ぶた草の庭 公演情報 ぶた草の庭」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    フィクションとは思えないリアリティに釣り込まれた。/約110分
     笑いを織り込みながらも、描かれていることは極めて重く、まるで日本の某地で起きている事柄のグロテスクな写し絵の如し。他人事とはとても思えず、否応なしに劇世界に引きずり込まれた。
     話が進むにつれ笑いが薄れていくのは、扱われている事柄の洒落にならなさを図らずも表しているかのようで、なんだかゾワゾワさせられました。

    ネタバレBOX

     ある施設に隔離されて集団生活を送る横川病患者の物語。
     この横川病という重い伝染病は架空の病であろうが、国も関わる巨大施設が感染源とされていること等から、患者たちがあの大事故の被害者を暗示しているのは明白。
     国からのケアがどんどん杜撰になっていくあたりは最悪の事態を予見しているかのようで、背筋が寒くなった。
     結束して国を訴えたりしないよう、患者たちが各地の施設にバラバラに収容されているという設定もじつにリアル。
     

  • 満足度★★★★

    残酷さとの背中合わせ
    先の見えない閉塞感満載の世界で、あれだけ平穏なチームワークを気付いている点が浮いてる点でもあるし、リーダの資質に対するエクスキューズでもあるわけだが。
    チーム構成に変更が発生した後から人間のおぞましい一面が見え始めるわけだが、ここのドロドロさはもう少し踏み込んでもよかったかも。

  • 満足度★★★★

    登場人物達の会話が、なかなか楽しめた舞台でありました。
    とても哀しい設定なのに、すがすがしく前向きになれる喜劇を創りたいと意気込んでいます。演劇本来の醍醐味である「嘘の世界を信じてもらうこと」を目標に、MONO得意の会話劇をより洗練させ、演出も極力抑えて、いつまでもその世界にいたくなるような、そんな舞台にいたします。これぞ劇団の芝居だと思ってもらえるような代表作にするつもりです。   <土田英生>

    という上記の劇団さんの希望は叶ったなぁって思えた約1時間50分でした

    ネタバレBOX

    劇団の望む結末だったんでしょうが、自分の希望としてはキチンとしたオチがついた方が好ましかった(オープンエンドで結末は観客の皆様の御想像にお任せしますでした)。と思えたので星は4つまでとなりました。 代表作にしたいという希望あらば、結末をアドベンチャーゲームみたくいろいろなVerとして1~2個作って。尚且つトゥルーエンド(笑)Verとかあれば嬉しい=面白いかなって思いました。 (DVDとか動画として残すなら特典映像で別オチを付けるとかいかがでしょうか(^^)

    さてお話は自分の好物なSFものでしたわ(^^)
    10年前に人災で起こったらしい感染症により、孤島の廃村に隔離されてるコミュニティに閉じ込められた人々の会話劇です。
    わからないコトだらけの感染症ですが、罹患すると体表に赤い文様が出て、症状が進行すると紫→黒となって死亡します。記憶障害も病状進行末期には強くなるという点も判明しているのであります。

    最後は年功序列で死亡していたらしい病状が若年層にも移行し、進行速度も上がったようで政府から見限られてしまったようだという暗い暗示で終幕です。(いやぁGAME「姦染」(5かな?)の爆弾オチかなぁとか想像してしまったデスよ)

    舞台セットは、なかなかに広くて豪勢っぽい山小屋風の居間でして、作りが丁寧で綺麗なセットであります=目玉は中央部分の窓でした=箱庭風で本当の風景のように見えるんですよ! 素晴らしいです(^^)
    舞台中央にテーブルを配して、奥が水場で上手に銀の隔離部屋がある作りです。

    観劇客層年齢はそこそこ高めに思え、男女比は1:1ぐらいかな。ほぼ満席で、最前列はベンチ席でした。

    ゼロアワー開演はならず・・・・完全に真っ暗な暗転からのスタートです

    銀の小部屋内にいる白い防護服を着た籾山オサムとテーブルにいる普段着のコミュニティリーダー山岸正巳氏が定例報告をしている場面からの始まります。今日新たに3人の発症者が来訪することと、施設の高齢者が3名亡くなった事を坂木氏に報告捕捉されます。 事勿れ主義の山岸氏は入居者の一人が暴れると聞いて困惑しておりました。(ココでの会話で何か投げやり風な籾山氏のひととなりが楽しめました)

    この島は廃村であり、ヨコガワ病と診断された患者が隔離されています。物資は週一の定期船による供給のみ。 島内には立ち入り禁止区域もあります。

    山岸の衛生局時代の部下だった坂木俊が、嫌だったのに連絡員にされたから感染したので、そのことについて何かしらリアクションを求められても山岸氏と会話が噛み合いません・・・。 妙な喧嘩と仲直りを繰り返すヒロタカとキヨタカ達もやってきます=この二人は苗字が高台という”ガンチビト”であり日本人でありながらも差別されてきた方々です。ガンジ山に住んでいる方々で、さまざまな地域から人が集まってきたらしいです。

    やって来た3人は南ノリト氏の妻=1年ぶりの再会となる江里奈さんと、新婚1週間目で現実を直視できず暴れている川口ナオ(夫=コーイチロウ)、ガンチビトで浩宇(ヒロタカ)氏の姪っ子である高台美帆=メイファンと言うのがガンチビトとしての名だそうです。
    ちなみにもう一人のガンチビト、高台暁明(トシアキ)氏はシャオミンと言うそうです(眼鏡かけてます)。

    で南さんの奥さんが1年の旦那の隔離から他に好きな人が出来て、ここでは同じ家に住みたくないとか。籾山君が感染してメンバーに入ったりとゴタゴタが続くうえに。籾山君の後任も来なくて配給船も来ません・・・。週1だった配給船に代わり、物資はヘリコプターで月に一回投下と変更されると通達文が投下物資内に入っていました・・・。政府の言いなりになるわけにはいかないと、事無かれ主義の山岸さんを差し置いて坂木君がヘリに旗と地面での抗議文を見せることになるのですが(リーダー交代しました) 現状は変わらず、皆の病状が進行していることが斑点の色と最近の記憶抜けで判明し、ついにヒロアキさんが亡くなります。それで全員黒服になっての”オシマイノギシキ”やる段になっての話し合いで、病状進行者が多く判明し。やりきれなさを山岸は以前坂木が作った旗を振りに行き、皆が追いかけるシーンでENDです。
    最後は皆が出て行った空っぽの部屋で窓の外が夕焼けになり時間経過示すも誰も戻ってこない・・=結局死んでしまう流れは代えられなかったというイメージを示唆したようです。
    政府は配給を減らし、コミュニティでの人数の上限を定め反乱因子を抑えて。尚且つこの村も廃止して収容施設に罹患者を集めることに方針変換したようです。元凶となった赤い屋根の施設周辺でしか発病が無く、原因作ったらしい博士(病名の元となった方ですね)もメディアに露出しなくなり、全ては闇に包まれてゆくようだと話も出ました。

    一応観客に”ツノギムシ”=食べると美味しいらしい(まぁ調理法がナンですが(^^;)という虫に噛まれると病気の進行の遅延か回復がなされるのでは?と思わせるシーンなども入れられて、想像を膨らませる鍵など散りばめてました(^^)

    設定が細かいので、この病気ネタにしてスピンアウト物とかも作れそうな感じです。(ゾンビ映画みたいな作りともいえましょうか)

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