満足度★★★★★
人間ってヤツは……
陽気なふてぶてしさと哀切さが同居する主人公の印象、劇中で語られる早物語の完成度、時代の風俗も織り込んだ物語の面白さなど多くの見どころがあったが、それ以上に、人間というモノのおろかさやみにくさ、あるいは業(ごう)とでもいうしかない何かが感じられて、何度も冷たいものが背筋を上っていくような気がした。
満足度★★★★
血
終演後、心臓が痛くなった。鼓動が早くなってしまった。
「血」が、悪いのか?「血」の繋がりなのか?
舞台上での、舞台美術の「赤」が物凄く目に焼き付く。嫌なくらい、纏わりつく。
「悪」はどこから生まれるのか?
千葉伸彦さんのギター演奏。心情を表す様な、ギターの沢山の音色、
ボディーを叩く音。
二代目藪原検校・杉の市を演じられた野村萬斎さん。
初めて実際の舞台を観させて頂いた。
やはり、本来の狂言師としての才能を持ってる強み。
しかし、そこだけではないどこか、生きた時代を俯瞰で見ているような、
行っている事は勿論非道な事ではあるのだけど、
なにかか違うような印象を受けた。
「俺がして、何が悪い?」と杉の市の心の深い所が苦しくもあり、
理解してあげたいとも感じた
こまつ座の公演は初めて?だったかもしれないのですが
プロの舞台だなと。
普段の客層とも大分違う感じもあった。
満足度★★★★
面白おかしく
コミカルなところはとことん滑稽に。杉の市のモノマネショー的な話芸はどうなんだろうと思ったけど、ウケてたからいいか。
杉の一の母、明星さんや、盲太夫の語り部、山西さんが特に良かった。
ラストの狂乱具合は享楽にも見て取れるが、なんかあればすぐSNSにupする現代も同じようなもの。この描写が嫌悪に見られるか娯楽として見るか判断が分かれそうだけど、今回もキレッキレの風刺が効いた舞台でした。