つま先から、残像 公演情報 つま先から、残像」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    植民地では
    必然的に。

    ネタバレBOX

     別れを前提の男女カップル。男はロマンティスト、女はリアリスト。最初のカップルほどではないが、矢張り男は女に比べて幼稚なカップル。コンビニ男性店長と男性従業員。といった人々が織りなす21世紀初頭の米国植民地、鵺日本に住むペアのディストピア。
     ♀が何れのカップルでもリアリストであるということは重要である。少なくとも彼女らは存在そのものの基盤迄は失っていない。一方、総ての♂は鉄砲玉に過ぎないから(頭の悪い♂には、ここで言っていることの意味は分かるまいが)生物として存在論的に♀に勝てる訳が無いのだ。逆に存在することで総て、この世で起こることの後始末をしなければならないのが、♀であるなら彼女「らがリアリストでなくなることは、即ち世界が滅亡することであろうから、ただ♀に甘えていれば良い♂と植民地住民としてアメリカのケツも迄させられて、我らの足元を浸すはディストピアの波、どういう訳だかこの波に洗われたらは半透明になり、ある者は判断の論拠を喪い、ある者は命を、そしてある者は信頼するという健全な実存の前提を失っている。存在を持たない彼らにとって、総ては最早蜃気楼の如き不如意。♀はますますリアルになってゆき相対する性の溝は、最早修復不可能なまでに深く広く開いてしまった。おめでとう!

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