満足度★★★★
第一部:振り付台詞劇/第二部:演劇的舞踊
前半と後半それぞれ1時間前後の出し物、休憩を挟む。第二部(ダンス)が本領で、演じ手もユニットのメンバー5人。掛け持ちは居らず、第一部は8人位で皆20代〜30代前半と見える。第一部は風変わりで、絶叫と駆け足の無いミクニヤナイハラ、と言えば伝わるだろうか。人物が一つのボールを転がして行くような具合に、イメージのバトンタッチをしながら台詞を繋げて行く。そのリズムと、発語に付随する動き・踊りがユニーク。喋る台詞(テキスト)そのものは、ある日初めて筆をとって想念を綴ったような青っぽさがあるが、コトバと、動きの連想ゲームを最後まで追わされ、ピリオドもしっかり打たれていた。人数が多く、動きも複雑なので、発語する身体の具合を感じ取るには私の座った席は遠く、1、2列目で見ればまた違った感じを受けたかも知れない。
圧巻は「本領」と言った第二部で、5人が入れ替わりに踊ったり揃って踊ったりマイクを持って喋ったり、歌いもするが、バックに流れる音楽や、弾き語りのような歌は皆手作り感たっぷり(使った楽器はせいぜいカシオの電子オルガンという感じ、だが計算なのかリズムを刻む打楽器音がジャストから微妙にズレて生っぽさがあり、それが手作り感、というか脱力スタイル(からの絞めでキメる)を作っている。5人の中の黒一点が主宰の健太郎氏、歌は声からして氏のようだ。緩急の鮮やかさと、様々な局面を繋いで飽きさせない流れは第一部にも通じるが、圧倒的に躍動感を伝える5人の踊り手の力量は、自分は舞踊には素人だが、特記しても構わないだろうと思う。踊り手が個々に持っている技術というより、個性、身体から放たれる魅力が、「つい見てしまう」理由で、それを引き出す内容(台本の代わりに譜面でもあるなら譜面とでも言うか)でもあった。
音に戻るが、他の者が作ろうとして作れない独特のリズム、アクセントの置き方は全て「踊り」から出ていて、ダンスとセットで生み出されているようだ。だからこそ<流暢>なパフォーマンスが実現できているのだろう。凡その舞踊は音(音楽)と共にあって、音と拮抗した踊りが良いように思える。
満足度★★★★
演劇作品+ダンス作品。熱い稽古風景が目に浮かぶ、妥協なき2作品を堪能。/約145分(休憩込み)
演劇とダンスの2本立て公演。
いずれの作品からもKENTARO!!さんの高い志、創作に対する妥協なき姿勢が伝わってきて、とても見応えがあった。
演劇作品『浅い河床の例え話』は正直ワケが分からなかったが(失敬!)、演出も演技もカッチリ、音楽や音効、照明の用い方にも強い創意とこだわりがうかがえ、ずっと前のめりで鑑賞。
意味不明でも、描かれている何時とも何処とも知れない世界に生きる者らの底知れない淋しさはひしひしと伝わってきて、その寂寥を持てる創意を振り絞ってしっかり表現してのけたというその一点だけをもってしてもこの作品は評価に値すると思った。
演劇作品といっても、主に舞踊作品を作っているKENTARO!!さんの作品とあって、人物の配置の仕方やキャストの繰り出す動きには美と面白味が感じられて、そうした点でも魅きつける。
キャストはどなたもダンサーではなく役者なのに、難度の高そうな動きもしっかりかっちり表現していて、ハンパない努力の跡が窺えた。
演劇作品とは別キャスト、カンパニーのメンバーだけで上演されたダンス作品『島棚』も秀逸。
躍動感と優美さが綯い交ぜになった群舞は、鑑賞するうち生(せい)の原風景を見ているような気分にさせられて懐かしく、胸が震えた。
満足度★★★★
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演劇についてはKENTARO!!のダンス作品を演劇の形にするとこうなる、といった感じで、TESとQが好きなので気に入ったが、一般受けするか疑問ではある。ダンスはアップテンポが多くてなじみやすく、熱演だった。
満足度★★★★
KANTARO!さんの脚本処女作
KENTARO!さんが、すごくやりたかった、演劇は、演技と身体表現が融合しており、KANTARO!さんの脚本処女作としては、まあまあでしたね。ダンスのほうは、いつもとおりながらも、表現も進化しており、演劇もダンスの2本立ては初めての試みでしたが、よかったです。