僕の居場所 公演情報 僕の居場所」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    隠されていて見えない、舞台の後ろ側。
    そこには何があるんだろうと、少しわくわくした。

    予想できなかった、その後ろ側が現れたときには「これは面白くなるぞ」と思ったのだ。

    ネタバレBOX

    結局、後ろの採掘現場は、主人公の「心の中」であって、それをまるで「自分探し」をするような作品だったのではないか。

    彼にかかわってきたいろいろな人がそこに次々に現れる。
    彼らがいるはずのネットカフェ自体も、そこに存在しているのかと考えると怪しくなってくる。

    彼はネットの中で生きているようだ。

    まるで大団円のように「メデタシ、メデタシ」となったラストではあるが、本当にそうだったのだろうか。
    つまり、ここで繰り広げられていたのは、「彼の心の中」のことだけであり、そこに現れてくる人々とはすべて「彼の中」にある「妄想の産物」ではないのか。

    例えば、彼のトラウマになっている、幼稚園時代の熊の縫いぐるみのエピソードも、実はこうでした、という彼ににとって「救い」になるような「真相」も「彼の中」でのことであって、本当かどうかはまったくわからない。というか、単なる願望でしかなく、彼を励ます母親の姿も彼の願望であろう。

    したがって、大団円もまた「彼の心の中」に去来したものであって、実は彼はネットカフェの1室で妄想に耽っているだけの彼の可能性がある。

    誰も注意を払っていない、誰も見てすらいない彼の哀れな妄想がこの作品の内容むそのものではないのだろうか。

    ネットカフェの1室で、垣間見た、救いのある妄想を見ているだけの男の話だったように思える。
    主人公の名前が「ななし」と言うのもそれを裏づけているのではないだろうか。
    したがって、『僕の居場所』というタイトルは相当つらいタイトルではないだろか。

    主人公を演じたカズ祥さんは、声のトーンといい、繊細で追い詰められている感があって良かった。
  • 満足度★★★★★

    「捨て子」

     の哀しさは、体験した者にしか分かるまい。

    ネタバレBOX

    今作に登場するななしは、無論、この捨て子である。バーチャル世界に顕れるさくらが彼の否定的言辞の真のきっかけではない。母に捨てられたことが、彼が総てを否定する根拠なのだ。だって母は、子の故郷。母の胎内で個々の受精卵は系統発生を体験した。即ち母とは地球上に生命が誕生して以来の歴史を子に伝える存在なのである。子にとっては地球そのもののように懐かしい命の揺り籠だ。その母に見捨てられるということが、如何に子供を傷つけるか!? 大人たちは真剣に考えたことがあるのだろうか? そんなことまで問いたくなるような問い掛けが、今作にはある。
     無論、作家の鹿目 由紀さんの優れた感性と女性らしいが、非常に上手な論理構成が、今作を此処までの作品にしていることは疑いようもないが、改めて彼女の出会っている難題の深刻さ、それに出会わざるを得ぬ才能故の淋しさにも深い共感を覚える。
     同時にななしにとっての聖杯が、元カノのくれたマグカップであること、彼女も彼と別れたことがトラウマとなって過食嘔吐を繰り返している。そんな優しい彼女が、ななしの居るべき場所だというのは、とても素敵!
  • 満足度★★★★

    僕の居場所
    劇場に入るとネットカフェのセット。そしてこのタイトル。あおきりみかんさん初めての私は、暗い話なのかなとちょっと不安になったのでしたがまさかの展開。妄想か夢かもしれないけれど、お母さんの想いが見せてくれた世界なのだと思いました。でも「説明」はないんじゃないかと・・・。
    主人公がこういう特殊な生育歴じゃなくても、ほかのブロガーのようにやはり居場所を探すのかな?なんで居場所にこだわるの?私がいるところが私の居場所だと思っています。
    鹿目さんはあの「おそ松さん on STAGE」の脚本も書いたそうなので、機会があったら見てみたいです。

  • 満足度

    何を伝えたかったのか?
    序盤は良かったのだが、徐々に退屈な展開になっていき眠気が襲ってきた。
    一生懸命やっているのは伝わるが、空回りばかりでおかしなことに・・。

  • 満足度

    はっきり言うと、つまらない
    出演者の演技力はまずまずか…(上手くはないが)。それより脚本・演出のレベルが低い。何がいいたい?または客を笑わしたい?感動も笑いも出なかった。手が込んでいたのは大道具だけ…大道具へのエネルギーを他に回したら…?

  • 満足度★★★★

    10月初観劇・・特に意味はないが。
    今年も余すところむにゃむにゃ。「居場所」という、味の消えたガムのようなテーマで、しかしありきたりな芝居は作らない事の期待で、三度目のあおきりみかん観劇。前回アゴラ劇場の狭い空間で難渋していた事を思い出した。舞台いっぱいの装置、色々盛り込んで装置も活用して、道具を出したり引っ込めたり、引っ掛けてバスっと音がしたり・・もあったが目立たない程度であった。この装置に人一人の重量を委ねるシーンにはとにかく冷や冷やした。もっとも、ドテッと落ちたとしても、ギャグに回収する技はありそうだが。
    一劇団としては役者のレベルも結構高いのでは。鹿目戯曲は一応テーマ性、感動らしきものが用意されているが、どこまで本気かも微妙な、「お芝居」と割り切った眼差しを感じなくもない風合いがある(というか、8割方笑い)。この「笑」と「テーマ性」を両立させる役者の技術、また風貌の力を、感じさせる舞台だった。ラストに向けた「謎解き」は、それこそ「所詮お芝居」の醒めた眼差しで、さらりと流してもらっていい気もした。そこまで整合性を求めてない、というか。。 

  • 満足度★★★★★

    【登澤の回】観劇
    観劇で、途中、今年一番ワクワクしたかも。

    ネタバレBOX

    ネットカフェの壁の先のインディジョーンズ。子供の頃に親に捨てられ、施設でも大事なぬいぐるみを隠され人間不信になった青年が、ネットカフェで各自の居場所について書かれたいくつかのブログを見ているうちに聖杯を発掘する作業の世界に入り込み、最後自分にとっての聖杯を見つけ出し立ち直っていく話。

    会社の金を横領する男が登場したときに発想力の豊かさを認識し、暗転後インディジョーンズの世界が広がったときにはアッと驚き、落ちそうになりながら壁をよじ登り移動するときは本当にワクワクしました。素晴らしかったです。

    結局は妄想の世界、夢オチ的なところは少し残念、みんなが青年にメッセージを述べるのは少し抹香臭く感じました。そこまで丁寧に種明かししなくても、そこまで丁寧な大団円にしなくても良かったのではと思いました。

    次回作はダイハードだとか。本当だとすると次回の驚きが半減します。これも別に言わなくてもいいのではと思いました。

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