ねじられた周波数 公演情報 ねじられた周波数」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    実存的他者と出会うべし
     2人兄弟の弟の方が、多重人格障害を負っている兄弟の話なのだが、何だか腑に落ちないと観劇中に感じて居た原因が、分かった。

    ネタバレBOX

    今作では、生まれることができなかった三男が、二男の別人格して登場するのであるが、通常心理学的には、多重人格障害を持つに至った患者の多くが、小さな頃に虐待受けていたり、戦争による深いトラウマを抱えていたりすることが、発症の原因である。
     然し、今作では、この世に存在したことがない三男が、存在したかったというパトスだけで、キチンと産んでくれなかった母を殺したり、二男が現れていない時に三男が現れてそういう行為に至ったことを隠す為に、長男が事件現場に火を放ったりと、主体の置き方が誤っていることによって生じた論理破綻を、恰も自同律の永劫回帰のように見せ掛けている。
     自分にもなるほどと思えるケースは、二男が何らかの理由で深い魂の傷を負い、その為に他の人格を作りだしてゆくという形にすると、その悲劇性を際立たせることができると考える。出てこない父が、二男の目の前で特高の凄惨な拷問によって殺された等でもよかろう。戦争プロパガンダの話も出てくるのだし、日本の特高の拷問は凄まじいものであったのは事実であるから。まして、安倍のような阿呆が、戦前・戦中の治安維持法より悪い法を成立させているし、更に悪化させようしている最中でもあるのだから。

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