僕が、明日その先へ辿り着くためのレジスタンス 公演情報 僕が、明日その先へ辿り着くためのレジスタンス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    ブラボー 花5つ星
     生きる権利。

    ネタバレBOX

     日本では余り聞かないが、“スコッター”だのSDF(sans domicile fixe)と称される人々がヨーロッパには多い。自分の知っている限り白人であった。自分が良く知るのは1994~95年頃の大陸ヨーロッパであるから現状は定かではない。が、スコッターとは廃屋や廃ビルに勝手に住みつき其処を根城に生活する人々のことで、法律上は不法占拠者ということになる。貧しく不特定多数が共同生活をしているということがあって周辺住民が不安視しやすいのでクレームが寄せられたりすると役所も放っておくことはできないから強制退去させられることもあり、小競り合いは見掛けた。ヨーロッパ人の場合は、生存権の概念も強いから、スコッター達も排除の論理に対する生存権ということでぶつかり合うので、スコッターを支援する者もあり、排除する側も余り大事にはしないようである。それでも邪魔者扱いされることに違いはなく、彼らの使う言葉は、どうしても反社会層が用いるスラングが多用されるのも事実だ。外国語をある程度キチンと学ぶと悪口表現が多いことに驚かされるが、あそういう言葉も含めて罵りのバリエーションには目を見張る。人間は、言葉で思考する動物であるから、その考え方、社会での在り様、生活形態などが、その言葉を用いる人の表現に反映されやすいことは、言葉に敏感である程の知性を持つ者なら気付いているハズである。
    優れた詩人が何故に尊敬されるべきであり、文学表現の最高形態とされるのかは、これらの事情があるからであろう。因みにSDFは住所不定者であり、時にスコッターとも重なり合うが、必ずしもスコッターと言う訳ではない。ヨーロッパに多い大道芸人等もアパートを借りるほどの金は無くても、季節やイベント開催の時期に合わせて移動し、各地で大道芸を披露する人々の中にもSDFは居る。要は住所が固定していない人々全般を指す言葉だ。閑話休題。
     今作は、かつて賑わった街の小劇場が使われなくなって、そこに住みついたスコッター達と、周辺住民からのクレーム処理の為に管理人となった人物の交流を描いて、日本人には権利意識の薄い生存権の問題を提起した作品である。シナリオの素晴らしさ、力のある「役者陣の演技の素晴らしさ。過不足なくバランスのとれた演出。何れも素晴らしい。今から再演が望まれる。

  • 満足度★★★

    考えさせられる
    廃虚に集う人達と、廃虚の管理者、排除しようとする社会のストーリーでしたが、同感出来る部分と出来ない部分もあり、考えさせられました。皆それぞれの事情を抱えていて、自分の居場所を求めている・・それは感じましたが、廃虚に住む事が許されるという理由にはならない気もしました。役者さん達の熱演もあり、見応えがあり、社会について考えさせられる舞台でした。

  • 満足度★★★★

    レジスタンス
    等身大の世界を芝居を肌で感じました・・・

    ネタバレBOX

    スコッターを題材にしながらも、現代への問題提起をしているように受け止めました。微妙な心の中が、しみじみと胸に沁みました・・・

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