冬の日光と、ヨーグルトの断面 公演情報 冬の日光と、ヨーグルトの断面」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    論理構築力欠落という能力
     通常演劇シナリオを書くことは、論理構築力を意味する。

    ネタバレBOX

    だが、今日観た作品の作家は、盲人が手で触れたり、物音を聞いて様々な判断を下すように感覚を用い手探りで彼の感覚がこれだ、と教えたものをそのまま描こうとし、役者の自由に振る舞まわせるという方法を採っているようである。従って歯車が噛み合わなかったり、ディスコミュニケーションが起こったりということが自然な日常風景として提起されてゆく。そこにあるのは、嵌ると作家が感じた状況であり、ドラマが必然的に成立する為に取捨選択され論理的に再構成された舞台空間であるよりは、作家の感性レベルで感覚的に統一されたよう思われている光と音の共鳴感覚、タイトルに見られるように、ある季節、瞬間的にみられるような光と半固形体とのコレスポンダンスであったりするのだが、面白いのは、それらを観客に提示して起こる反応の総てを作家が負おうとしていることであり、負えると考えているらしいことである。旗揚げ公演ということもあり、このような発想ができるのであろうが、通常の演劇感からは懸け離れた発想ではあり、大化けする可能性が無いとは言えない。暫くはこれからどう変化してゆくのか楽しみにしていよう。

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