マインドファクトリー~丸める者たち~ 公演情報 マインドファクトリー~丸める者たち~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
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  • 満足度★★★

    惜しい
    一寸長過ぎる。明らかに削っていいと思われるシーンが多い。必要のないキャストも多い。更に場転もモッサリしていて観る側が切れてしまいそう。ただ、人物造形は素晴らしいし、テキストも嫌いじゃない。山森信太郎は物語の中での効き方が特に良かった。百花亜希の使い方が勿体ない。全体的に惜しい。次回作に期待。

  • 満足度★★★

    長くて疲れた
    個人的には、いらないだろうシーンや場転が多く、モッサリした印象。2時間20分という実際の時間以上に長く感じ集中力が持たず疲れてしまった。
    内容については笑える箇所や考えさせられる内容ではあったかと思うが、上記の通り集中力が持たずちゃんと理解出来ていない感じがして残念である。

    シーンを削ったりする等、スッキリさせたら印象が違うんだろうと感じた。

    とにかく長くて疲れたというのが印象。

  • 満足度★★

    ただゲンナリ
    ただただゲンナリさせられた。
    胸糞悪い思いをさせられて「良かった」と言う趣味は無いので、正直金を払って嫌な気分になった。
    上演時間の長さが無駄なシーンの積み重ねだったり、見るべき所の無い転換の多さだったり、芝居の質は悪くないのに、色んな所が惜しいと感じた。

  • 満足度★★★★

    胸くそ悪かったです(いい意味で)
    観ている間中ずっと胸くそが悪かったです(いい意味で)。

    そして、見終わった後にこんなにカタルシスがないのも久しぶりでした(いい意味で)。


    物語は田舎の高校野球部のメンバーとその監督を中心に話が進んでいきます。
    この監督がまぁ、理不尽・でかい・顔が怖いと現実世界では絶対に関わりたくないタイプの人間で。
    なんだが松岡修造から愛を引いて暴力を足したようなそんな人物でした。


    弱小だった野球部をベスト16にまで導いたってことで周りの教師やら町の人やらには評判が良くて。
    暴力行為もなんだかんだ好意的に解釈されて全部うやむやにされていくという。


    主人公のキャプテンをはじめ野球部員は逃げるに逃げられず不満をぶつけられるわけもなくただひたすら耐え続けるという地獄のような状況なんです。


    でも、この構図って「田舎」とか「体育会系」とかあんまり関係なくどこにでも転がっている、言ってしまえば「ありふれた話」でもあるのでは。現に体育会系とは縁遠い生活を送ってきた身でも、理不尽な禅問答ふっかけてきたり、力関係をフル活用するやつは人生でいくらでも出会ってきたなぁと。


    そして、もちろん一番むかつくのは野球部監督なんですが、それを良しとしてしまう周りの大人だったり、抜けると決めてもビビってしまって結局従うだけの周りの部員とか、最終的に屈してしまう主人公とかも含めて自分を重ねて、凄いいやな気分になるんですよ。

    パンフレットで作・演の池内さんも書かれていましたが、(おそらく作品の結構な割合が池内さんの身に起きていたこと)まだ出来事から抜け出せていない。どうすればいいのかわからないっていうことなんじゃないでしょうか。

    第3回公演ということで、これから長いお付き合いになりそうな劇団になりそうです。いつか、この現実を乗り越えられるような作品を作ってくると嬉しいです。

  • 満足度★★★★★

    理不尽な現実
    あまりに理不尽だが、恐らく多くの部分で作・演出の池内風氏の実体験であろう舞台。コメディ調ではあるが、高校の部活動について考えさせられる。
    以下、ネタバレで。

    ネタバレBOX

    創立間もない高校野球部の話であるが、県大会で前年ベスト16まで進んだことで、今年度の部員たちにも多くの期待がかかる。
    だが、野球部の顧問は自分の理論を元に部員たちに手をあげていた。
    この理論があまりに理不尽であるが、周りの期待や悪い意味でチームワークを乱すと考えてしまい部員達は受け入れている。
    多感な時期であるが、一方的な理論での考え方しか与えられなければ、善悪の判断も鈍るのであろうか。いや、田舎の野球部を強くした町の英雄である監督には絶対的な権限が与えられており、逆らう事は出来ないのであろう。両親の支えもあり、退部を決断するが最後は力つきてしまう田所主将はよくやったと褒めてあげたい。

    この話で一番怖いのは、止めるべき周りの大人達がいない事だ。ともすれば、まるでそれが正当かと思ってしまっている。養護教諭や野球部部長、また最初の頃の徳原部員の父しかりだ。
    他の先生方も治外法権的な野球部には深く関わろうとはしない。
    また、監督も自分の理論が間違っているとは思っていないのであろう。
    近年も同様の問題が報道されたが、その際も先生を擁護する声が多く聞かれた。マインドファクトリーとは良くつけた名前だと感じた。
    (鶏のシーンもそうですね)

    リアルな脚本と役者さん達の熱演により色々と考えさせられる舞台でした。個人的には、監督役の山森信太郎さん、田所主将役の杉浦一輝さん、養護教諭役の百花亜希さん、そして田所主将の母役の中島美紀さんが印象的でした。他の方も皆さん熱演で、オープニング前の応援シーンで本当に力をいれて手を振っているのが分かり、始まる前に本舞台の期待が高まったのも覚えております。

    少し残念なのは他の方も書かれておりましたが、暗転の多さと公演時間が少し長過ぎると感じてしまいました。

    コメディ調は残しながらも、前作とはうってかわった本劇団の次回公演が今から楽しみです。
  • 満足度★★★★★

    これが実態なのか
    無性に怒りがこみ上げてきました。

    ネタバレBOX

    無理偏にゲンコツと書いて云々のような理不尽な高校野球の世界を描いたストーリーかと思いながら観ていましたが、途中から地方の名士とも言える立場を利用した監督によるパワハラ、セクハラどころではない暴力犯罪、性犯罪の実態を知らしめる重苦しい展開となりました。

    フィクションだとしても火のないところに煙は立たずで、多かれ少なかれ高校スポーツの世界ではこのようなことが行われているのかと思うと、腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。

    随分可愛い劇団名に騙され、題名も意味が良く分からないまま観ましたが、野球部がマインドコントロールして自由に操ることのできる人材を作り出す工場のようだという意味だと観終わってから理解できました。

    ところで、冒頭の試合中継の場面で、ツーストライクワンボールとかの表現がありました。ストライクを先に言う時代の話なのかもしれませんが、それならば球場の電光掲示板がBSOの順番になっていたのは変で違和感を覚えました。
  • 満足度★★★★★

    驚きました。
    こんな強烈なメッセージ性のある物語になるとは思わなかった。
    野球部と監督と学校を通した日本の精神構造の縮図。
    2時間20分と聞いたときは覚悟したが、後半の展開に主人公の心理描写に目が離せなかった。
    こんな団体だったんだ。と、本質を覗いた気分で興奮した。

    ネタバレBOX

    普段ネタバレを書かないが、今日はどうしても書きたい気持ちになった。

    中盤は作・演出の池内風さんの持ち味でもある笑いの展開が多く散りばめられて、

    安心して笑っていたがこの安心感があとから強烈な嫌悪を抱くことになる。

    マネージャー、母親、部員との話し合いの中で田所の心境が目まぐるしく変わる中、

    最終的に監督の権力と力にねじ伏せられる様は、正に今の日本の政治事情と重なる。

    言論、論理、ルールなどはほぼ存在しないし無意味なのではないか?

    と、電車に乗りながらずっと心がスッキリしない良い身で後味の悪い作品になっている。

    ラストシーンの美しさには鳥肌たちました。

    個人的には保健の先生がベランダで野球部を肯定していくシーンがとても恐ろしく写った。

    この作品では最後に解き放たれるけれど、気づかぬ内に加害者側に加担しているなんてことは日常的にあることで、今の自分を冷静にみれていないといけない。なんてことを思った。解き放たれる不幸もあるが。

    この劇団がたくさんの観客の目線にさらされて、どのような作品が生み出されていくか非常に楽しみである。
  • 満足度★★★★

    長くて上手い
    見終わった印象は、役者がみんなキャラクターが立っていて上手い!野球部の顧問が登場するたびにムカついいていました。
    ストーリー展開もとてもうまくて飽きませんでした。

    でも、長すぎると思うところがあるように感じました。面白いけど省けるところがあったのではないかと感じました。

    それに面白いけれど場面が短すぎて暗転になるところが前半多すぎて感情移入しにくかった。

    舞台はテレビや映画ではないのでカット割りが目の前で行われているように感じました。大道具移動を見ていて楽しいもっとショウみたいにできないか?

    いろいろな可能性を感じられる劇団でした。

  • 満足度★★★★

    確かに、ある意味で喜劇。でも断じてコメディーじゃあない。/約145分
    超ワンマンで横暴な監督のもと、普通の高校生には無縁な数々の理不尽を味わわされる野球部員たちの物語。
    監督の言動・行動には想像では生み出し得ないリアリティと凄み、いやったらしさがあり、話はほぼ実話だろうと想像されるが、作・演出家の分身とおぼしき主人公はよくもあんなつらい日々に耐えたもんだなぁ、とつくづく。
    主張する演劇ではなく、客に問いかけ考えさせるタイプの演劇なので、腑に落ちないものを抱え込んで劇場を去る人も多かろうし、私もその一人だったが、主人公も監督も配役がドンピシャだわ、監督の鬼っぷりを示すシーンはハンパない生々しさだわ、百花亜季さんの役どころは魅力的だわ、何より話がリアルだわで、私はむんずと心をつかまれ、150分近い上演時間もさほど長くは感じなかった。
    そしておそらく、いろんな工夫が盛り込まれた攻めの演出も見飽きなかった一要因。

    ネタバレBOX

    で、この問題監督に言いがかりをつけられては殴られていた苛酷な日々は、主人公すなわち作・演出家の人格形成にプラスに働いたのか、マイナスに働いたのか?
    チラシの文章を読んだ上で鑑賞すれば、当然のようにこんな疑問が湧いてくるが、それには答えずに劇は終わる。
    この点について作・演出家はどう考えているのか、アフタートークがあれば聞いてみたかったもの。
    ただ、作・演出家は先輩演劇人からの人望もあついようだし、現段階では「まとも」な人生を歩んでいるように思える。
    だとすると、今のところ大きく道を逸れてはいないその人生には、野球部時代に培った我慢強さが糧となって生かされているということなのか?
    ならば、問題監督のもとで過ごした日々は無駄ではなかったということなのか?
    それは作・演出家自身にも分からないのかもしれないが、面白く感じたのは、監督が“完全なヒール”としては描かれていない点。
    “この人にも一理あるかも…”
    そう思わす余地を残すような描き方がなされているのは、作・演出家がこのワンマン監督にいくばくかの正しさをどこかで感じているせいなのか?
    それもやっぱり分からないが、一つ思ったのは、監督との出会いがなくても作・演出家は演劇をやっていただろうかということ。
    自分のことじゃないから軽々なことは言えないけれど、おかしな監督との出会いが呼び起こした“人間って何だ!?”という問題意識が作・演出家を演劇へと後押ししたということはあってもおかしくないかもしれない。
  • 満足度★★★

    理不尽の洗礼
    受け手側の取り次第だから、さらっと流せる人もいれば、トラウマレベルで人生を狂わされちゃう人もいる。仲間だと思った人が向こう側だったりするのも世の常。上演時間がもう少しだけ短ければなぁ。

  • 満足度★★★★★

    嫌悪感がするが、芝居は凄い!
    かわいい劇団名とは違う、嫌悪感のする内容である。観客の受け取り方に違いがあるだろうが、それだけ芝居...自分は演出・演技に見応えを感じた。
    この芝居から感じるのは、いろいろな柵(しがらみ)、閉塞感から脱却したく、もがく若者がいるという印象である。
    この公演の目を背けたくなるような迫力、圧迫感は半端ではない(芝居としては好意的な意味)。

    少し気になる所もあるが...。

    ネタバレBOX

    弱小野球部から強豪校へ変貌してきた、地方の高校野球部が舞台。劇団主宰の池内風 氏の実話のようにも思える。この地方、ナレーションでは人口5,000人程の町で、その希望、誇りがこの高校野球部(存在)である。この強豪校へ育て上げた監督(永田祐一郎役=山森信太郎さん)の嫌らしさが鼻に付く。球児達を力で押さえつけ、屁理屈のような理論を言い、なぜか説得力、納得性ある言葉に聞こえるから不思議である。それだけ台詞が立っているのだろう。この監督の悪辣感ある演技がこの公演の見所の一つといっても過言ではないと思う。まさしく、”ハマッテ”いた。

    舞台セットは、野球ネット(もっと粗い)サークル(2m以上の高衝立)のようなものを可動させ、その組み合わせで状況設定をイメージさせる。いわゆる薄暗い中での場面転換をする。その都度、キャストが力仕事をする。この場面転換が頻繁に行われ、始めのうちは違和感を持った。公演全体を通してこのスタイルは続くが、段々と芝居の迫力・強烈さに押され、自然と見入るようになった。

    キャストの球児達は全員が坊主頭になっており、役作りへの姿勢も素晴らしい。この監督の理不尽に向かう純粋さと若さゆえの懊悩を上手く表現していた。それも球児達の家庭環境、置かれている立場も絡めながら、丁寧に描いており、キャストはその意を十分現していた。

    地域、学校、家族、仲間...その狭い繋がりの中で、それぞれが持つ、または持たされる期待と誇りが当人達をジワッと追い詰めていく。このまとわりつくような嫌悪感、閉塞感が、実際ありそうで、それが表面化しないだけ。そのような危うい問題を内包しているようで、実に上手いシチュエーションである。

    先に記載した気になる点...途中で挿入された、”鶏の場面”は何を意味しているのは分からなかった。弱い物(者)苛めのイメージか。
    もう一つは、薄暗い中での場面転換が多いこと。状況設定のための場面作りは分かるが、その状況はセットを動かさなくてもイメージができる。それよりも物語の流れやテンポの良さを優先して観せたほうが、という思いである。

    公式の2時間20分を越えていたと思うが、最後まで迫力・緊張をもって駆け抜け、その長さが気にならなかった。実に見事であった。

    次回公演も楽しみにしております。

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