満足度★★★★★
心から染み出る笑い
平田満、井上加奈子夫妻の「アル☆カンパニー」による舞台。平田さんが豊橋出身とのことで、2013年に「穂の国とよはし芸術劇場」のこけら落とし公演として上演された。その時も評判だったという舞台の再演だ。
実家で一人暮らしをする父親を誰が面倒見るのか。四人の男兄弟が実家に集まる。それぞれ、家庭や仕事でさまざまな問題を抱えている。長男は「老老介護になるから嫌だ」といい、二男は会社経営が忙しい、三男は離婚してそんな余裕なし、四男はしがない役者さん。だが、お父さんを引き取れない理由はそんなことではなかった。
この戯曲の秀逸なところは、結構深刻な話なんだけどわりと気軽にのぞき見ができて、しかも心にしみいるような笑いができること。このような戯曲を書いた、田村孝裕さんという作家に拍手を送りたい。
満足度★★★★★
ポッポッポッポッ
いくつになったって、親子であり、兄であり、弟である・・・生まれ育った家が、時を戻してくれる、思い出させてくれる、心をほぐしてくれる。普段の手入れが大事と教えてくれる。人生のどのタイミングで対面しても感じるものがあるだろう作品。そこにいるだけで説得力のある五人が真顔で笑わせてくるのが嬉しい。
満足度★★★★
父よ!(再演)
約1時間40分。母亡き後、一人暮らす父について、おじさん四兄弟が相談する。田村孝裕さん作・演出の笑いがふんだんで、シビアな家庭劇。平田満さんのイケメン系サラリーマンが新鮮。花王おさむさんの鋭いまなざしに胸きゅん♪紅一点の井上加奈子さんが女性の優しさ、したたかさを担い、男女の闘いの歴史も分厚く見せる。包容力のある大人のお芝居。最後はありゃ泣くよ!