満足度★★★★
観る客を選ぶ作品で「万人にオススメ」とは言い難い
冒頭からいきなり緊迫した場面で、人物は皆病んでいるらしく、言うことも食い違って何が真実で何が幻想・妄想なのか見極め辛いし、全体としてかなりヤなハナシで後味も決して良くないのに演劇表現として面白く眼を逸らすことが出来なかった。
いくつかの場面は後半で再び演じられた時にその背景などがワカるようになっているし、照明も特徴的なものがあるし、砂地ではお馴染みの(?)日常音の使い方はあるし、構図の良い場面は多いし…。
ただ、観る客を選ぶ作品で「万人にオススメ」とは言い難い。(笑)
満足度★★
薄気味悪い
父親と娘と兄と、実は娘が生んだ子供だった。
4人の舞台でした。
話しは、ニュースで取り上げられるような、児童虐待や、ニュースで是非取り上げて欲しい、近親相姦の話し。
そう言う意味では、父親が娘を犯す事は、実は良くある話ですが、声を挙げていう事が出来ないこの社会を舞台にするのは有意義だったと思います。
満足度★★★★
親と子、同じ血が流れる!
現代社会における家族の問題の多くを含んだ芝居で、2度おこる効果音に心臓がびっくりします。
岩野さんの暴力シーンは迫力ありましたー、目の前だけに!
役者の相当なエネルギー消耗を心配すりほどの本気モード。
ただ、脚本的に答えの出ない話で投げかけになっているのが、玉に瑕でしょうか。
満足度★★★★★
今後大いに楽しみなユニット
観劇当日はTBSドラマ「高校教師」再放送の最終日であった。このドラマは当時ドラマで取り扱うことがタブーとされていた近親相姦等を取り上げた、今やトレンディドラマの大御所となった野島伸司の30歳の作品である。演出を手掛けた船岩祐太氏も当時の野島氏と同年齢であり父と娘の近親相姦を描いたものがほとんど無い中で同日目にするとは何か因縁めいたものを感じた。
舞台は4名の役者の高揚状態に終始し、こちらが少しでも息をつこうとすると置いてきぼりを食いそうな目の離せない2時間弱であった。
客席がステージをはさむ手法は先々月閉館した青山円形劇場をはじめ、何度か拝見させていただいたが、4名の役者の、特にコーナーの使い方によるフォーメーションは素晴らしいの一言。台詞を発している役者以外にも同時に目を配ると、それぞれが自らの役を演じており、常に四方に目配りする視覚的にも全く休めない、いい意味での緊張感の連続であった。
代表の松本光生さんの味のある演技を始め、3名の男優がそれぞれの個性をはっきり主張できていた。
しかし何と言っても特筆は主演の岩野未知さん。これだけの逸材がいたとは驚くばかり、係累でも心を奪われるであろう美しすぎる容姿に加え他の力量あふれる3名の男優を終始圧倒し続けた卓越した演技力。ともすると約50名の観客まで皆彼女がかもし出す空間の支配下に置かれている感すら抱いた。
今回が旗揚げで「ユニットでの活動」とのことであるが、今後はどのような発表をしていくのか。大いに期待したい。
満足度★★
正直自分には合わなかったなぁと
からくりは単純であったが、見せ方がチョットかなぁと感じたんですよ。
騒々しさが前面に感じ過ぎたですよ、もっと抑揚とか見せて欲しかった。
観客に見せる視点を上手に判り易くして欲しかったなぁと思えた約90分。
満足度★★★★
冷蔵庫
身近な家族に対する一方的な暴力がドミノのように連鎖していく。
父は子どもを殴り、やがて殴られた兄は母を、娘は赤ん坊を、そして兄は自分自身を、
それぞれ勝手な理由で叩きのめす。
淡々とした描写が一転驚きの展開、一気に緊張が高まるオープニングが秀逸。
4人の中でただひとりの女性の声がハスキーで実に魅力的だった。
ただ、勢いに頼る台詞には切羽詰まった感がにじまない。
若手が若干“台詞に負け気味”だったのが残念だったが、エネルギーは伝わって来た。
ラスト近く「目乾いてが黒くなって・・・」という台詞にリアルで不気味な手触りを感じた。
満足度★★★
衝撃的な幕開けから始まる
4人の役者さんによる濃密な会話劇。連鎖する虐待という極めて重いテーマを正面から扱って見応えありました。最初のシーン、スペース雑遊の構造を知っていても、かなりショッキング。一瞬にして劇場が不穏な空気に包まれましたね。音響、ライティングの演出も見事で、こうした小劇場ならではの舞台でした。ただ、暗転無しのこれだけの会話劇を、緊張感を保ちつつ最後まで魅せ続けるには、ちょっとセリフが甘かったですね。滑舌の悪さも気になった。こういうの一旦気になってしまうと、こうしたタイプの劇は最後まで抜けられない。あ、小物の使い方がリアリティがあって見事でした。なんか怖かったです。