劇団冷凍うさぎ × モンゴルズシアターカンパニー 公演情報 劇団冷凍うさぎ × モンゴルズシアターカンパニー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    死×死
    真っ赤な照明に照らされる殺戮の場面。
    繰り返し繰り返しコンクリートブロックを男の頭に振り下ろす女。
    それを見守る女の子と男の子と、蟹。
    事故で生き残った夫婦と、生き残った両親が死のうとしている様を見守る亡くなった兄妹、蟹。
    家族と、蟹。事故は蟹鍋の最中に。
    わたしの位置からは見守る二人と一匹の姿は、見えなかった。
    見えなかった分、どんな思いで見守っていたのかなと思い巡らす。
    思い巡らす余地のある、語りすぎない静かな芝居でした。
    夫婦の二人が、若さにそぐわぬ、その若さにでこんな空気感出す!?っていう素晴らしさで。
    あんなに静かな芝居なのに、全く退屈しなかったです、ヒリヒリしました。
    あの夫婦は、あぁして、悔恨の念に囚われたまま、死ぬより辛い同じ時を繰り返し続けるのだろう。

    モンゴルズシアターカンパニー『鼠』
    全く存じ上げなかった、未見かつ未知な劇団さん。
    でもイベントに大阪代表で選ばれたというのだから、それは期待が高まるというもので。
    これが火ゲキの妙、奇しくも対バン同士でテーマが被る。
    人の死、不吉の象徴である真っ赤な照明まで被る。

    暗闇の中、懐中電灯片手に何か探し物をする男性二人。
    二人は地下鉄の駅員、探しているのは電車に轢かれて亡くなった人の遺体。
    なにせ電車に轢かれたのだ、どんな状態になってるかわからない。
    ただただ匂い、血の臭い、生肉の臭いだけが立ち込める暗闇の中、そんな遺体を探すのは恐怖だろう。
    男性二人は、その恐怖から逃れようと会話をし続ける。
    対岸の火事とばかりに、電車が動かず恐らくは苛立ちながら、野次馬心理も潜めながら、早く見つけろよと何も悪くない駅員二人を、沢山のその他大勢が明るいホームから見下ろしている。
    そんな情景がまざまざと、ふたりの会話から脳裏に浮かび上がる。

    そんな極限の心理状態の中で、正気と狂気の狭間の中。
    探し物は鼠に群がられた状態で見つかる。
    あまりに凄惨、あまりに陰惨とした気分にさせられる舞台。
    イベントでは、もう少し楽しいのが観たかったという感想を頂いたのだそうな(笑)
    ダーク部門という分野があればよかったですねぇ。

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