ブルーシート 公演情報 ブルーシート」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★

    雨の中、豊島区の廃校の校庭で
    当日は雨だった。小雨ではあったが降っている。ビニール合羽が100円で売られているのを買い、ポリ袋に荷物を詰め、心して椅子に座って観た。
    以前書店で立ち読みしたテキストから感じた「世界」を裏切らないタッチで、一人一人がそれぞれのエピソードにおいてスポットを当てられ、語られる言葉はその時間・空間が3・11後の世界で吐かれ、そこに遡り得る時間を生きている主体であることが、横溢している。 
    初演が、いわきの学校で生徒と共に作られた事と場所との関係が、今回の再演では異なる。どうしたか。・・冒頭、初演時の校長先生の挨拶が大型テレビから流れ、また終盤には今回参加出来なかったキャスト(他は初演時のオリジナルキャスト)が近況を語る録画映像も流れた。キャストの卒業後の現在の立場を語る場面もあって、オリジナルの「ドキュメント」性がそれらによって一貫していた。作品(テキスト)としては、最後に付け足されたらしいシーン・・延々と続くリフレインが、終りを見ない事が分った時(相当時間は経っている)、飴屋氏が終演を告げに出てくる。「グランギニョル未来」公演のラストで飴屋氏自身が叫んだ叫びを思い起こさせる張りつめた、長いシーンだった。
    遊び的な言葉や詩の中にドキッとさせられる鋭利さが時として光る。存在の心許なさの中に、「命」が意識される。

  • 満足度★★★★★

    存在の重み
    偶然性を取り込んだり、誘発する演出が素晴らしかった。
    そして何より、いわき総合高等学校の卒業生・学生の存在が素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    ラストでひとりの生徒が「逃げて」と叫び続ける場面がある。
    全力で叫ぶ声は回数を重ねるごとに徐々にかすれていく。
    その声のかすれの中に、とても切実なものを感じた。
    彼ら・彼女らの存在を。
    (過度な動きを強いることで、そこからはみ出す出演者の身体がその存在感を更に重くしていたとも言えるだろう。そういう演出はこのシーン以外にも、色々あた。)

    隣の学校からの声が聞こえてきたり、鳥が校庭の周りを飛んだり、奥の道を通る車や人の姿が見えたり、時間の変化と共に太陽の光が変化し、肌に感じる体感温度も変わったりなど、その環境が作品に様々な色彩を与えていた。
    と同時に、その環境によって、これがお芝居でありながら、現実そのものでもあるということも常に意識させられた(異化効果)。
    虚構と現実が二重になったものとして舞台を観つづけたということ。

    また、何度も繰り返される(うろ覚えで申し訳ないが)
    「それは人間のようで人間でない。それ以前のもの。」
    「人は見たものを覚えることができる。そして、見たものを忘れることができる。」
    というような言葉の意味が、作品が進む中で、その印象が変わって感じられていったのも素晴らしかった。

    最後の場面で、すべての芝居の意味がひとつに集約されつつ、同時に物語の外に向かって拡散していったのも素晴らしかった。

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