兄弟の都市 公演情報 兄弟の都市」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    かなりアイロニカルなブラックコメディー
     表向きは友好関係而してその実態は、利害と打算、政治と私有化。

    ネタバレBOX

     姉妹都市提携を巡り、貧しい側は一種の人質として豊かな側に娘を差し出す。後年、両姉妹都市の貧富は逆転。だが、貧しかった町が新たに富を蓄えることになった野菜には、中毒症状があり、その故に金と同じほど高価であるにも関わらず売れたのである。同時にこのことを告発すべく動く人間は、当然のことながら故なき罪に陥れられ、殺害、収監などの目に合う。
     同時に異国の地で暮らさざるを得なくなった者たちの孤独と孤立無援による心的危機は、行った先の国に馴染むことによって克服されると同時に生来のものではない他者性を自らのうちに孕む者としては、他者性としての異国と生来の故郷を継ぐ者として我が子のみを同類とすることで狂わずに日常を送ることができる。
     様々な政治的手管や、弾圧を含めた権力サイドの横暴に対し、親子の情や、異世界を内包するが故に架け橋となることのできる可能性を積極的に背負ってゆこうとする若者の姿を描いて、中々読み込めるのだが、惜しむらくは、各パートの連携がイマイチ。必然性が弱いのである。ブラックコメディーという形で描かれる今作、しょっぱなの下らないギャグは不必要だろう。それよりもっとスパイスを効かして辛辣であってよい。また尺は15分くらい縮め2時間ほどでよかろう。
  • 満足度★★★★

    観応え十分
    兄弟都市という友好都市提携というハッピーイメージではない。どちらかと言えばブラック・コメディという印象である。何よりも都市という名があるが、その根幹には人間の有り様が描かれる。国(行政)益と個人(家族)の思惑がいつの間にか融合し、立体的な物語として展開する。そのさりげない交錯(耕作)劇は、演出こそコメディタッチであるが、多くの示唆を含んだ社会派ドラマのようである。

    ネタバレBOX

    セットは、上手に段差のある舞台...別場所(国)を表わしているようだ。特徴的なのは、ピクトグラムのような絵文字・絵単語と呼ばれるパネルが掲示され、さながらユニバーサルデザインの様相を示す。そこに兄弟都市という国際互恵が感じられる巧みさ。

    梗概は、輝かしい未来のため、某密約を伴って互いを「兄弟」と認め合った2つの都市。 時は流れ現代日本が舞台。 一人の少女と一人の青年の交換留学をきっかけに 兄弟都市提携に亀裂が生じる!もっとも都市提携ではなく、企業提携といった商業ベースの話のようでもあった。

    この芝居では二国間という設定...タンバヤマ市(日本)とアノコク市(途上国)であり、タンバヤマ市の支援と、一方アノコク市の農産物(似ブロッコリー生産)耕作が、いつの間にか発展と途上国の立場が逆転していく。そしてこの両国を擬人化した男女カップル(国際結婚)の話へ摩り替わっていく。この夫婦(妻が途上国の人のようだ)の生活・歴史・文化感を通して、人間本質が炙り出されるようだ。二人の間に出来た子は混血児。妻は母国語を忘れ、今生活している国の文化(例えば「言葉」)に同化していく。なぜ自分が生まれた国の言葉を子供に教えない?どちらの言葉で話させるのか?を意地悪に問う。アイデンティティはどうか。それらは子供による選択であるという。偏狭な信仰、考え方に対する痛烈な回答であろう。歴史や文化の異なる人々がどのように感じ、考え、行動しているか。国家は人の集合体。その最小の構成単位は家族かもしれない。その漠然とした器である国家を個という人の内側から生き生きと描いた芝居だと思う。

    演技は、役者陣が登場人物のキャラクターを魅力的に体現するが、演出としては、どこにでも居るような典型的な人間像を描いている。
    少し気になるのが、物語全体の流れ。場面毎は、含蓄ある台詞もあり観応えがあるが、全体を貫く主張したいことが分かり難くなった。場面が張り合わせのようで、メリハリが感じられないような…。人間というミクロの視点は面白いが、都市(国)というダイナミックなマクロ視点が暈けたように感じた。

    次回公演を楽しみにしております。

  • 満足度★★★★

    ブロッカリどうぞー
    楽しいキャラたちの魅力で充分面白かった。彼らが一層躍動する土台として、姉妹(兄弟?)「都市」の制度や立場の飛躍にいまひとつの裏付け、'正当性'があればと思う。その部分の発想や設計に期待していたところではあったが、面々のシャイニング!ぶりが'収穫'だった。

  • 満足度★★★★

    なかなかブラックなコメディ
    モンティーパイソンを彷彿させるナンセンスなギャグの連投。しかも、結構ブラックなのが多い。相手国の内紛や密約など、国際社会の気味の悪い裏事情などもストーリーに織り込み、背筋がぶるぶるっとなる瞬間もあった。

  • 満足度★★★★

    そういや なんで”姉妹”都市なんでしょね(^^)
    結構な雑味があるも
    何とも言えない”パワー”で押し切った感のある
    ヘビー(かな?)コメディでしたかな

    結構好みだなぁ♪こ~ゆ~のはって思えた2時間15分の作品!
    こんだけの長丁場ながら
    飽きさせず眠気も全くおきなかったですよ(^。^)

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