ピース-短編集のような・・・・・ 公演情報 ピース-短編集のような・・・・・」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    素敵です。が。
    オムニバス形式が生かされる構成で、登場人物たちがどうなっていくのか、かなり前のめりに入り込みました。でもなんか尻すぼみな印象も。
    よくよく考えるとものすごくどろどろした話なのにあっさりと上品な後味。

    ネタバレBOX

    私が好きだったのが一つ目のエピソードだったからでしょうか。2組の夫婦の関係に、静かだけどものすごい感情の高ぶりがびんびんと感じられ、泣きそうになりました。その人たちの行方が後半見られると期待してたら、あっさりと他の人物の影になり流れていってしまったので、あれ、って感じ。

    ま、その関係だけどじっくり描いちゃったらたぶん飽きてしまうし、最初に感じたほどのインパクトはなくなってしまうんでしょうけどね。

    パルコに書き下ろしたエピソードは設定が素敵。そこにいない人を思って2人がやりとりするっていうのはわくわくしました。だけど盛り上がりに欠けたまま次に移っちゃったようにも。。。
  • 満足度★★★★

    うわ‥ おもしろい
    このあいだ熱帯倶楽部の「旧歌」を観に行ったので
    グリングオリジナルが観たくなって行きました!

    新旧脚本のショートストーリー、という組み立てですが
    マルチアングルの一本のお芝居を観ているような感じ。
    逆に広がりを感じられてかなり楽しめました!

    過去作品、観たくなったー

  • 満足度★★

    印象が薄い…
    オムニバスって呼ばれる形式の劇は初めてでした。
    性に合わないのか、全体的にどうも盛り上がり欠けて印象が薄かった。。。

    ネタバレBOX

    短編としては何となくちぐはぐで、
    長編としては何となく最後まで平坦で集約も発露もない。
    そんな風に感じた。

    小分けしていても全体的に雰囲気が同じで、別の物を見ているという印象が沸かず。
    なんというか、各編の違和感を感じた部分を思い浮かべるにつけ、無理矢理各編を繋げるエピソードがそれぞれの完成度を下げていたんじゃないかと、思える。

    どんなに言葉を尽くそうと、あんな世界に産み落とされる子供が不憫でならない。。。
  • 短編の難しさを
    短編というのは本当に難しい。今回も各シーン15分程度であるから、始まった瞬間に、空気を作り、見た瞬間に状況が分かり、クライマックスが始まるからだ。
     
    続きは http://palove.blog.shinobi.jp/

  • 満足度★★★★

    良い仕上がりです
    ピースとは、短編(欠片?)というイミと平和のイミが重なってるようです。

    全5章から成っていて、それぞれは短編というのか、区切りが付けられており、それでいて登場人物も設定もおのおのリンクして、それぞれのシーンをみせている。

    過去にグリング以外のために書いた本も挟まっていて、そこはちょっと異空な感じを受けるが、ま、それも当日パンフを読んで知っていたからか。

  • 満足度★★★★

    背中と足跡
    現代に対する反面教師的な存在に感じました。
    こういうこと、やっちゃいけないよ、と。
    こういう人間にはならないでくれ、と。

    舞台構成的に斬新さや目新しい演出というのはありません。
    ただ、それだからこそか、メッセージ性が強く感じられました。

    なかなか良質な演劇です。
    初心者の方を連れてくるには非常に良いんじゃないでしょうか。

  • 満足度★★★

    透徹する、負に負ける
    連作短編は、多様な立場にある人の、様々な面を浮かび上がらせる。人々をつなぎ止めているのは、連作を貫く、強烈な、現代社会への問題意識だ。旧作2本、新作4本からなる6本の短編は、それぞれが、問題提起と、その回答を、提示する。

    扱われている問題の設定が、とても鋭い、と思った。非常に強い、危機意識を、感じさせる。とはいえ、舞台は、バランスが考えられていて、非常に重いものを含みながらも、なんとか、明るく、軽やかな方へと、向かおうとする。

    これを、どう見るか。僕には、問題意識が強すぎて、鋭すぎて、もう、オムニバスという形式では、背負いきれていないように、思えた。全体的に、意識的に作り出された、明るさ、軽さが、かえって浮いてしまい、全体を貫くテーマの抱える重さを、より、浮き彫りにしてしまっている、と、感じた。

    ネタバレBOX

    「世界は、確実に、悪くなって行っている」という独白が、出てくる。この作品で、短編たちをつなぐのは、このような「負」の意識だ。連鎖、というほど緊密なものではないけれど、玉突き事故のように、なんとなく、ネガティブなつながりで、それぞれの短編が、繋がっている。

    「負」の問題意識の中で、最も先鋭的に扱われているのは、様々な形の、暴力の問題だ。冒頭、喫煙所に排除された人々の会話。タスポがなくて、タバコを買いにいっても、買えない。禁煙の流れが持つ、喫煙者への暴力の被害者たちが、今度は、原子力潜水艦の入港に反対する運動を行う側になる。

    劇場は、下北沢再開発反対運動の中心地、ザ・スズナリ。舞台上で行われている、運動の、排除する側とされる側が、常に一人の人の中に同時に存在する構図が、運動のビラを見ながら劇場の入り口をくぐった僕ら、舞台の外まで、取り込む。

    この問題意識は、作品の中で、蝶と蛾を区別し、無根拠に、一方を排除するという暴力として、繰り返し提示され続けることになる。

    僕は、この冒頭に、やられた。鮮やかだ、と思った。そして、はっきりと提示された問題設定に、どのように取り組む作品なのか、息をのんだ。

    作品中の人々は、みな、自分の立場が危うくなって、排除される側に回ろうとしている人たち。そして、彼らの出す回答のうちのいくつかは、自分が、排除される前に、排除する側に回るという、救いのないものだ。だが、このような回答に対する、さらなる反論として、エピローグが提示するビジョンは、あまりにも、無力だと、思う。

    物語は、自分の世界を捨てて逃げ出そうとした男たちの断念と、夫の自殺を乗り越えた女性の、生まれてくる新しい命を、決して人を、殺さない、殺されない命に育てよう、という、決意、のようなもので、幕を閉じる。彼女の、のめりこんでいた「反対運動」に対する、「どうでもよくなっちゃいました」という言葉は、印象に残る。

    でも、この彼女の決意は、積み重ねられた負の連作に対する反論としては、あまりにも弱い。結局、自身を支えるのは、自身の「決断」「意志」であり、「確実に悪くなっていく世の中」を、自身の意志で乗り切ろう、という、なんだか、精神論的な回答に、僕は、がっかりした。そして、せめてそれなら、彼女の心の変遷を、もっとじっくり、長編として描いてくれたら、と、思った。

    男たちの、逃避への断念も、彼らではなくて、状況が引き起こした断念であって、結局かれらは、日々の生活へ、嫌々ながらに、引き返すだけだ。そこには、「回答」と呼べるようなものは、ない。

    重い作品を、必死で軽めようと、笑いが挿入される。不自然ではないけれど、笑いを取るのは、いつも、物語の本質とは関係のない、いわば、笑い専門に用意されたような人物たち。作品が、自分の用意した自身の「負」の重さに負けている。自分で用意した問題に、答えることができずに、自身の重さで、つぶれてしまっている。そして、せっかくの短編集が、透徹したテーマによって、一つに回収されてしまっている、と、思った。
  • 満足度★★★★

    いろとりどり
    いろいろな演劇をみて、それぞれ良い、本当に演劇の良さはどこにあるのかってまだまだ発展途上なとこだっ(あ、日本が遅れてるだけか)っておもうのですが、
    グリングを見ると「やっぱり会話劇だっ!好きだ!!!」と、いつも思います。
    偉大な先輩方。

    ネタバレBOX

    ゆるく繋がるいくつかの物語。
    蛾のリンプンは日々、皮膚の上にうっすらと降りかかる毒のような、澱のようなものを感じさせて、なんだか厭ましい感じを抱いて観ていたのですが、
    ああ、受け入れて、リンプンはつけちゃぁ拭いて、生きていくのよねーって
    最後に思わせてくれて、荻原さんの身体にうっすら付いているのであろうリンプンが例えば、原子力みたく、人間として生きていくからには受け入れざるを得ない厄介、みたいなものになりました。
    その微妙な違いは、でも、とても胸つかまれるニュアンスなのでした。

    と、いいつつも、個人的にはいつものようにどっしり構えた1篇の方が好き。
  • 満足度★★★★

    青木さんの新境地?それとも・・・
    客演陣のセレクトが秀逸。青木さんのキャスティングのセンスも光る。星野さん、最高。団員も個性を発揮し、役者さん皆が光っていました。杉山さんの静かな狂気、怖かった。
    今回に限らないのですが、最近、舞台の喫煙シーンが多いのがやけに気になります。
    笑って、息をのんで、やがて感動がしみ入る舞台でした。

    ネタバレBOX

    珍しく最後にはメッセージ的せりふも。スピーディなグリングの舞台にいささかそぐわない幕間の荻原さんにもどかしさを感じていたが、最後にそれは感動となって身に迫ってきました。折からの無差別殺人など、幸か不幸かタイムリーなメッセージでもあった。「ピース」ー。副題が「短編集のような」なので、pieceの意味かと思って観ていると、それはやがてpeaceにもつながるのでした。
  • 満足度★★★★★

    オムニバスならではの面白さ
    「短編集のような…」とはどういうことかと思ったら、ある場面の脇役が次の場面のメインになるような感じで進むオムニバス形式の舞台。

    笑える場面からドキっとする場面、ウフフな場面、ホロっとする場面など色とりどりで満足です。

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