白紙の目次
いやぁ、よかった。
脚本、演出、役者、音響、照明、美術。
すべてが、よかった。
脚本、演出は、谷さんの新しい一面が垣間見れました。
舞台っぽい劇的な作品ってよりは、映画のような感じがしつつ、今までの時間制作の色もあるという、すごく新鮮なものでした。
役者さんはみなさんとても良かったのですが、その中でも田名瀬さんよかったなぁー。いつも、真面目な役の田名瀬さんしか見たことなかったのですが、今日みたいな、男っぽい役もすごいあってる!と思いました。
演技に味があって、すごく魅力的でした!
時間制作見るといつも、思う。
谷さんってすごい。笑
時間制作、次回公演も楽しみにしております!!
満足度★★★★
テーマも舞台も重みのある公演
毎回、難しいテーマに意欲的に挑戦し、分かりやすい舞台設定でその難解なテーマを観客の心にしみこませて涙を誘う劇団時間制作。今回のテーマは「依存」であり、それは生きる糧でもあると言うこと。
舞台となったのは、海辺にある旅館。その経営者夫婦が中心人物。夫婦ともお互い幼いときから家庭に恵まれていない環境で育ったことから、楽しい家庭を築くことがお互いの夢であり、それを実現させるために相手に依存する度合いも高まる。その夫婦に取って理想の家庭は、知的障害者の夫の妹を施設から引き取って家族生活を営むこと。しかし、実際に妹を引き取ってから、家族内で不協和音が続出、家庭に亀裂が入っていく。その結果、妻は自殺することに。その自殺の本当の意味を巡り、夫の旧友や親友、仕事で旅館に滞在している小説家と担当編集者など、周りの人間たちを巻き込んで、互いの依存を巡り心が軋んでいく課程があからさまになっていく。タイトルは、その軋んでいく依存者の群れの一人である小説家が、この夫婦の家庭に起こった依存生活の結果をバッドエンドの小説に書こうという決意を表す台詞の一節。
登場人物個々に、依存とは何であり人に取って必要なのか、どれほど重要な物なのかを観客に喚起する台詞をなにがしか吐かせる脚本はなかなか凝っている印象。特に、夫の振るまいと心の中の葛藤、そして知的障害者の妹との関係には心を揺るがされて涙させられる。また、生きる糧としての依存の対象を失ってしまった妻の喪失感というものも、観る者の心にポッカリ穴を開けたのではないだろうか。
これだけの難解テーマを扱った結末をどう持って行くのか興味があったが、夫と妹の本当の依存関係があからさまになるというか依存関係が復活するというか、そういうシーンに小説家の彼らを見詰め依存の本質を書き表そうとする決意が絡み合ったラスト処理は「こうするしか無いだろう」的なもので、最近観たこの劇団の公演のラストシーンの中では一番納得できた。
ただ、やはりテーマが難解であることが役者たちの力を最大限に引き出しても描き切れない部分があったように思う。
それと、主人公である夫役の田名瀬偉年の台詞に聴きにくいところが多々あった反面(同様のことは、小説家担当の編集者・福島栞訳の森彩香にも感じられた部分があった)、知的障害者で夫の妹役の庄野有紀と小説家役の古川奈苗の熱演が印象的であった。
満足度★★★★★
初投稿
Bチームを観て逆班も観てみたいと思いAチームも観てきました。
同じ脚本なのに演じる方が違うと微妙に受け取るものが違うなと思いました。どちらも良かったし心に深く響きました。
できたらもう一度観たかった。特に千秋楽がBチームなので是非もう一度観たかった。
満足度★★★★
不幸な話
共依存関係の男と女、兄と妹、編集と作家、客と主人、
脱しきれない自己の世界観の中でそれぞれが悲しみと苦しみを重ねる。
良くできた物語で、役者さんの演技力も抜群、観客のボルテージも上昇、
確かに面白く引き込まれる物語なのに、
自分自身の中で些細な事にひっかかると流れが滞る。
良い舞台なので少々残念。
満足度★★★★
涙に咽ぶ舞台が観たい。
依存がテーマの家族のお話。
後半になるにつれて客席からは啜り泣く声。理解はできるけど何故その選択をしなければならなかったのかわからない。
不思議な感情が今でも渦巻く舞台でした。
気になったことが少し。
上演中に相関図を見る人が毎回何人もいる。紙の音がとても耳障りで気が散りました。
そして関西弁のこと。出来ないのであれば似非として設定を変えたりすれば良かったのに...。愛嬌って?不完全で舞台に立つ。とても残念でした。
脚本、演出、照明、美術、スタッフ、役者の全てが魅力的で素敵でした。決して楽しく幸せな話ではないけれど何度でも観たい。現実と向き合うことが本当に必要なのは誰か。
満足度★★★★★
鑑賞日2016/08/13 (土)
時間製作さんは5月の「皮肉にも雨は降る」に続いて2回目。満員のサンモールスタジオは期待感で溢れ、会場放送の生ラジオからはサザンの「真夏の果実」が流れる。今回のテーマは「依存」で知的障がい者の妹を軸に話が展開されていく。半月前に相模原で起こった知的障がい者施設での惨事。連日の報道で「戦後最大の惨劇」「元施設職員の犯行」を伝える中、自分は「知的障がい者とその家族」に関して考えていました。今回の舞台の中で雄太郎が叫んだ言葉、終演間際に輪島がぼそっと発した言葉で更にその事を考えさせられました。前回の「動物の殺処分」もそうでしたが、みんなが目を背けがちなテーマを題材にして公演を行い、ただ感動させるだけではなく、その先につなげていく力には脱帽です。次回公演は11月との事ですが、今から楽しみです。
満足度★★★★★
ライン下り
キツい! 不意に寄せる波の力がハッとするほどに強い。持っていかれた蒼い世界、直に、斜に、横目に、上目に、肩越しに、見つめる自分が現れる、本心を探られて息苦しい。浮かぶのは、”持たざる者”の自覚が潜むからこそ追い込まれる葛藤、持ってみるまでわからない深層・・・。入場から退場まで、丁寧かつ過不足のないプロの構えを追いかけたくなる。
満足度★★★★★
時間制作の熱い舞台に満足させられた!
時間制作の舞台。。題材、演出、効果、そして俳優陣のパフォーマンスと、素晴らしい総合力で毎回満足させらている。
その中でも今回は依存をテーマに思いのパワーの交差を見事に描いた圧倒的な現代劇であった。
そして、何よりも初主演の田名瀬さんのポテンシャルの高さに圧倒された。
若い役者さんが、演出の思いを感じ取り、全身全霊で演じる姿に感動した!
本当に素晴らしい舞台だった^_−☆
満足度★★★★
持っていかれる
【Aチームをみました】
時間制作さんのお芝居は2回目ですが、題材が重いけど熱い!
色々な役の考えやエゴや感情が入り乱れて観終わった後は軽い放心状態。序盤から泣いて酷い顔だし色々な意味で席を立ちたくない(笑)
暫くセットを眺めながらあの世界観に浸ってたいなー
皆さんが両チーム見てほしいっていうのが凄く分かるし見たかった
満足度★★★
Aチームを観劇
相当な昔、想定外に涙腺が崩壊してしまった下北小劇場で初めて観た東京セレソンデラックスを彷彿させる舞台でした。なのに個人的には波に乗れませんでした。無念
序盤から、笑いの沸点がものすごく低く、ちょっとした事でも大受けして手までたたきだす方とたまたま隣あわせになると、さめていくという不思議。
おしゃべり等のマナー違反ではないので、要は私の集中力の問題でしょうか。
ラストに近づくにつれ、お隣からは鼻をすする音が、そして会場のあちこちからも鼻をすする音が。 なんだか無念でした。