満足度★★
名前が仰々しい割に、やってることは割と普通
『話し言葉の百科全書』プロジェクトとは、我々にとって身近な言葉を日常から拾い集めて俳優に再現させる試み。
仰々しいネーミングから物凄いものを期待したが、蓋を開けたら割とよくある試みだった。
宮沢章夫は3.11の震災直後に街なかで拾った会話を俳優たちに再現させたし、ジョビジョバはTVバラエティー『堂本兄弟』における出演者間のやり取りを“心の声”付きでコピーした。憶測による“吉田拓郎の心の声”がとても面白かったのを覚えている。
フランス人のジョリス・ラコストによるこのプロジェクトでも、街で拾った会話やTVのやり取りはもちろん、いろんな話し言葉が再現の対象にされているが、こういうものは、日本の演劇人が取り組んだほうが良い成果を上げそう。
個人的に、ラコストさんのは、収集する話し言葉の選択があまり面白くないと感じた。
トークセッションを聞いた感じだと、ラコストさんは面白い話し言葉を拾うことを第一目標にはしてないようだが、笑いがくるとやっぱり嬉しそう。
だったら、アート寄りの作りでなく、もっともっとエンタメ寄りにしてはどうなのか?
そのほうがこのプロジェクトのことをより広く知ってもらえるし、きっと良い気がする。
満足度★★★★
まるで言葉のオーケストラ
デモンストレーションでは、4つのシーン(せり市の風景、電話の内容、日本人とフランス人の会話、実況中継)という言葉の異なる会話を披露したり、トークでは、VTRを見ながら、指揮者付きの22人という言葉のオーケストラ人種や、言葉の違い超えながらも、「話し言葉」の新作がどういうに制作していくのか、完成はまだですが、こういう言葉のオーケストラの世界観を感じた、75分でした。