満足度★
出演者多数
主役のアベルは安定感があり、初見ながら男惚れする高くぶれない演技力を感じられた。舞台装置もだいぶ予算が掛かっているのであろう事が予測された。ただこれだけ高身長の役者が多いと二回屋は大変であろうなと思う。窮屈な感じがしたので、舞台奥への出入り口のもっと前から段差を作ってあげて下げた方が良かったのでは。
話は難解である。
満足度★★
劇場の選択が・・・
舞台床上から階段上(二階)まで、上下いっぱいに使った芝居なので、座席によっては、というか、最前列以外はほぼ見えないシーンが多く、舞台に集中できなかった。
難解な芝居だけに、集中できないというのはキビシかったですね。
“Geki地下”とか“KASSAI”とかだったらよかったかも・・・。
満足度★★★
難解でした
ストーリーが哲学的(?)な感じで、私には難解でした。テーマとしては分かる気もするのですが、ストーリー自体は、よく理解出来ませんでした。役者さん達の熱演、衣装や照明などで、不思議な雰囲気が出ていて良かったのですが、もっと分かり易いと良かったです。
満足度★★★★
人間とは複雑で厄介なのもだ
タイトルに興味を持ち、招待に応募した所当選したので21日午後に出かけてきた。
この作品の粗筋は難しい。パンフレットの掲載されている粗筋だと、
2つに分かたれた世界。その片側でエレンは目覚めた。
見覚えの無い場所に狼狽する彼女に対し、傍らに立っていた見知らぬ男・アベルが告げる。「ここは異界です、お嬢様」
しかし居合わせた姉妹は、ここは夢だ、現実だ、と口々に違うことを言う。動転するエレンをよそに、あちらこちらに次々と現れる人々。その中に誰一人彼女の知る顔は無い。
互いの世界について分かっていることは、姿は見えるし会話も出来るが触れられないということ、人々は相容れない価値観を持っていること。それだけにも関わらず、みんな世界の在り様を疑うことなく、異世界の人々と時に言い争いをしたりしながら、曲がりなりにも平和を保っていた。しかし或る時、いつの間にか接触が可能になっていたことが発覚する。
人々は喜ぶが、アベルが発した、「異なる空間の融合は不可能であり、どちらかの世界が消える筈だ」という言葉を境に、軽い口喧嘩だったものは熾烈な論戦へと変わり、諍いは激化していくーー。
現実は、夢とは何か。今と過去と未来とは何か。人の表と裏は何か。そんな謎を秘め、一人ひとりの人間の本性は細分化二分化されて2つの世界で行きている。それぞれの世界の人間は、もう一つの世界の誰が別の自分なのかわからない。そこに決して死なない(というか死ねない)王として存在するアベル。そして意味もわからず対極の世界の王としてこの世界に引き込まれたエレン。観客に、人間の本性とは何か、死とは何か、生とは何かを問い対峙するような舞台に、自ずと観るものの神経は研ぎ澄まされていく。
と、ここまで書いて、さて、この舞台で一体我々に何を言わんとしているのか。舞台内容とタイトルとはどんな関わりがあるのかがちょっと分かりにくいというかきちんと提示できていないのではないかという想いが心の片隅に生まれている。いや、観ている最中からその疑問は沸き起こり解決されていない。しかし、不思議なもので観終わった時、難解な舞台という思いはなく、何かがわかったような気になる。
それにしても、エレンのハイテンションには参った。人間、本当に不可解な事に出会った時ほどテンションは肺にはならずもっと暗く静かなものになると思う。そこに人間の本誌地の不気味さ、理論的に無解決なことへの恐怖というものを表すことが出来るのではないかと思う。
こういう題材を扱うには、もっと人間の対する深い洞察とセリフの厳密な選択が不可欠である。
無意識に観客を舞台に引き込んでいく力は、演出と役者の力量だろう。ある意味、面白い舞台を観させて貰った。