石のような水 公演情報 石のような水」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    俳優修練の成果と言える。
    2013年F/Tで初演された松田正隆氏の書下し+松本雄吉(維新派)演出の‘鳴り物入り’舞台を観ていたので、何やら難解だった芝居をもう一度見返したさで観劇に臨んだ。きっと背伸びした舞台に違いないが、問題はその度合い・・と期待不安半々だったが、大作に挑んだ力作であった。(但し、二度目がちょうど良い、とは言えるか。)
    開演すぐ。丁寧な作りに素朴に驚く。俳優は手練の風格さえ。松田正隆の「間」「行間」に語らせる会話がきちんと辿られ、詩的というか哲学的、網羅的?な戯曲の世界がじわじわと立ち上がる快感に浸った。こんなに判りやすい話だったろうか?というくらい幾つかの男女関係の顛末に終始していると言えば終始した「メロドラマ」。だが記しておきたいのは舞台に立ち上がっていた、この架空世界の空気、匂い、色、終末観に近いそれらだ。交わされる言葉の中に意味ありげな哲学的な問いが紛れているが、会話は成立していてその関係の中から出て来た言葉に感じさせている。だから「難解」なのかも知れない。
    登場人物はそれぞれの関係でのエピソードを抱えながら、どこかで接点を持って繋がっており、その接点も含めて全体が、社会の断面として見えるようである。その社会とは、近未来、あるいは遠未来か・・ある事象が謎を投げかけているものの、モードは殆ど現代。「どこか、こことは別の世界」への憧憬よりも、「今」を映し出そうとする強い衝動からの、SF的設定と感じる。
    ・・隕石の墜落によって出来た巨大な穴=ゾーンという立入禁止区域があり、ここに入ると死者に会える事があるという。ゾーンへの案内人が存在し、つてを辿って時々、ゾーンに入りたいと依頼者が来る。案内人は親から子へ受け継がれるものらしく、秘められた仕事のようで公然と行なわれている風ではない・・というのがその設定。二人の依頼者がゾーンへ入って行くエピソードも進行し、哲学的な<?>がこの劇を色濃く染めて行く。人物皆そうだが、特に中心的人物の一人であるマイナーラジオ番組のDJの女性の謎めいた性質が、場面を追うごとに徐々に妖しさを放っていく。『惑星ソラリス』(タルコフスキーと聞いて思い出した)と、言われてみれば通底するようだ確かに。心地よさは反芻したくなる。よく仕上げたと思う。

  • 満足度★★★★

    あーあ
    5分間の休憩を入れて2時間40分の超大作でしたが、

    ネタバレBOX

    結局は幽霊物でした。

    松田正隆作品の中では、静かな会話の中から女の執念がにじみ出てくるような作品は好きですが、日常と非日常の不思議感覚を描くのに幽霊を登場させる手法にはがっかりです。松田正隆作品はなるべく観たいと思っていましたが、幽霊物が意外に多いようで少し考え方を改めました。

    ただこの公演については、作品のことではなく、出演者のことを第一に述べるべきなのかもしれません。出演者の抑制の効いた演技はそこそこ素敵でした。
  • 無題1450(15-098)
    19:00の回(雨)。18:50会場着、受付(整理番号付ですがすでに開場済み)、並んでいるのは当日券の方でしょうか。満席で通路に追加椅子席。

    19:00前説(5分休憩ありで160分)、19:04開演~20:17、20:27~21:49終演。

    「映画作家アンドレイ・タルコフスキーの作品をモチーフに」とあったので観に来ましたが期待はずれ、ほとんどわかりませんでした。

    ストルガツキーではなくタルコフスキーだというところが弱点に思え、「ゾーン」が出てこなければならない理由はどこにもなく、「水」に深みがあるのでもない。

    短い間隔での場転(なぜギター?)が散漫さを強調、美術ももうひとつ。

    冒頭のピクニックは「路傍のピクニック」から?

    役者さんが...というのではなく、脚本と演出があいませんでしたし、とにかく長い。

    ネタバレBOX

    死者に会う話なら「ツナグ(辻村 深月著)」のほうがずっと好き。

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