満足度★★★
ちょっとステレオタイプ?
ベルトルト・ブレヒトとクルト・ヴァイル二人の仕事を一昨年(三文オペラ)、去年(マハゴニーの興亡)とやってきた三年目(七つの大罪)の上演であるが、シアターX「本物の俳優修業」シリーズに位置づけられた作品である。このシリーズ、勉強会やら、ワークショップやらをこなして佐品上演に結実させてゆくのだが、今作では、過去2作より、時間をとって、2週間通常の稽古に近いことをやった上での上演である。
但し、キリスト教国でもない日本で、キリスト教の罪の概念を反転させ、アイロニーとして用いている今作のアイロニカルな意味をどのくらいの日本人が意識化できたのか? という疑問と、倫理というものを宗教と密接に結び付ける一神教の発想に我々の宗教観や仏教的無常感がどの程度,親和性を持ちうるかについても、もっと掘り下げて欲しかった。
(追記2015.3.10:02:00)