命宣告され...ありがちな設定であるが残された時間をどう過ごすか。それでも主人公は唯々諾々の暮らしぶり、さらには彼女・藤堂美咲(佐々木晴美サン)と思っている女性から適当にあしらわれ金だけ貢がされている。人生どん底であるが、神様は表立って助けてくれない。ただ飲み食いしているだけ。しかし、いつの間にか毎日の騒がしさに気が紛れ、死の恐怖を忘れているような可笑しみを覚える。
    一方、故郷の母親の手紙を読み上げる場面はジーンときた。

    舞台セットは、ボロアパートの和室...斜めに設営することで奇妙・歪な異空間をイメージさせる。押入れ・台所、隣室への戸。壁には三角ペナントが飾られている。途中で舞台が変形し宝船が出現する驚きを演出する。

    登場する神々は七福神、オオノブクロノミコト(実は貧乏神)、そして座敷童・美代、河童。一時的に死神や鬼も姿を現す。余命わずかな青年の部屋に集まった神々などがそれぞれ青年を気遣い、茶化しながら好き勝手に飲み食いし喋り、実に奔放な感じである。一見、青年の悲しみとは縁遠そうな仄々とした雰囲気の中、神々は確かに其々のやり方で「死」という掴みようのない宿命に謙虚に向き合っている。もっとも神様であり「死」そのこと自体に切迫感はない。むしろ、悪者・彼女への反発の方が印象的であった。
    ただ、中盤以降、暗転を多用した場面転換が少し気になった。

    公演の展開は青年に寄り添うもので、語り手のようなオオノブクロノミコト(谷口 有サン)の目は柔らかく優しい。脱力系演技と滑稽な演出が相まって大らかで即興的な芝居は観応えがあった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    笑えました!!!
    ラストの展開も好きです!!!

  • 満足度★★★★

    まさに喜劇
    喜劇舞台の勢いと破壊力を感じた濃厚な舞台。
    欲張って言えば、せっかくの七福神それぞれにもうちょっと見せ場と笑いの種があっても良かったかも。それぞれ魅力あふれるキャラクターだし。
    本気の喜劇舞台をしっかり楽しめた。

    ネタバレBOX

    ゆるいテンポに、ほほえましい笑い。
    しかし一部で異様に爆笑するグループが居て妙に変。
    笑いを後付けするテレビコントのようでちょっと違和感。
    カメラの収録が入っていたからなのだろうか。ちょっと残念。
  • 満足度★★★★★

    面白かった。次も楽しみです!
    とても面白かった。狭い舞台に大勢の役者があふれているのを、おしゃれな演出で軽やかにこなしていた。ラストシーンも3段構えできれいに終わってくれた。こういうわかりやすい芝居が気軽に観れて楽しいです。次回作も楽しみです。

  • 感想。
    とても、面白かったです。ただ、(後は「ネタバレ」に)

    ネタバレBOX

    私には、残念だなと思えたところが2点ありました。
    ①母からの手紙を主人公が音読するのは、聞かせるために読んでいるようで不自然だと思いました。黙読のほうが自然ではないでしょうか。せっかく、同郷の運送屋さんとドアの外に出て行けたのですから、その隙に、借金取りがこっそりと箱を開けて、中の手紙を読んで感動する等にしたほうが自然ではないかと思いました。(観客には母の声で聞かせます)
    ②最後に、医者が、他の人のレントゲンと間違っていたと言う場面はいかがかなと思いました。病院として許されないミスですし、末期の癌を告げられる人が他にいるというのは、ラストシーンとしては暗くないでしょうか。「あれ、癌が消えちゃっているよ。なんでだろう」と医者が驚くというようなのでもいいのではないでしょうか。
    他がすごく面白かったので、かえって気になってしまったのだと思います。私には、好きなお芝居でした。
  • 満足度★★★★★

    楽しめた1時間50分
    とてもユニークなストーリーで終始楽しめました。“困ったときの神頼み”とはよく言われたものですが、その世界感を面白可笑しくよく描かれていたと思います。どのような展開になるのだろう、とワクワクしながら拝見していました。終演後の次回予告もまるで映画館のような独特の演出で個性が感じられました。あの予告を見たら次回作も観てみたくなる。なかなか優れた戦略だなぁと感心しました(^^)

  • 満足度★★★★★

    「人生終わった」と思った方、必見です。
    滑稽な七福神さん達に笑わされっ放しでした。

    ネタバレBOX

    落語「死神」は金に縁が無くこの世から消える寸前の男が死神に出会ったことにより数奇な運命を辿る、という噺ですが、死神が居眠りをしたり、男にだまされたことに腹を立てたり、と人間的な面を見せるところに面白さがあります。
    本作品も神様の人間的な部分が面白おかしく描かれており、本物の噺家さんご出演ということもあり、私は「死神」的な可笑しさを感じました。
    終始谷口有さんのユーモラスながら要所要所で“神様”を感じさせる貧乏神が全体を包み込んでおり、また斎藤啓子さんを中心とした七福神チームがタッタタ流の笑いのセンスを全開させながらも、片やあおきけいこさん演じる座敷童子が舞台をしっかりと引き締めていました。
    このタッタタ流の見事な構図が、客席は爆笑の渦に巻き込まれながらも、終演後はほっこりさせられるんですね。舞台に厚みを感じます。
    今回客演の柳家東三楼師匠の枕も軽妙な語り口でさりげなく落語感をかもし出してくれました。
    師匠は真打昇進時に(火焔太鼓でお馴染みの名人)古今亭志ん生の名跡を襲名した、ということからもわかる通り、間違いなく今後の落語界を担われる方です。
    その師匠が劇中に黒子をユーモラスに演じたところはは私にとって記憶に残る作品となりました。
  • 満足度★★★★★

    初演を観た方にもお勧め
     シナリオ、キャスト、演出、出てくる神様も可也変わっているので、初演を観た方々にもお勧めである。

    ネタバレBOX


     初演では、カラッとした笑いに主眼が置かれていて、この作品も抜群に面白かったのだが、今作では笑いの要素に深い哲学の要素が加わった。無論、表現の仕方は極めて自然で、哲学的専門用語などは使われていないし、ストーリー展開と密接に絡んで日常的な言葉でしみじみ語られている。つまり、言葉の意味するものの深さに哲学を感じるような作りなのだ。
     無論、タッタタお得意の空中殺法は今回も健在。主人公がうだつの上がらない二ツ目の落語家の設定なので、導入部とラストには、一言の主という落語家に身をやつした神様が出てきて、今作をサンドイッチしている。
     一般的に喜劇作品は、極めて知的な創造行為だが、その知的行為が観ていて気にならないほど自然に描かれて寧ろ、人情に訴えかける作りになっている点で高く評価されてしかるべき作品である。
     初日が終わったばかりなので、内容は観てのお楽しみ!

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