無心 公演情報 無心」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★

    沖縄のジレンマ
    沖縄の基地問題の現状を扱った作品。
    どうしようもない現実は変えようもなくそのままだけど、
    少しだけ希望を持てる結末でした。
    作品自体は相変わらず真面目に丁寧に作られていて好感が持てました。
    そしてやっぱり役者さんが上手い!

  • 満足度★★★★★

    シマンチュも表現してほしい
     果たしてどれほどのヤマトンチュが、地位協定の真の姿を知っているだろう? 

    ネタバレBOX

    未だ知らない人は、創元社から刊行されている戦後再発見双書の「日米地位協定入門」はお勧め。編著者は、前泊 博盛さんだ。日本がアメリカの植民地であるという実態がよく分かる。その植民地ヤマトに植民地化されているのが、沖縄である。今現在、翁長知事が辺野古問題で国と戦っている訳だが、知事の一貫してぶれない筋の通った論理に対して、政府のやり方の理不尽で筋の通らぬ、また姑息で民主主義の根本を無視した「対応」は、腐りきったその実態を図らずも暴き出している。無論、一応、国家の体裁はとっている訳だから立場上、それより弱い所に対しては基本的に何でもできる。力の論理にというより、殺しも含めて力に論理で対抗することは基本的に意味が無いからである。アルキメデスやソクラテスを例に挙げるまでもない。バカに論理は通用しないのが現実というものである。安倍、菅、石破、佐藤、中谷ら、糞野郎総てがバカではないか!! 無論、法制局の横畠も下司そのものの面をしている。以下毎日新聞の報道である。http://mainichi.jp/select/news/20150928k0000m010102000c.html
     因みにアメリカに逆らう可能性のある政治家としてその政治生命を大幅に減じられた、小沢議員に関しても、検察の嘘が騒がれた。詳しくは最近鹿砦社から出された志岐 武彦さんの著書「一市民が斬る」をお読み頂きたいが、検察や最高裁が如何にアメリカの支配下で機能しているかが、読者にもキチンと想像できる内容になっている。伊達判決をひっくり返した田中最高裁長官(当時)が、当時、アメリカの駐日大使であった、マッカーサーに裁判の経緯、展望などについて逐一報告していたことと、本質的に変わらない。言っておくが、今時、植民地を支配するのに、軍事力を前面に押し出すバカな宗主国はない。情報をコントロールできるように、時には暗殺も含めて飴も用意しつつ言うことをきかせるのだ。これは、常識ですらない。当たり前のことである。恐らくは、既に古くなった方法に過ぎない。
     そこで、安倍政権だが、このように理不尽で腐りきった政府でも、権力を笠に着ることだけは得意で、「国」策として、アメリカの意思を言われるがままに実行する。そのおぞましさの下、ウンナンチュは、アンヴィヴァレンツな状態を強いられ自らの心と体を裁断される。
     ここには、無論、分かり易いことしか描かれてはいない。然し、多くのヤマトンチュはこの程度のことすら知らなかったハズである。恥を知れ!
  • 満足度★★★★★

    沖縄という複雑系
    米軍基地に賛成・反対とはスパッと割り切れず、皆が0〜100のどこかの間にいるのだと思います。それぞれの立場の建前と本音が複雑に交錯するさまも否定せず、米軍兵士の事情にすら理解を示すやさしさ100%(+ユーモア)の作品でした。内容的にはバリバリの社会派ですが、闘志を刺激されるというよりは、やさしい気持ちになって劇場をあとにしました。

  • 満足度★★★★★

    柔軟
    直球ストレートな問題提起と、それを他人事と思わせない設定が
    きたむらさんの真骨頂。
    矛盾との共存を余儀なくされている沖縄の実情がビシビシ伝わってくる。
    そこに暮らす人々の柔らかで、他を許し受け入れる精神が美しい。
    “暑苦しく愛すべき”登場人物が大変魅力的で、うまく行き過ぎなラストまで
    惹きつけられた。
    シリアスなテーマを扱いながら笑いのタイミングを決して外さないところも
    素晴らしい。
    当分沖縄弁のイントネーションが頭から離れないさあ。


    ネタバレBOX

    沖縄、基地移設反対運動の拠点「テント村」が舞台だ。
    活動を続けるメンバーたちは、皆沖縄の現状に矛盾を感じながら、
    それでも協力し合っている。
    ところがその矛盾が具体的な形で彼らの身に降りかかる。
    娘が米兵と交際していたり、妻の病気にお金が必要で用地買収に傾いたり、
    国の事業を請け負う仕事をしている父親の言いなりだったり…。
    そしてそこへ東京からひとりの男がやってくる。
    彼は地元の議員の主張の矛盾を突き、新しい発想で
    事態を打開しようと試みる…。

    基地がすぐになくならないのは誰もが分かっている。
    考え出したら怒りと情けなさでいてもたってもいられないような場所で
    沖縄の人々は生きている。
    矛盾を矛盾のまま受け入れ、だけど純粋なエネルギーは持ち続ける。
    そんな南国らしいおおらかさと、敵対する人をも理解し思いやるやさしさが光る。
    きたむらけんじさんの脚本は、真摯に現実と向き合う人を描く時、その人を甘やかさない。
    辛い選択をさせ、情けない告白をさせ、大事な友人を失う覚悟をさせる。
    観ている私たちはそこに歩み寄り、深く共感する。
    そして一緒に解決方法を探すのだ(たとえ解決できなくても)。

    ストーリーを動かす登場人物が二人、実に魅力的だった。
    一人は公務員でありながら反対派に心を寄せ、
    敢えて間に立って職務を全うしようとする男。
    菊池均也さん演じるこの男は、複雑な心情と立場が今の沖縄を象徴するようで、
    この立体的な人物造形が物語に奥行を与えている。
    もう一人は、東京から来て新鮮な空気とアイデアを吹き込む男。
    江端英久さん演じるこの男は、アフロヘアの見かけとは違って硬派な一面を見せる。
    硬直した関係性に全く新しいアプローチをする外の風だ。

    これら役者陣の熱演が、暑苦しいキャラにはまって大変楽しい舞台になった。
    山口良一さんの“間”と終演後の“しゃべり”に、さすが鍛えられてるなあと思った。

    東京フェスティバル、テッパンの良心で泣かせる数少ない劇団だ。


  • 満足度★★★★

    さすがです。観てからのお楽しみ。
    10/25の12時の回、観劇。同劇団、二年ぶりの公演だ。今回は沖縄基地問題を取り上げた。ニュースでは、伝わって来ないそこに生きてる人々の本音を引き出しながら、うまく人情劇としてまとまっている。賛成か?反対か?、、、それぞれの本音も交差する。沖縄は観光でしか、行ったことがなかったけれど、別の角度から考えるキッカケを作ってくれた。また、役名までも計算しつくす脚本はさすが。この時期ならではの?セリフも粋だ。『無心』の意味するものは何なのか?帰りの電車で、もう一度頭の中での芝居が始まったーー。

  • 満足度★★★★★

    間違いなく面白いきたむら脚本!
    劇団東京フェスティバル「無心」を観劇。流石、ハズレの無いきたむら脚本。基地問題をテーマに沖縄の人達の今が描かれる。どっちが正しいってのは無い。納得できない事はたくさんある。でも前に進まなきゃいけない。明るく、わかりやすく、素晴らしい!って思わせてくれます。胸にドンと刺さる、悔しいけど間違いなく面白いとおススメできる作品です。パンフレットの写真は沖縄だから海なのかと思いきやブルーシートだそうで。よく見ると見慣れた格子状の線がw 

  • 満足度★★★★★

    基地建設反対!
    という政府抵抗話だと・・・暗躍裏切り密告疑心暗鬼等々描かれるのかと思いきや、皆が正論吐きつつも生活感強く生きてるなぁ地元に密着して・・と思える見事な作品でありました。

    う~む素直に人に薦められるなぁと思えた1時間50分ほどです

  • 満足度★★★★

    今日の問題を分かりやすく 【長谷部優 版】
    沖縄県における米軍基地反対運動の話。
    その問題意識は分かりやすく、誠実な捉え(観せ)方をしていると思う。実際に起きている事柄をいくつかの視点から検証させるような描き方である。
    公演として、登場人物はみな善人でその場所...米軍基地反対小屋での立場の違いはあるが、本音としての思いは同じである、とのようだ。
    次の点に興味を持ち、同時に気になるところも...。

    ネタバレBOX

    興味深く観たところは...
    第一、沖縄県民による基地反対派と基地(容認)移転派の鬩ぎあい。そこには治安・環境と経済依存という対立面があることは周知のこと。それを日米地位協定を絡め、東京(羽田)と沖縄(那覇)の民間航空運賃・飛行時間を例にとり分かりやすく説明する。

    第二、沖縄県以外の人が基地反対運動の応援することに対する、県民の考え、思いが語られる。ここでは、東京(立川)から来た反対運動者の視点を通じて問題提起をしていた。

    第三、基地反対派のリーダーの娘と米兵との恋愛。その国籍・立場を超えた人間(本能)的感情の素晴らしさ、父親としての心情が覗く。その例として基地の兵による暴行などが悲惨な事件として語られる。

    この物語の舞台セットは、中央に「基地反対違法工作物」としての小屋が建つ。そして反対プラカード。音響に米軍機の爆音が...。

    気になるところは...
    沖縄県以外の人(自分も含め)は日常的に現実を見ていないが、逆に沖縄県民が自分たちの直面している問題を疾病(痛風)の身体症状の比喩表現として...”小指”ほどという認識・同調?であるとすれば残念である。

    さて、日本には第二次世界大戦後に制定発布した「日本国憲法」があるが、それとは別に新日米安保条約に基づき日米で締結した「(日米)地位協定」がある。この協定により在日米軍の取り扱い(治外法権、特に裁判権)は、日本国内であっても日本の法律より優先され、駐在公館(兵は外交官扱い)のようである。1995年に起きた沖縄米兵少女暴行事件等、また、それ以外にニュースにならない痛ましい事件があるかもしれない。日本の中にあってその主権が及ばないという不思議さ。日本国憲法との関係は整理できるのか等々、自分で思考することの重要性を投げかけてくる。
    芝居としては、重要な問題提起をしているが、重くならず客観的な描写に徹していたようだ。一人ひとりの立場、考え方の違いがある中で、それでも敢えて沖縄県米軍基地問題を今日的テーマとして取り上げた意義は大きいと思う。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    沖縄って
    観光地のイメージしかなかったり、米軍って日本で何してるんだろうくらいにしか思ってなかった、、、もういい年の大人としていい勉強にもなり、よかったです。みんな、人間なんだなぁって、◯◯な価値観はダメってなるんじゃなくて、色んな価値観を認めつつ、何がより良い選択なのか考えるって、すごく難しいけど大事なことだなって思いました。

  • 満足度★★★★

    【長谷部優出演の回】観劇
    基地問題の解決は朝一夕にはいきませんが、少なくとも地元住民のためにやるべきことはあります。

    ネタバレBOX

    沖縄の米軍基地移設に伴い軍港として開発される地元住民の反対運動を描いた話。

    反対派住民にも事情があったり、ゼロか100では解決できないというのは分かりますが、全基地撤去という手持ち看板があったように、とにかく反対という人がいても当然だと思っていたので、娘が米兵と付き合っている、妻の病気等でお金が要る、父親の土建業が基地工事に入札予定など登場した地元住民全員に事情があって、しかもそれぞれが相手を慮る優しさを有するというのは少し緩すぎではないかと思いつつ観ていました。

    それでも、最後は一人はインターネットで一口地主を募集するファンドを作って土地を売り、別の人は父親の元を離れその土地で起業する会社に参加するなど新しい生き方を模索したことで少しスッキリはしました。

    沖縄の基地問題は人間の足の小指のようは言い得て妙でした。柱にぶつけると痛いです。痛風だと特に。そして、地位協定がプリン体という例えはあまりピンとは来ませんでしたが、痛風治癒にはプリン体を減らすことが必要なように、住民の権利向上には地位協定の見直しが必要なことは理解しました。
  • 満足度★★★★★

    矛盾の中で生きている
    今回も唸らされた。やっぱり東フェスの芝居にハズレはない。難しい問題を題材にしているけど、キチンと観客を楽しませる姿勢にはいつも感服します。皆生活とプライドの間で揺れながら生きている訳ですが、少しでもいい方向に行ってくれればと思います。

  • 満足度★★★★★

    『無心』明るく真剣に沖縄問題と向き合う♪AKB菜月さん可愛い!
    絶妙の間と演技で、笑いをはさみながら、軽~いテイストで、本当に楽しい公演でした。
    が、底流に流れているものは、今、沖縄が抱える問題、若者の持つ葛藤、名誉と経済の間で揺れる人々、沖縄のありのままを投げかけられます。

    それでも前を向いて生きていこうという沖縄の方の明るさに、救われた形のラストですが、何も変わらない沖縄の問題について、みんなで考えないと!
    と思いました。

    追伸、小嶋菜月さん、かわいかったです♪
    演技もお上手でした!
    米山穂香さんも。

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