『TUSK TUSK』(タスク タスク) 公演情報 『TUSK TUSK』(タスク タスク)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    大人の希望と、子供の夢。
    2015/12/10(木) ~ 2015/12/13(日)
    全日観劇しました。
    何か、アドリブ要素がどこかであるのかと思ったら、
    お話の内容てきに難しかったのか、それはなかった。
    ゲスト?出演者のシーンが、変わる所くらいだったかな。

    感想は、色んな意味ですごかった。
    ・役者を原作の実年齢でそろえたところ
    ・壮大であろう内容から、この短い枠に納める内容を選んだ範囲とながれ
    ・みんな最後まで全力投球

    見る前の不安は、見た後の歓喜といえばいいのか、
    とにかく、すっきりしないけど、すっきりした。そんな感じでした。

    人選する側も、それに応える表現者たちも、すごかった。
    何を訴えようとしているのか、表現者たちの体当たり、
    本気の演技、そして、実年齢という、
    3種の神器みたいなので、受け取る側は、ものすごく苦しかった。

    みんなの苦しさが伝わり、嬉しさが伝わり、悲しみが伝わり、
    楽しさが伝わり、立体絵本、感情がぶつかるそんな絵本、
    新感覚劇でした。

    再演も、DVDもなにもない。実にもったいない。
    けど、思いっきり考えさせられる作品ではありました。

    ネタバレBOX

    はじめ、開演前に、メルヘンチックな、出来事がおきました。
    それも演出だったようで、フィン君の夢の中から始まりました。
    一緒に、鬼ごっこをしたかった機分。

    そして、音楽の停止とともに、みんなの夢が覚める。
    目覚める現実。

    前半は、母が帰ってくると信じて待つ子供たちの話。
    兄姉弟のけんかが始まる。
    はじめは、幼き子供のいたずらのみはりとして、
    しかし、少女には、もっと大きな悩みを抱えながら、
    日常を振る舞っていた・・・長男が誕生日を迎え、柱を失うまでは。

    ターニングポイントの誕生日。
    その日は、色んな意味での最後の宴が行われていた。

    日常から悲劇へかわる。
    楽しい日常が、悲しみへと変わる瞬間の鐘が鳴る。
    シンデレラの魔法が解ける時間。

    子供たちの夢が消える。現実に戻る。
    帰ってこない母親。
    それは、出張とかどこかへでかけたとは違う。

    帰ってこない、理由をしるマギー。
    その理由を拒み、夢を見ようとする、エリオット。
    状況をまだ理解できず、遊びたいフィン。

    扉が開く。さらに悲劇の扉。
    大人たちの希望がうごめき、子供たちの夢を踏みつぶし、
    現実をみさせる。

    育児放棄された子供たち。それがすべて現実であった。

    長男エリオットは、再度家族を守ろうと目覚め、
    妹と弟と一緒に、家を出ようとする。
    夢への旅立ち!
    しかし、大人の希望が勝っていて、サイレンが鳴り響きながら
    幕を閉じる。


    これが、今現実におこっている。こうしている間にも。
    見つけるのは難しい。人を疑いの目で見るなんてとうてい無理。
    せめて逃げ込める一時的なシェルター、
    考える時間を作ってあげたい。
    そう考えさせられた作品。子供たちの夢を閉ざすでなく、
    夢を見ていいんだよと、どんな状況でも夢を見ていいんだよ、
    夢をかなえる希望を持っていいんだよ、

    そのような、自由の手をさしのべられる人間になりたい。
    そう思いました。
    一番は、このような世界を作らないことだと思うけど、
    対策なんて待っていたらいつになることやら。
    大人目線や他人目線じゃなく、
    きちんと、その人の立場目線にたって、
    考えてあげたい。そう思えました。

    原作などの真相はわかりませんが、
    ただこのような世界が、現実にあり、なんとかしなければならない、
    それを感じることはできました。

    表現者の皆さん、思いっきり心に響きました。
    感動というか、やりきれない苦しさを毎日感じていました。
    いえ、日を追う毎に強くなりました。

    それは、表現者の皆さんが、日に日に
    絵本の中の人たちとして本気で伝えてくれる、
    感情がその人そのものに変わっていったから。

    千秋楽は、ほんとに心苦しさだけが残りました。

    ありがとうございました。とても素晴らしかったです。

    できれば、あの三兄姉弟たちは、幸せにくらす、
    パラレルワールドが、存在しますように。
    今は、それを願うしかない、自分の非力さも思い知らされました。

    私は、率先して、見つけてあげようと思いました。
    手遅れになる前に。
  • 満足度★★★★★

    切なすぎ

    子供が親を信じて待っている姿と精神的におかしくなっていく姿に本当に切なくなり悲しくなり自然に涙が出てきました。

    三人兄弟の真ん中の女の子の
    演技力に観入ってしまいました。

  • 満足度★★★★★

    涙が
    涙があふれてくるのはなぜ…。強烈に心を打つ作品でした。大人ってダメだなぁ。でも「生きる」って…。「母」って…。

  • 満足度★★★★

    ほぼ子役だけ
    すごいことです。

    ネタバレBOX

    母親が失踪して残されたきょうだい三人が、ばらばらになるのを避けるため自分たちだけで生き抜こうようとする話。

    母親は元々育児放棄の癖がありましたが、友人の夫との不倫関係で苦しみ、娘から自殺容認の言葉があったことが明らかになったことで、今回の失踪の真相を窺い知ることができました。

    ほぼ子役だけで2時間を超える上演時間をこなすのは並大抵のことではありません。大声で叫ぶ演技、若干棒読み傾向ではありましたが、特に16歳と14歳の二人の子役さんの活躍には目を見張るものがありました。
  • 作家の役割とは
     題名にあるように実際に"Tusk Tusk"というわけではないでしょうが、出演者演出家を含め皆さんが原作にがっちりと取り組み格闘した成果が大いに表れていた舞台でした。
     特にこうした題材の場合、問題を解決してみせることではなく今そこにある問題をていねいにすくいあげいろいろ手を尽くしきちんと正しく提示してゆくことが時として(劇)作家の大事な役割の一つなのかもしれないと思わせてくれる作品であったようにも思います。
     ただ、オープニングのところあたりには劇場側の姿勢にやや疑問を感じました。

    ネタバレBOX

     すべての回がそうだということではないようなのですが、私が観劇した回でそうだったので述べさせていただきます。いろいろ演出的な効果もあったのでしょうが、オープニングでの出演者の方のあの茶化したような前説というか前口上はどうなのでしょうか。来場してくれた観客への感謝の意を述べるところは子供らしさがでていてとてもよいのですが、そのあとの開演前の注意事項の伝達のところが引っかかりました。形骸化しているとはいえ観客が安全に安心して快適な気持ちで観劇できるための、またいざ万が一なにかが起こった際の極めて大切なこと(まして通常とは異なる変形舞台で、初めてこの劇場を訪れる方も多くおられたと思います)まじめに伝えなければいけないことを主催のパブリックシアターとあろうものがあのような茶化したふうに伝えてよいものだろうか。3.11の震災直後でもはたしてあの軽いノリで伝えることができただろうか。最初はその場の雰囲気で聴いていたのですが、あとからよくよく思い返してみるとやはり、制作、演出家を含め劇場側の姿勢に疑問をやや感じざるを得ませんでした。

     また、アンケートの中にに劇場スタッフの対応の項目があったので、これについても述べさせていただきます。
     劇場内の方々の対応はとても素晴らしく、変形舞台にもかかわらず座席の位置をしっかり把握し座席への案内がきちんとされていました。しかしながら、私の場合を含めしばらく受付の様子を見ていて思うのには接客の顔である受付の方は頭数は多くても完全素人の対応でした。劇場のweb予約で代金支払済指定席チケット当日劇場受取で手順通りこちらの受付番号、名前をはっきりと述べたにもかかわらずわからない様子でさらにこちらの予約確認メールをみせてもあちこちばたばたとチケットを探しまわり挙句再度こちらの名前を聞き返し見つけたチケットを相手への日時、座席番号(指定席!)の再確認もせず引き渡す。仕方なくこちらの方で日時、座席番号を再確認する始末。相手の話をきちんと聞きもしなければ劇場のチケット支払システムもろくに把握していない模様で、観劇前の観客を不安や不快な気分にさせるなんてリスペクトのかけらも感じられない、接客ということがまったくわかっていない、来場に対する子供の感謝の挨拶をぶち壊す大人の対応でした。
     劇場スタッフの対応といってもどうもちぐはくした感じが否めませんでした。
  • 満足度★★★★★

    格闘技のリングのよう
    中央に四角いステージは格闘技のリングのよう。
    今年見たステージの中で最も壮絶なシーンが展開。
    お前ら死ぬなよと思いながら見てました。ハラハラ。
    現実の世界では起こって欲しくないです。

  • 満足度★★★★

    育児放棄がテーマの英国戯曲
    15歳、14歳、7歳の子供が主役で、しかも実年齢が役に近い俳優(つまり子役)が演じるの約2時間半(休憩含む)。演技が達者な上に子供であることに大きな効果があり、期待以上の観劇体験。まず戯曲が素晴らしくて、演出も見事。全席指定で一般3500円 学生2500円 高校生以下1000円とチケット代が安い。12/13(日)14時が千秋楽。

    ネタバレBOX

    母に向かって「死にたいなら、死ねば」と言ってしまい、その後、母が消えたことを、長女マギーが告白。このあたりから、マギーは弱くなって欲しい。

このページのQRコードです。

拡大