自己オマージュ=シャウクロス 公演情報 自己オマージュ=シャウクロス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    「知れ」
    初演の「シャウクロス」は短編で、私が初めて観た海賊ハイジャック作品でした。長編になったことで、より深くシャウクロスという人間の闇・・・というより、観ているうちに彼の狂気が解き明かされて、果たして彼は悪いのか?そのもそも狂っているのか?という疑問さえ湧いてしまいました。耽美的な美術と研ぎ澄まされた照明の中、舞台を戦時の日本に置き換えてシリアルキラーの深淵を探る、Voyantroupeを知るならこれという一本だったと思います。シャウクロスを演じた平良さんが壮絶で、狂気の狂気たる所以を体現していました。あの母親が産み、戦争が育てた怪物。平良さん、本当に、ものすごく成長して素晴らしい役者さんになってました。

    ネタバレBOX

    そして周囲を彩る「廻天百眼」の女優さん達・・・フェティッシュこの上なく美術の一部となっていました。ロビーにもパンキッシュな同劇団の方達・・・アングラすぎて怖かったです笑

    Voyantroupeは数ある劇団の中でも美的感覚が一番好みに合う劇団のひとつ。改名したことでよりその美学を伝える精度が高まったと思います。素晴らしいネーミングです。でも、海賊ハイジャックという名前も嫌いじゃなかったですよ?笑
  • 満足度★★★

    見→知で観劇
    「あることよりあるべきを見ろ」→「あしきからこそより純粋を知れ」の順で観劇。

    ネタバレBOX

    「あることよりあるべきを見ろ」
    不条理を描きたかったのか、あの時代の異常さを描きたかったのか、余り見えずに終わったかな。
    まあ、アフターイベントで八割ぐらいイロイロ持って行かれたが(笑)

    「あしきからこそより純粋を知れ」
    「見ろ」より、より混沌を感じた。また、壊れていく精神を描いてるように感じる部分もあったが、崩壊という所までは感じなかったかも。
  • 満足度★★★★

    あしきからこそより純粋を知れ
    戦場帰りで殺人を繰り返す男を通して戦争による狂気を描き出しているが、戦争によって狂気に至る過程ではなく煮詰まり抽出された狂気を見せるので強烈にして独特。
    ラストシーン(ジーザス・クライスト・スーパースターの「イエスの宮」後半(♪See my eyes,I can hardry see♪以降)を想起)は主人公の悔恨あるいは良心の呵責が狂気によってモディファイされたもの?
    また、前日譚的な【見ろ】を先に観たので娼婦たちが〇〇に見える、なんて部分など「なるほど、確かに!」状態だったのも嬉しい。
    喩えて言えば【見ろ】が前菜とスープで【知れ】はメインディッシュ的な感じ。
    そして【見ろ】は戦争そのものを語り、【知れ】は戦争に起因する人間の狂気を描いた、というところか?

  • 満足度★★★★

    『あることよりあるべきを見ろ』観劇
    こちらの川添美和さんの方が可愛かったです。

    ネタバレBOX

    占領コーディネーターが存在する占領慣れした南の島の処世訓と言った不思議な話かと思っていたら日本兵の妄想で、占領コーディネーターが勧める占領軍の本分、戦争することと住民を虐待することを真に受けていた日本兵が死体を損傷させた罪で戦犯に問われ、ちょっとした軍規の緩みから馴染みの売春婦を戦場に連れて行ったことから慰安婦問題で世界中から批判に晒されることになるといった話。

    劣化したのかと思ったもう一本と違って占領コーディネーター役の川添美和さんは娘らしく可愛かったです。ホッとしました。今回の二本のうちどちらか一本観るとしたら断然こちらですね。

    今回は両方とも、ベトナム戦争に従軍した後帰国後に残虐な大量殺人事件を犯したアーサー・シャウクロスをモチーフにしたものでしたが、こちらは残虐面に注目した作品でした。

    こちらの不思議な世界観に最初嬉しくなりましたが、どちらにも国益を最優先させるための秘密警察のような組織が登場したりすると、結局はどちらも同じように思えてきて、無理に二本観ることもないような気もしました。

    二本立て営業にも疑問を感じました。
  • 満足度★★★★

    『あしきからこそより純粋を知れ』観劇
    起承転結がはっきりしているように感じました。

    ネタバレBOX

    南洋の島で精神を病み、終戦後多くの売春婦を殺したものの、島で日系米国人のアナーキストを殺したのを日本人と思い込んでいたと証言することで罪一等減じられた男の話。

    今回の2作品は両方とも、ベトナム戦争に従軍した後帰国後に残虐な大量殺人事件を犯したアーサー・シャウクロスをモチーフにしたものでした。

    狂気に満ちた人間やその集団にとっては狂気が日常です。その特殊な日常を普通に描くのがハイジャックの特徴で、普通の人からすると異常な光景を目の当たりにして理解に苦しみ、理解に苦しむのが快感になるというのが特徴だと思うのですが、本作品は大量殺人という狂気を扱ってはいるものの、殺人者になった男の背景が説明されていて、起承転結がはっきりしているような、こちら側の普通の人の立場で描いているような気がしました。

    最初に出てきた女性はおばさんっぽくて川添美和とはなかなか思えませんでした。劣化したかなと心配になりました。
  • 満足度★★★★

    あることよりあるべきを見ろ
    第二次大戦中、4人だけになってしまった日本軍の部隊が接収しようとした村はやけに協力的で…な状況から始まる物語。
    事前情報通りに笑いも多いが、次第に変容。
    占領とは、捕虜とは、虐殺とは、さらにそれらひっくるめて戦争とは、そしてどうしたら戦争が終わるのかなどをサラリと語るんだもの。
    変に深刻ぶったりいかにも大事そうに語るよりずっと響く。
    村の「占領コーディネーター」や「援軍」のラインナップや強さなんかも愉快だったなぁ。(どういう発想をしているんだか…(笑))
    あと、百眼女優陣のよく通る特徴的な声に改めて感心。

  • 満足度★★★

    見ろ
    隔絶された空間をハイジャックらしい演出。ただ、少し重く消化しきれなかった

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