今週開催!!現代劇作家シリーズ6:ベケット『芝居』フェスティバル
今週開催!!現代劇作家シリーズ6:ベケット『芝居』フェスティバル
実演鑑賞
d-倉庫(東京都)
2016/04/27 (水) ~ 2016/04/28 (木) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://www.rakuenoh.tokyo/
期間 | 2016/04/27 (水) ~ 2016/04/28 (木) |
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劇場 | d-倉庫 |
出演 | 杉村誠子、吉田奈央、政井卓実 |
脚本 | サミュエル・ベケット |
演出 | 長堀博士 |
料金(1枚あたり) |
2,200円 ~ 12,000円 【発売日】2016/03/01 ◆ 予約2500円 当日2800円 学生2200円 学生当日2500円 ◆ フェスティバル通し券5800円 学生5000円 ※通し券はd-倉庫のみで販売。現代劇作家シリーズ6:ベケット『芝居』フェスティバルすべての公演をご覧いただけます。 ※学生券は要学生証。 ◆ 楽園王25周年年間パスポート(回数券方式)12000円 ※劇団でのみ販売。 ※2016年に上演されるすべての楽園王公演をご覧いただけます。(8枚つづりの回数券) |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | ㋃27日(水)19:00 ㋃28日(木)14:00 ㋃28日(木)19:00 |
説明 | 今週開催!!素晴らしい作品が出来たので是非観てもらいたいなぁと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ベケット『芝居』、本番が今週となりました。この公演、「現代劇作家シリーズ」という企画の中での公演で、ですので、いま一度、楽園王、今までの「現代劇作家シリーズ」での公演を振り返ってみます。時期は毎回GWで…、 最初の参加は2012年、まだ神楽坂ディプラッツが会場で閉館直前時期、イヨネスコ『授業』フェスが開催されました。イヨネスコの『授業』は、長堀が「利賀演出家コンクール」で優秀演出家賞を受賞した作品。レパートリーとしてコンスタントに上演している作品であった為、参加へ。来週公演の『芝居』にも出演する杉村誠子さんが、初演からずっと出演していた作品。不条理劇の実際には存在し得ないような不条理を、現実に存在する不条理…、戦場の不条理に重ねた演出。長堀博士の代表作と呼べる作品です。 その翌年、2013年がアラバール『戦場のピクニック』フェス、会場がこの時から日暮里d-倉庫になる。『芝居』にも出演する政井卓実君が出演。タイトル通り、夫婦が戦場にいる息子に会いにピクニックにやってくる話。長堀演出と不条理劇との相性はいいと思う。それは、長堀演出の特徴的なデフォルメが、すでに誇張されて描かれる不条理劇の世界観に合うからだと考えます。 2014年、寺山修司『青森県のせむし男』フェス、日暮里d-倉庫。寺山作品を手掛けるのはちゃんとした公演では『青ひげ』『九州鈴慕』に続いてこれが三度目。単にその戯曲を上演するのではなく、その作家を上演するのだと強く思った公演。長堀作品に時々ある、歌い踊る作風はこの時から始まったと言えます。やはり政井君も出演。 2015年はサルトル『出口なし』フェス。こちらには来週の『芝居』に出演する吉田奈央さんが出演。ハッキリ言って『出口なし』と『芝居』はすごく似ています。不条理劇、三人芝居(正確には出口なしは四人だけど、1人は少しだけ)、舞台は死後の世界で、三人は男1名女2名、その三人のやり取りにも似通ったところがある…、けど、もちろんぜんぜん違う作品です。作家の哲学に話が及ぶと長くなるので飛ばしますが、『出口なし』は、『授業』や『戦場のピクニック』がコミカルと呼んでいいなら、同質のコミカルさが漂う作品。漫画のような、と僕は思う。地獄、だろうような場所で初めて会った三人が、他人とずっと居なきゃいけないことが本物の地獄と気付くまで、どろ試合を繰り返す… そして来週、ベケット『芝居』フェス、つまり5年連続の参加公演となりました。『芝居』…、上記した『出口なし』とのその差の、一番大きなところを上げるなら、ト書、に尽きると思う。『芝居』のト書のボリューム。指示/指定/注文の多さ。稽古初日、役者の一人が、このト書の多さに、作者はきっとキチガイに違いないと感想を語った、それくらいのレベル。コミカルでもないし、特に後半に行くほど難解、だけど、…ただ、ストーリーとしては、今年に入り、マスコミを賑わしている流行りのアレを想像させる、あの、ゲスとかベッキーとか文枝師匠とかイクメン議員さんとか乙武くんとかの、例の、…その流れにあり、偶然とは言え、大変今年に上演するのに相応しい内容に… その騒動に、このフェスが終止符を打つのではないかと、実はずっと思っています。 上記しましたが、不条理劇と長堀演出の相性、やはり良いのだな、と感じています。今回は、踊らないのに「ダンスのよう」とか、歌わないのに 「音楽のよう」とか、今まで稽古を見た仲間からは評していただいています。ぶっちゃけ、これだけ面白く出来たので、なるべく多くの方に目撃してもらい、感動していただけたら嬉しく思います。どうか是非よろしくお願いいたします。まだまだチケット残っています。ほんと、騙されたと思って。 楽園王 長堀 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 演出上のト書き 当日配られるパンフレットと内容が被らないように、ちょっと『芝居』の案内を書いてみました。演出上のト書き、として。このベケット『芝居』という芝居は、戯曲の中でも特にト書きが重要な作品です。ト書きが重要な作品です、と書いてあったわけではありませんが、読んでそう受け取りました。多くの人がそう思うでしょう。台詞の量と比較して、これほどト書きが多いことがそれを証明していると思います。ですので、ト書き、それを大切に考えた演出作にしようと考えました。時にはト書きを全部消して、台詞だけにしてから役者に渡して稽古を開始する演出家としては、だから珍しい選択かも知れません。 さて、しかし、参加するフェスティバル上の都合もあります。2カンパニーが短い転換時間で連続で上演しなくてはならない。実は、仲の良い仲間の劇団で、札幌の風蝕異人街の演出家の、こしばさんから、芝居を上演する為の素晴らしい「壺」がアトリエにあるのだが、郵送では送れないほど大きいので、トラックで取りに来て、と提案していただいたのだが、、実物も見まして、はあ確かに素晴らしい「壺」ですね、だったのだが、郵送出来ないほど大きいそれを、しかも三つも!、短い転換時間で滞りなく舞台に出し入れはかなり難しそうで、苦渋の選択でしたが「壺」は諦めました。また、フェスティバルのスタッフさんには、普段の劇団としての本番とは違い、稽古に来てもらうのではなく、公演の一日前に劇場で初めて会って、短い時間のやり取りで本番を迎えねばなりませんが、果たしてその時間で、台本に書かれている「あの指示」を実現するのは可能なのだろうか? いや可能かも知れないのですが、その問題にも頭を悩ませました。…と書きますと、八方塞がりで追い詰められているイメージを抱かれるかも知れませんが、実は稽古初日にアイデアが湧き、二回目の稽古には、上演される、この方向で行きます!というベースになる稽古を始めたのでした。基本、ポジティブシンキングなんです、はい。 長々とすみません、実はお願いがありまして、そのような思惑と経緯にて、お越しいただけるお客様には大変申し訳ありませんが、お客様一人一人に想像力を最大限に発揮していただきまして、それにてベケット『芝居』の上演を実現したいと舞台化しております。繰り返しになりますが、このベケット『芝居』という芝居、戯曲の中でも特にト書きが重要な作品です。ト書きが重要な作品です、と書いてあったわけではありませんが、読んでそう受け取りました。台詞の量と比較して、これほどト書きが多いことが、それを証明していると思います。ですので、ト書き、それを大切に考えた演出作にしようと考えました。繰り返しになりますが、普段の稽古では……、の話をしてから、「壺」と「あの指示」をやらないというお話をして、それから、お客様へのお願いの文章が続きます。お願いはこうです。想像力を駆使して下さい。お客様の想像力の力で、様々な問題を切り抜けようという作戦です。その為に必要なこと、それはもちろん上演の中でちゃんとやりたいと思います。たぶん、そんなに不親切ではありません。もともと、この作品に限らず、お客様に想像力を発揮してもらう、ということは、ずっと意識してやってきていました。読書体験での、頭の中に自由に世界が思い描ける、ことをライバル視して、すごい強敵ですが、それと対決する姿勢が頭の中にずっとあったのです。舞台における、可視化してしまう、ということの利点が時には足かせにもなる現実…… ですから、ある意味においては、今回は楽園王のポピュラーな演出作、とも言えるかも知れません。ト書き、についての話として。このベケット『芝居』という芝居、戯曲の中でも特にト書きが重要な作品です。ト書きが重要な作品です、と書いてあったわけでは…、もうお気づきとは思いますが、この話題、実はぐるぐる回って元に戻って何度も何度も繰り返されます。何度も何度も繰り返される、ということ、実は不条理劇においてはとても多い状況です。ですから、この文章、このまんま書き続けると、そう回っていくのですが、これが観劇の為の良き手引きになれば幸いだと思うのですが……、果たして、足を引っ張ることにならないか心配しながら、書き終わりたいと思います。そういうわけで、…どういうわけで?…、 いい芝居になります。GW前の平日2日間、27日と28日、全部で3ステージ、お時間がありましたらぜひ。 楽園王 演出家 長堀博士 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 楽園王の2016年、劇団創立25周年の年の1stシーズンは4月と6月、死後についてを描いた2作品をそれぞれ上演いたします。古典戯曲です。一つはベケットの『芝居』、もう一つは清水邦夫の『楽屋』。両作品共にアフターライフ、つまり死後の生を描いている作品です。少しも春らしい作品ではありませんね(笑) しかし、こうしてあらめて「死後を描いているな」と思って並べて読み直してみると、…昨年のサルトル『出口なし』なんかを思い出してみてもそうなのですが…、そこで浮き彫りになるのは、むしろ「生」そのもの、だったりします。 死後という言わば適度な距離感や客観的な視点を得たはずなのに、なぜか生々しいまでの「生」への不可解、が登場人物達を揺さぶります。かの劇作家たちは、死という形で一旦終わりを迎えたはずの人たちに、あまり幸福でも幸運でもない運命を与えました。「もう終わってしまった」「もう取り返しがつかない」「それなのに後悔の念は消えず」「終わりのない時間の中で苦しみは続いて…」、作家の想像力とはなんて残酷なのでしょう。嫌な方々ですよ、皆さん。 さて、そんなわけで観劇の手引きとしては、「他人の不幸は蜜の味」よろしく、ニヤリと笑って観てやって下さい。上演する身として、そう思っています。喜劇として、と。そして、他人事だと思って楽しんだ後に、その後…、「もし自分が当事者だったら…」「死んだ後にも何か待っているとしたら」「ひゃー!」「笑えねー…」と、胆を冷やして下さい。死者を描いているからって少しもホラーじゃないのですが、いやいや、これこそが恐ろしいホラーって思えるかも知れません。 …古典戯曲という長く残っている知的遺産には、長く残るだけの理由が隠れています。『芝居』にも『楽屋』にも、そういう意味で、とんでもない化け物が潜んでいます。喜劇?悲劇?ホラー?もしくは… ぜひそれを確かめに遊びにいらして下さい。楽園王、25年間作り続けた手腕にて、丁寧に作品世界を立ち上げてお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。 楽園王 長堀博士 |
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スタッフ |
ベケット『芝居』、本番が今週となりました。この公演、「現代劇作家シリーズ」という企画の中での公演で、ですので、いま一度、楽園王、今までの「現代劇作家シリーズ」での公演を振り返っ...
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