満足度★★★★★
「ハワイユー」おわりの日
贅沢貧乏「ハワイユー」おわりの日でした。
ラストシーン、佐久間麻由さん演じるルリさんを追いかた大竹このみさん演じる田井さん。
この物語をずっと観てくると、その気持ちが痛いほど分かるし、ルリさんを見ていると、ひょっこり帰ってくるんじゃないか、とも期待してしまう。
でも、一番風呂を若者と争ったがゆえに転んで亡くなってしまったハラダさんがの事故のせいで客足が遠のき、もしかしたらハワイ湯~が廃業してしまうかも、もうふたりは会えないかも、という絶望感にも苛まれてしまった。
「ハワイユー」おわりの日のおわりは、そんな想いが駆けめぐった。
☆公演全て終了してますので、ネタバレ含めて、こちらで公開してます。
満足度★★★★★
無題1848(16-138)
20:00集合の回(曇)
西大島駅前(A4出口)に集合した8名は先導者に従い夜道を進む。5月の昼間に観に来ていますが、夜となると目印の確認が難しい。前回のようにややこしいところを通るのかと思っていたのですが、普通の道を通り現地アパート前、ここで前説、住人が現れ(個人的に)前回の疑問解消。
急な階段を上がり右の201へ(正面の202は来月)、ガラス戸は開かれ、テーブルにニンジンと調味料。お客さんは壁沿いに着席。
20:25開演~21:38終演。
昼と夜。晴れと曇り。賑やかな戸外と静まり返る小道。日によって違う表情をみせる部屋。灯りが消された部屋にはすぐに寂しさが溢れる。
笑いのない「粗大ゴミのような人生」が窓から吹き込む。婚約を繰り返す。目と鼻の先にある実家から離れる。
お互いの不安な気持ちを共有することができない、近づきたいのにそうすることができない不器用な二人。
ここに残るかここから去るか。
玄関付近の会話ですと居間のお客さんには見えませんが、なりきった演技がずっと続いています。階段を駆け下り、外に出てもお客さんはその情景を思い浮かべることができるのでした。
終演後、おふたりと少しお話し。大竹さんはずっと日芸だと思っていましたが桜美林とのこと(調べると無隣館のHPにありましたね)。
満足度★★★★★
溶け合ったふたつの世界
あの女優のつぶやきは何人の耳に届いたの?あの匂いは他の人には感じられたの?ちゃぶ台の上の虫?をティッシュで取ったのは台本なの?それとも開けはなれた窓から偶然飛び込んできたの?あれは何人の目に見えたの?
雨が降ってきたらどうするの?外を通るクルマが電柱にぶつかったらどうするの?ドキドキしながらふたりの生活を見守る。干渉したら彼女たちの世界が変化してしまいそうで、少し緊張してふたりを見守る。そんなに無理しないでいいんだよと思いながら。
最新のVRヘッドセットを付けてCGの世界を覗いてみても、この感覚は味わえないだろう。時間と空間とリアルな感覚が新たな感情を呼び起こす。歩いていたあの時に、家に入る前のあの時に、すでにふたつの世界が溶け合っていたことに、後から気が付く。演劇にまだこんな可能性があったなんて。
佐久間麻由さんの美しさに引き寄せられる。
大竹このみさんの演技に引き寄せられる。
あの空間で演技できるふたりに感心する。
なんとも緊張する、不思議な、優しい、せつない、特別な空間に入れてもらった奇跡に感謝します。ぜひ続けてくれますように!
あぁ、語ることが多すぎる。
山田由梨恐るべし。
満足度★★★★★
無題1826(16-116)
16:00の回(晴)
15:00西大島駅着、ぐるっと周辺を歩いてみる、帰りは亀戸駅からにする。
16:00集合。出口で待っているとスタッフの方(男性)が現れ(一見、何かの勧誘、という風情)、名前を伝えます(当日精算の方はこの時に?)。
みなさん(7名)集まり、会場へ...15分ほど歩くのですがなんだか意図的に分かり難い道を選んでいるような気もするのです。なのに、なんと帰りは各自でとの冷たいお達し、道を覚えながら集団登校のように進む。
「家」の前に着くと諸注意。2階が会場で座って観劇、注意メモも渡され、座布団が用意されているので好きな席に折り紙を置いて確保、荷物は押入れにと。
「贅沢貧乏」は前回の「みんなよるがこわい(2015/11@三鷹北口)」が初めてで2回目。
2部屋(擦り切れた畳)、小さなキッチン、風呂なし(なのでハワイユーで)、生活感200%の空間。周辺の音、声が聴こえる。
いろいろなものが置いてあり、干してあり、吊ってあり、貼ってある、襖は凹んでいる。
「3分間クッキング」かな?
電話の呼び出し音で始まり、終わる。
観客は壁際に座り二人は目の前を通り、座り、横になる。
衣装も替わる。
正反対のキャラクターのちょっと哀しく、愛らしく、たどたどしいながら切ない会話。
360°から観られながら、瞬き、指先のぎこちなさ、表情のこわばり、不安や気遣い、胸いっぱいの想いや酢の香りが直接伝わってくる「アパート」の一室。
なんだかんだで17:50頃終演。物販あり(dvd欲しい…)。
やはりほんものの「家」はいいもんだと思いました。
「ゲッコーパレード」のほとんど内装を剥がした家(蕨)、「元カノを誤訳」のお洒落な吉祥寺YORU や古民家ですと、ゆうど、しあん、gallery園。他にもルーサイトギャラリー、市田邸、旧安田楠雄邸、島薗邸。
開演、終演のタイミングはどうやって計っているのだろう、TV下の機材か…そして最大の謎は、会場へ行く途中のできごと...これも演出なんでしょうか。
山田さんは「うつくしい革命(2012/8@「劇」)、」「墓場、女子高生(2015/7@イースト)」なのですが、やはり「みちていく@ユーロスペース」から前作を観てですね。立教映身出身の方は何人か観ていて、劇団主宰(ttu)、ダンサーの方たち。今日はこのあと@大山での伊藤麻希さんのダンス公演、先週はダンス01で内山茜さん、一番多いのは勅使川原さんの公演で加藤梨花さん。
大竹さんは「ラフレシア(2013/1@明石)」..白昼夢の他の作品、「童貞キューピッド(2014/1@王子)」「Parting(2014/@セッションハウス)」。佐久間さんも何作か観ていて「映画:名前のない女たち(2010/9)」山田さんとは別の「墓場、女子高生(2012/3@高円寺)」「ドブ、ギワギワの女たち(2013/3@AiiA)」「非劇 Higeki(2015/11@吉祥寺)」等々。
また6月に。
満足度★★★★★
お帰り & ようこそ!
扉を開けアパートに踏み入れた瞬間、あの”家”の雰囲気を感じた。やっぱり贅沢貧乏にかかると、ちゃんと家になるんだなあ、と感じながら、新しい空間ヘ…
とあるアパートの一室。
2人しか居ないのに、いや2人だからこそ、お互い相容れないのかもしれないけど、わたし周り見て精一杯走ってるんだよっ!、っていう気持ちは繋がったんじゃないかな?
そんなファーストインプレッション。