いつかの膿 公演情報 いつかの膿」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    皆さん、熱気があって面白い❗

    次回公演も期待しています。

  • 満足度★★★★

    旗は翻るか?
    ユニットとは言え、劇団的結束をアピール。プロデュース公演と劇団の違い、なんてのは古いテーマかも知れないが、ふとその事を考えた。
    劇団は「継続」が前提になっており、「次にご期待」と言える。それはある面では「言い訳」にもなるが「継続」を約したのだから覚悟の表明でもある。また一つの公演を、劇団という文脈上に位置づける事が正当化される。
    プロデュースは、それ一発で評価を受ける。だから最大公約数的な舞台になりやすい・・とは必ずしも言えないと思うが(舞台を観ての感想)、しかし俳優の選定、劇場選びには確実に影響しそうだ。
     アラフィフ、と自称する面白い陣容のユニットVAICE★(ヴァイスあかぼし)は今後も第二弾三弾と、揚げた旗ははためかせて欲しいし、もしそうあるなら、今回の舞台も良かったと思う。
     今作は、これ一本で(他の文脈を借りず)成立するかと言えば、私は微妙だと思った、というのが上のように書いた理由だが、とは言っても、それなりのレベルを達成し、面白い舞台ではあった。
    劇の中盤から浮かび上る「不在の人物」の、現われ方が面白い。映像でしか見ない白川和子という女優による母役が、この人物(息子)を手引きする。「ソファ」ゆえに、人物らはこの場所に集い、劇を展開するが、その吸引力をソファに持たせるのは少し無理がある。母の思い一つが皆をそこに引き留めている訳だが、同じ時・同じ場所に集うのは「話合い」のためで、話合う議題としての「ソファ」が弱い。ただ、ソファは単に媒体であって、ドラマの本体はその媒体を通して露見して行く真実のほうにあり、この本体に観客の関心を引きつけられれば「弱点」は問題にならない、のかも知れない。
    見終えた全体の感想としては、俳優は難しい人物形象をよくやってたが、戯曲が要求する地点にはあと一歩と思える部分も正直あった。が、戯曲が説明していない部分をよく埋めた、という方を評価すべきなのかも知れない。
     「付け足し」のような場面が、ラスト、長い暗転後にある。暗転前の投げかけに対する、ドラマの作り手の答えが、その場面だ、という事になっているが、そこに突如、それまで登場しない、またパンフにも乗らない男優と女優1名が何の説明もなく登場する。そしてよく意味の判らない作業(置き式の暖炉を移動しようとして、また元に戻す)を、男衆がやって終演となる。
    この閉じ繰りが、それまでのドラマの穴を全て埋めるためのやや強引な「仄めかし」術になっていると感じるが、なぜか後味が悪くない。体を使っているからだろうか・・。最後は汗かいて号令かけて、締めくくる。「劇団」らしいと言えばらしい。

  • 満足度★★★

    ソファを巡る話
    出演者の幾人か劇団HOBOと被っているが、掛け持ちというか使い分けて公演していくのだろう。今回見る限り、違いはよくわからなったが。
    VAICE旗揚げ公演、小松哲也さんの劇作は初めて見るため、今回の作品と小松台東での作風は別物と思えば良いんだろうな。

    観客の姿勢で視界が遮られる座席からの観劇だったので、視点が丸かぶりになる場面が多く、ソファに座ったやり取りでは誰が誰を見て喋っているのか、あまり判別できず無念。笑いを狙った「ピンク」発言場面では、肝心の衣装が照明の加減で色識別がわかりづらかった。最後の衣装はさすがにわかりましたが。

    ネタバレBOX

    L字客席に中央が舞台。側面に玄関口に続く扉と部屋に続く扉がそれぞれ独立してあり。舞台奥中央に象徴的なラグとソファが配置され、対面する斜め位置の舞台中央角面にテレビ、ストーブ。ドア付近には幾つかの椅子。
    日本であって日本でないような、ある意味洋風豪邸で、今ならシェアハウス、という名称がしっくりくるような家屋敷でかつて住んでいた40前後かそれを過ぎた男女住人が呼び戻されて起こる暴露話と顛末。
    男と女、それぞれの主張が時に不快感、でも正論のようにも聞けたりして。複数の男との件は、同性ながらまあ勝手にやっとけや、と軽蔑しそうになるやら呆れるやら笑えるやら。
    自死した子の真相を知りたい母親がこの住人達と関わることでの幸不幸。あまり深刻になりすぎず、かといって不真面目に見えず、というのは演者達の醸し出す巧みさなのかな。

  • 満足度★★★

    奇妙な契約
    奇妙な契約によって豪邸で共同生活をしていた人たちが契約終了となり、7人が再度集められた。謎めいた設定と訳アリの様子にその後の期待が高まったのだが・・・・・

    ネタバレBOX

    期待を高める前半の演出はとても良かったのですが、互いにほとんど付き合いがないと思っていた隣人たちが口を開いた途端に暴かれていくのは男女の低レベルの話ばかり。 それはそれでおもしろくもあるがちょっと拍子抜けの面も。
    そもそもそんな契約は現実的でないし、ラストも物足りなかった。役者の技量は高いので今後に期待したい。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    やっぱり松本哲也氏の書く話は面白い。芸達者な役者さんたちがキッチリと演じる、笑いとシリアスが同居した舞台、大いに楽しめました。

  • 満足度★★★★

    まさに膿
    日本の劇作ではあまり見かけないパターンの展開で少々違和感を覚えるものの、そこは経験豊かな役者陣の芝居で充分に楽しめた。小林さんのキレ方、本間さんのおどおどした時の表情、高橋さんの愁いをおびた表情、白川さんの貫禄ぶり、などが印象的。

  • 満足度★★★★

    思い出のソファー!
    小林さやかさんのイメージとギャップのある台詞には正直驚きましたが、
    ”まじめな喜劇”として面白かったです。
    役者陣の演技はとても良いのですが、この問題解決方法がいろいろとしかも簡単にあるということが観劇中に頭に浮かんでしまい、話合う問題としてはいささか単純すぎるように思いました。
    また、大家は息子の死を見据えた契約をしたのかというのも疑問です。

    ネタバレBOX

    月1万円破格の家賃で豪邸の一室を借りていた住人たちが、豪邸取り壊しの為引っ越しすることになる。しかし、契約時に引っ越しの際には居間にあるソファーを住人の誰かが引き取らなければならない。拒否の場合は個々24万円の違約金を支払うという約束が交わされていた。ソファー引き取りをめぐり住人たちの話し合いが始まるが、そこのは今まで溜まっていた鬱憤が膿のようにどろどろと流れ出す!そして大家のソファーに対する思惑が明らかになっていく。
  • 満足度★★★★

    「若者の等身大」に飽きた向きに是非
    さながら、滋味のある素材を生かしつつ、ちょっとだけ手を加えた北海道料理みたいな作品でした。
    暗転の音楽がぴりっと効いて気に入りました。
    やっぱ小劇場最高!と思って家路につきました。

    ネタバレBOX

    タイトルや設定から、着地点は予測できなくはないのですが、それだけに役者の力量を存分に楽しめる作品でした。
    役者さんたちのそれぞれの持ち味がそのまま生かされていた。驚きは少ないけど、安心して観られました。そんななか、白川さんや林さんの役は急に変貌するというか、そこが膿をだしているところなんでしょうけど、難しい役どころだなぁと思いました。
    みんながうろうろとサマヨウ中、真ん中にいる省吾さんのかわらなさ。劇中、笑いがとまらない場面でした。
    シェアハウスの話です、とならないところが、若すぎなくてよかった。
  • 満足度★★★★

    人の心の奥底にあるもの
    生きている人間の現在、その人間誰しもが心の奥底に抱えている欺瞞や傲慢さといったものが次第に露呈してゆく様が緻密に描かれ、緩急のバランスがうまくとれていた作品だったと思います。
    上演時間約100分。

    ネタバレBOX

     小劇場楽園や小劇場B1の規模をやや大きくしたような感じで舞台に対して
    客席が設置されており、観る位置によって受ける印象は少し変わるかも
    しれません。

     立派なソファーから小さな椅子まで小道具の椅子がいくつかあり役者さんがそれぞれ芝居の間座る椅子を次々に移動するとともに3つのドアを出入りしてめまぐるしく立ち位置を変えてゆきます。もちろん、客席の配置の関係から観客に公平に役者さんの表情をみせる意味もあるとはおもいますが、その動きをみているうちに自分の居場所それも自分の身の丈に合った居場所を求めてさまよう孤独な人間の姿がそこにあるようにも思えてきて、実にいすの使い方が効果的な演出(ある意味役者泣かせの演出だったかもしれませんが)だったと思います。

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