Scoreless 公演情報 Scoreless」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    生きる望み!
    師範学校への進学を諦め、家業を手伝っていたところに召集令状が届く。
    特攻隊の訓練を受け、いよいよという時に・・・。
    この戦時下で、自分より他人を気遣う主人公の姿に心打たれる。
    中本・秋田両名の歌声と演奏が優しく”生きていて”と語りかけるように聞こえた。俳優陣の演技が熱い!
    気になったのはパーテーションの移動による組み換え。

    ネタバレBOX

    戦争が終わり、平和になった時にまた聞きたいと思っていたレコードと蓄音機を木箱に入れて隠しておいた主人公の中島誠の短い生涯の話。
  • 満足度★★★★★

    生演奏と演出の素晴らしさで魅力ある舞台
    2時間50分がアッと言う間だった。オープニングや休憩後に物語を予知させる演出、ダンス・殺陣を上手く使い、難しいテーマをしっかりと表現していた。バックに流れる中本マリさんと秋田シヨウジさんのjazzには心打たれ、物語を何倍にも素敵な物にしてくれていた。
    それぞれの役の思いがリンクし、それぞれの思いが淡々と描かれていたため、物語全体に思いを反映させ、心から入り込んで見ることが出来た。マリさんの最初のセリフが物語を見終わった後 そうかとホッとさせる演出も素晴らしかった。

  • 動きはキレあり。
    三時間の長編。仕事でどうしても最後まで見れず残念。
    良きところ、違和感、共にあり。ダンスなど身体パフォーマンスとして面白く、何よりジャズシンガー中本マリさんの歌が良かった。生演奏は空間に響きますね。衣装は独特で何とも。前半はリズムだけの会話に聞こえ眠かったですが、休憩挟んでからの後半はずっと良かったと思います。

    ネタバレBOX

    パネルを使っての場面転換は、形状が変化することでシーンが変わったと分かりやすい反面、回数が多いのと黒子が見えすぎるので集中力が散りやすいのはありました。西洋万歳の戦争反対という訳ではないでしょうが、自由というものへの渇望を感じました。
  • 満足度★★★★

    花四つ星
     タイトルからはスポーツ作品かと思っていたのだが、実際は、ミッドウェー敗戦後の太平洋戦争の話であった。

    ネタバレBOX

    出演者がホントに若い人ばかりなのだが、兵隊の動きが機敏で実際の大日本帝国軍下級兵士たちもこのようであっただろうと思わせるような動作・所作で感心した。演劇がとどのつまり役者と観客の身体表現を賭した一騎打ちである以上、このようなことはとても大切なことで、ダンスもかなりうまいし科白も殆ど通っていた。
     シナリオは、戦争を知らない世代は無論のこと、知っている世代にもキチンとコミットできる内容と質でありながら、広い層に戦争の本質、即ち“無用に失い、取り返しがつかない愚行”という内実を分かり易く押し付けがましくない形で提示されており、心に深く訴えるものである。実際心を撃つシーンが随所に鏤められており深く考えさせる内容である。
     出演する役者が若いので、悲劇ではあるのだが、一種の爽やかささえ感じさせる舞台であることもこの舞台の特徴である。生の歌が歌われるのも嬉しい。主に映画「オズの魔法使い」でジュディー・ガーランドが歌った「Over the Rainbow」が歌われるのだが、繰り返し歌われるこのメロディーが大切な効果を齎している。同時にアメリカが世界の憧れであった頃のイメージを彷彿とさせるのには驚いた。
     無論、視覚的な美しさにも充分配慮した形になっているし、タイトルも適確
  • 満足度★★★

    切り口がユニークだったが・・・
    物語への突っ込みが今一つかなぁとも思えた
    2幕休憩10分入りの2時間50分の作品でした

    長丁場の割に情報量を増やしていなかったのが・・・
    狂言回しや天の声とかいろいろ使って状況説明をとも思ったし

    特攻部隊なんぞは軍事機密だったはずで
    何となく皆が知ってるのは舞台上の嘘で・・・・とか
    ちょっと笑える話入れてもとか思えたデス

    ただ戦争は嫌だという作品ではなく
    戦争という状況の暴力の中で日々の生活を送った
    群像劇ってとこを評価しました

    戦争モノの定番セリフも無かったのが嬉しかった

    ネタバレBOX

    生の歌声が聞けるのは素敵でしたが
    舞台上の役者さんの台詞に被せる演出はちょっといただけないかなぁと

    小道具での歩兵銃に直刃の銃剣のみならず
    軍刀の先を付けてたりと芸の細かさが気に入ったが
    手榴弾の使用方法がダメだった・・・
    一度固いとこにぶつける必要あるんですよ=投げたりする前に・・・
    そんでガダルカナル島での撤退戦
    三八式と九九式の歩兵銃の弾丸相互交換できなくて
    苦戦する話とかもあったらと思った

  • 満足度★★★★

    レコードをめぐる話
    音楽ファンとしては見逃せない内容。生演奏も楽しめるとは予期せぬプレゼント。心にぐっとくるシーン多数。

    ネタバレBOX

    音楽に関する話でもあるので、小道具としてのレコードに関する時代考証をもっとしっかりして欲しかった。SPプレイヤーにLPレコードと思しきものを置いてたし。戦争中にサラ・ヴォーンのああいうジャケットのレコードは、あったかどうか…。女性の服も、戦時中にしては派手だったなあ。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    途中10分の休憩を挟んで3時間の大作。小劇場でこのボリュームはあまりない。果たして?しかし、幕が開いてから終演まで冗長に感じることはまったくなく、アッという間に終わった印象。生歌も聴けたり演出はなかなか上手だが、歌手の立ち位置は一考あってしかるべきかな?座った場所によっては見えなかったから。

  • 満足度★★★★

    大作
    長時間の大作です。
    重いテーマでありながら役者さんの演技や踊り、バリエーションのある場面転換で飽きさせずあっという間の3時間でした。
    ただ、説明文にある「今の日本からすれば狂気」を忠実に書いたが故に感情移入が出来ず客観的に観るしか無くなってしまいます。
    物語を客観的に観ればいい芝居だと思いますが私のように感情移入したい派は物足りなくなりました。

  • 満足度★★★★

    見事!!
    これが第2回公演、正直驚いた。正面から捉えた重たいテーマ、それを端正で丁寧に観せる演出、それをしっかり体現した演技は見事であった。上演後の舞台挨拶で、当時の衣装・小物の収集に苦労したことを述べているが、その細部にも拘ろうとする真摯な姿勢。2015年は戦後70年という節目の年で、多くの劇団でそのテーマを取り上げていた。
    上演時間2時間50分(休憩10分)の力作。
    ただ、その演出は丁寧であることは間違いないが、その一方で気になることが...。

    ネタバレBOX

    あまりに状況描写を舞台セットに頼るため、その都度、暗転とその間に舞台セットの変更を行う。そのため、人間ドラマというよりはドキュメンタリー風になり、当時の状況記録を観ているような錯覚に陥る。そこには観客(少なくとも自分)との受け止め方に違いが生まれ、状況だけを追うようになる。それは案外集中力を保つのが大変なのであるが...。

    時代背景は、第二次世界大戦最中のこと。冒頭はウエスト・サイド・ダンスのような、その当時のモダンなスィング・ダンスまたはジャズ・ダンスのような魅せる場面からスタート。ここで、客席の一部に張出舞台を設営し、生演奏で歌を聴かせる。これが素晴らしい、JAZZVocalは中本マリさん、JAZZ Pianistは和田慎治さんである。
    その華やかさから一転、第二次世界大戦の非人間的な物語へ、その状況変化の大きさが印象的である。戦時中のトピックを挿話として織り込み、マメ知識が増えてくるが、その集積の先には「自由」や「権利」もなく、人間としての尊厳さえ奪うことを教えてくれる。音楽、それもジャズなどは敵国音楽として禁止(レコード、蓄音機は没収)するという。

    観ていて辛く悲しい場面が登場する。大きくは2つの非人間的シーン。それは「玉砕」と「特攻」である。この2つを人間ドラマとして繋げる巧みさ。表現は適切ではないが、その醜美の対比した構成が際立つ。
    エリート軍官僚を中核にして作り上げた軍隊が国の命運を握る。そして異常な作戦「玉砕」と「特攻」に極まる。まったく見込みのない戦況でも降伏は許さず、そのことを美化した玉砕。作戦とは言えない特攻。これらが軍の正式の作戦として実施された異常さ。

    本公演でも、ガダルカナル作戦の異常さを克明に描いた。日本軍はアメリカ軍の本格的な反攻を見誤り、劣勢の部隊を小出しに投入して島の奪還を図るが、圧倒的な火力の前に敗退を繰り返した。味方の拠点から相当遠い場所での戦闘ゆえ補給が難しく、飢えや病気で苦しみ多くの死者がでた。特攻は、「十死零生」として、飛び立ったら帰ることがない。機動性を優先し防御が薄い戦闘機で体当たりする。極端な精神主義の横行、主観的願望の客観的事実へのすり替えなど、そこには”人”が考えられていない。この異常な状況をしっかり捉えている。同時に国内での軍事統制、家族愛も描き、多方面からの切り取りをしている。その細密を観せようとする工夫は素晴らしいが、状況説明に力が入り、芝居に通う血のような温かみ、感情が置き去りにされるようになる。

    全体的に硬質な骨太作品であるが、演技、そしてダンス(空中戦闘シーンも含め)という視覚で観せるシーンも魅力的であった。もちろん、先に記した衣装。小物(当時ではないから全部リアルは無理)への気配りも好感が持てる。

    次回公演を楽しみにしております。

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