カタロゴス-「洗」についての短編集- 公演情報 カタロゴス-「洗」についての短編集-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    前作の
    「数」についての短編集とは違って、どういう訳かひとつの立派な物語。(勿論、前作も素敵な仕上がりだけど。)5つの背景がオムニバスとして物語を構成している。

    九(板橋康平)が愛する、望まぬ過去を消してくれる洗濯機を軸に展開していくのだが、ストレートに笑えるのは一美(榊木並)、千尋(佐瀬恭代)、二葉(森島縁)の3人の会話。一美の迷走行動に、千尋の自虐的返し、二葉のシャープな突っ込み。
    見事な連携だった。
    またダークな雰囲気の八木(高野アツシオ)も、ゲスな七海(関幸治)も味わい深かった。
    百合(染谷敬子)のセレブ感もいい感じ。
    それにしても、この脚本を書いた春陽漁介という人は才能ある人だと思う。
    次回作も期待している。

    内容に関係ないかもしれないけど、あえて「四」は外しているの?

    ネタバレBOX

    人によっては、アフタートークには参加しない主義という方がいるけど、観客からすると見終わった後に、演出の意図や制作秘話、あるいはスタッフのネタを聴けるのは凄く嬉しいし、ありがたいこと。今以上に、その劇団や役者や制作に関わる全ての人が好きになるはず。(内容がつまらなければ、あまり意味は無いかもしれない…)
    例えば、出演者の中で五樹と二葉だけ手が汚れていないという理由も解説を入れてもらうと、より理解が深まるし、演出に感心するもの。
    まぁ出演した後に、また板の上に出るのは役者にとってはやっぱり負担になるでしょうね。
    5454はもっと大きな舞台やホールで、沢山の人に観て欲しい気持ちもあるけど、小劇場のこの距離感はあまり壊してほしくないって矛盾も感じさせてくれた舞台でした。
  • 満足度★★★★

    洗濯機と火と水
    「洗」についてのお話らしく、洗濯機とその内部(前半は、ちゃぷ台に見たてている)をメインの舞台美術に、オリジナルの音楽にのせて「洗」に関する芝居かシリアスに進行していく姿はよかったし、終盤の水を使った演出がすぱらしかったです。

  • 満足度★★★★★

    五感で観る舞台
    場転がとっても好き

    ネタバレBOX

    短編なのに長編みたいで、匂いとか水や、火を使う演出が新鮮でドキドキしながら観れました!
    今後も観に行きたいなと思いました!
    一美役の方が見た目と中身のギャップのある芝居で好きでした!
    アフタートークも面白かったです!
  • 満足度★★★★

    アゴラ劇場フル活用
    短編集と言いながら、実質的には長編作品。
    「洗」にまつわるエピソードを盛り込みすぎて、とりとめがないなぁ、と途中までは思ってたけど、とっちらかったその感じが“頭がクラクラするような刺激的な混沌”へと昇華していく中盤以降は魅せてくれる。
    この混沌を生み出すのに大きく寄与しているのが、こまばアゴラの劇場力。禁則で縛りすぎない寛容さと、この小屋の機能性の高さ無くして、五感すべてを刺激するようなあの演出は不可能だったし、その演出に支えられたあの混沌は十全には表現不能だったに違いない。

    ネタバレBOX

    しかしながら、“みんな違って、みんないい”的な結論は、やや甘いように思った。
    これだけ複雑な話にしといて、落としどころがこれじゃあ、複雑な話に長時間付き合った甲斐がない。
    春陽漁介という人は博識を打ち出したがるが、そういう“お勉強好き”なタイプは正解めいたものに至らないと不安になるのか、上のような紋切型に走りがちだよなぁ〜。
    かく言う自分も、あらゆるタイプの紋切型に縛られまくってるんですが。。。
  • 満足度★★★

    洗濯機
    面白い。80分。

    ネタバレBOX

    「クリエーター」
    色々言い合ってたときが幸せだった九(板橋廉平)は、堅苦しくなった今がイヤになり洗濯機に洗剤ぶっこんでは選択する毎日。妹・十八(杉浦実佳)は今の方がいいと思っているが、ひょんなことから火事を起こし、九は洗濯機に執着したまま焼死する…。
    「プロメテウス」
    九の父・六彦(村尾俊明)は、百合(染谷敬子)のアロマキャンドル教室でアロマの魅力に取り付かれるも、妻・三代子(石田雅利絵)からはダメ出しされてしまう…。
    「デトックス」
    合コンに勤しむ千尋(佐瀬恭代)に対し、デトックスに金をかけて王子様の出現を夢みる一美(榊木並)。千尋はスポーツクラブの十樫(小黒雄太)に片思いし筋トレに励むが、体調不良を起こした一美の方が十樫と近しくなってしまう…。
    「デコレーション」
    医薬品デコラジックを愛用する、自分に自信の持てない八木(高野アツシオ)にそれじゃダメだとインストラクターの十樫は言葉を投げつけ八木は、デコラジックに依存していく。八木を取材するAD五樹(工藤佑樹丸)も、妻との関係(と自分の気弱さ)を嘆きデコラジックに手を出すが、妻からダメ出しされ困惑する…。
    「ロンダリング」
    五樹の上司で百合の夫の七海(関幸治)は、妻から離婚を切り出され仕事ではやっかいな難題を抱え悩んでいる。たまたま出会った九に洗濯をお願いすると難題は無くなっていて、七海は歓喜する。しかし、九と出会った日のパンツ(童貞を捨てた際のパンツ)を洗濯することで、無くなったことになってたすべてが元通りになってしまう…。

    各短編が微妙につながり一編の作品を構成する舞台。しっかりと組み込んであって、見ごたえあった。もうちょいテンポ良くしてほしい部分もあり、メリハリ利かせてほしいと思う部分もあるけども。
    九の絡む話とか、「デコレーション」は、やや重めな感じなので、ここらへん膨らまして終盤に繋げてもいいかなと。個人の好みの話だけど。

    ラストの水モノ含め、舞台セットとか、しっかりしてた。彼らは、しっかり洗われたのかな。
    チラシの案内含め、ホスピタリティ高めで、そこらへんは好感。
  • 満足度★★★★★

    やはり
    佐瀬恭代さんは凄い!

    ネタバレBOX

    題名に短編集とあり、五つの短編を基に作られたようですが、100分の一つの長編でした。

    自信を持てるようにするための医薬品デコラジックを使ってはっきり物が言えるようになったものの、うじうじしていたときの方が好きな人もいて、社会の成り立ちが良く分かる秀作や、調子に乗り過ぎると痛手を食らう喪黒福造的話が中心でした。

    エピソードとしては若干脇役かもしれませんが、佐瀬恭代さんはいつもながら最高でした。筋トレのし過ぎで腕が上がらなくなった婚期を逃しかけの女子が、腰をひねって腕をブラブラさせ、遠心力を利用してペットボトルをバッグに入れる所作には大笑いしました。

このページのQRコードです。

拡大